ウンチクの時間です。更科とは何かについては、以前『信州 小諸七兵衛 更科そば』の記事にて紹介した通り、「そばの実のを石臼で挽いた際、一番最初に出てくる白い蕎麦粉(そばの実の中心部分)で打った蕎麦」だ。

では、「御前そば」とは何か? パッケージ裏にはこうある。「本品は、そばの実の中心部分だけを精製した御前粉を使用しました。」……さらに、コトバンクによると「特に更科粉を用い、卵白をつなぎとしたもの」と。

つまるところ、更科の上級版ということだろうか? ちなみに「ごぜん」は “上等の意” らしいので、殿様気分で味わうのがよろしいだろう。ということで今回食すのは柄木田製粉『永坂更科 名物 御前そば』である。

特筆すべきは価格と製造者。まず価格だが、1人前247円は連載史上ベスト3に入る高額蕎麦。また、製造者の「柄木田製粉」は、過去にランキング2位を奪取した『信州 七割更科そば』を作った超実力派のメーカーである。


そんなメーカーの高額商品とは……!


デカい鍋にたっぷりのお湯を沸かし……


3分茹でたら……(早い!)


ハイ完成。


して、そのお味は──


うーん、なんだろう。そうめんなんだよな。おいしいそうめん。やや太めのおいしいそうめん。そのくらい細くて、喉ごしが良くて。蕎麦粉のほうが多く入っているのに、ふしぎと感じるのは “そうめん” なんだよなぁ……。なので「そば!」が食べたい人はパスしたほうがいいかも。


「家そば」か「外そば」かでいえば、もしかしたら「城そば」なのかもしれない。天守閣の頂上に住むグルメな蕎麦好きお殿様だったら「これは美味い蕎麦じゃ」となるかも知れないが、庶民な私が感じられるのは圧倒的そうめん感……。

ということで、喉ごし重視の「そうめん寄りの蕎麦」が食べたい人にオススメじゃ。くるしゅうない。ちこうよれ、ちこうよれ。もっとそば(蕎麦)に、ちこうよれ。


執筆:GO羽鳥
Photo:RocketNews24

★現在までのベスト5★

※()内は購入時の1人前価格

【1位】山本食品『特選そば 十割そば専用工場謹製』(205円)
【2位】はくばく(霧しな)『元祖乱れづくり 木曽路御岳そば』(109円)
【3位】新得物産株式会社『北海道新得八割そば』(161円)
【4位】成城石井オリジナル(新得物産)『挽きぐるみそば』(128円)
【5位】柄木田製粉(信州戸隠そば)『信州 本十割そば』(128円)


【惜しくも選外になった蕎麦たち】
〜松〜
ライフプレミアム『信州戸隠 二八そば』(161円)
滝沢食品『滝沢更科 十割そば』(165円)
本田商店『出雲そば』(150円)
柄木田製粉『信州 七割更科そば』(100円)
本田商店『BIO-RAL Organic 国産有機十割そば』(247円)
信州戸隠そば株式会社『信州本十割そば』(216円)


〜竹〜
紀ノ国屋オリジナル(東亜食品工業)『御そば(おそば)』(230円)
小川製麺所『山形のとびきりそば』(75円)
山本かじの『十割そば本舗 国産の十割そば』(270円)
岡本製麺『阿波名産 祖谷十割そば 石臼挽き』(179円)
大西製粉『風穴そば』(243円)
サラヤ『寒河江 全線 太郎兵衛そば』(205円)
はくばく(霧しな)『そば湯まで美味しい蕎麦 黒』(128円)
昭和製粉『蔵王の銀領そば』(139円)
葵フーズ(東光麺業)『平打ち製法 風土伝匠 味わいそば』(1人前26円)


〜梅〜
おびなた『蕎麦通の更科八割』(99円)
おびなた『戸隠そば』(99円)
高尾製粉製麺『麺の彩宴 播州そば』(46円)
信州戸隠そば株式会社『信州戸隠そば』(216円)
住岡食品『こだわりの麺々 蕎麦』(27円)
7プレミアム(藤原製麺)『2種類のそば粉をブレンドしたそば』(48円)
信州ほしの『信州田舎そば 小諸七兵衛』(79円)
ローソンオリジナル(信州ほしの)『信州そば SOBA』(38円)
山本かじの『十割そば本舗 伝統の二八そば』(161円)
自然芋そば『越後伝統へぎそば 自慢ののどごし』(118円)
白石興産『郷の麺処 そば』(36円)
ニップン(おびなた)『本場 信州そば』(40円)
CO-OP(おびなた)『そば』(40円)
パルシステム(桝田屋食品)『国産とろろそば』(120円)
信州ほしの『信州 小諸七兵衛 更科そば』(77円)
FamilyMart collection(おびなた)『のどごしなめらかなそば』(61円)
柄木田製粉『永坂更科 名物 御前そば』(247円)


〜茸〜
おびなた『蕎麦通のそば』(107円)
トップバリュ(黄色)『香りとのどごし そば』(49円)


〜苔〜
麺のスナオシ『おいしいそば』(27円)