かつて若者のあいだでは知らない人がいないほど大流行したものの、当サイト編集部のエイジングを露呈してしまった「地球グミ」。大ヒットの背景には聴覚から生じる絶頂感、通称「ASMR」があるらしい。

なんでも歯でケースを割るパキッという音や、弾力を感じさせる咀嚼(そしゃく)音がTikTokのようなショート動画にぴったりだったのだとか。

次なる地球グミを探して、韓国で人気だというASMR菓子「パチパチ目玉焼きゼリー」を入手したので食べてみた。


・「パチパチ目玉焼きゼリー」(参考購入価格:税込324円)

いまさら感もあるが、ASMR(Autonomous Sensory Meridian Response)とは、視覚や聴覚から得られる快感のこと。脳がしびれる感じ、背筋がぞくぞくする感じ、などとも表現される。

耳かきの音、ささやき声、髪を切る音などがあるが、代表的なのはやはり咀嚼音だろう。料理の音もよく挙げられるから、食べ物というのは好感情に結びつきやすいのかもしれない。

とはいえ、逆に咀嚼音が不快で耐えられないミソフォニアという現象もある。筆者はどちらかというと「人がものを食べている口内の音なんて聞きたくない」と思うほうだが、このお菓子は楽しめるだろうか?

パッケージは完全に日本語バージョンになっている。作り方なども日本語で表記されているのでお子さんでも安心だ。


開封するとツルンとしたゼリーを中心に、複数の小物が登場。フライパンを模した容器や、ナイフ&フォークが同梱されている。


まずはフライパン型のトレーに「パチパチキャンディー」を入れる……


すると途端に、オレンジ色のかけらがピッチンパッチンと陽気なビートを刻み始める! おいおいちょっと待て、まだ心の準備が……!!

慌ててゼリーを出そうとしたが、上手くフタがめくれず、端だけがビリビリとちぎれてしまう。

仕方がなく、手近にあった工作用カッターで穴を開けたが、甘い汁がこぼれてしまった。このあたり、輸入菓子らしい大雑把さを感じないこともない。

慎重に……ゼリーをトゥルンとフライパンにすべらせる。


すると、フライパンからパチパチ、ジュージュー、シュワシュワという炭酸音の大合唱! ちょうど料理中に油が跳ねるような軽快な音がする。本物のフライパンみたいだ。

目玉焼きにしては「油多すぎだろ」と言いたくなるが、天ぷらを揚げているときの軽いフライ音と表現すればいいだろうか。焚き火がはぜる音にも似ている。

規則的に弾ける気泡がピチパチと耳に心地よく、それでいて「料理が出来上がるのを待つ」という肯定的なイメージと結びつくからか幸せな気持ちになる。これがASMRか……! たしかに快感かも……!!

しかもそれが延々と続く。計測したところ、優に20分以上は鳴っていた。ゼリーを食べ終わってもずっと続くので、焦る必要はまったくなかった。

炭酸飲料のシュワッという音なんて一瞬で終わってしまうから、これはいい。

トッピングのソースは醤油味……ではなくなぜかストロベリー味だ。ちょっと奇抜なビジュアルになったが、気にせず食べてみよう。

見た目は玉子そっくりなものの、半熟の黄身があふれ出てくるといったことはなく、触感はゼリーのそれだ。すっぱりと切れる。

杏仁豆腐のような甘さと舌触りで普通に美味しい。ストロベリーソースをかけなければ、かなり実物に近いビジュアルなので、朝ご飯に出してみるなんて茶目っ気もいいかもしれない。白米と一緒に食べたりしたら絶叫ものなので、人間関係がどうなっても保証はできないが。


・話題性は抜群

筆者が確認できた範囲では、取り扱いはカルディ、ドン・キホーテ、ヴィレッジヴァンガードなどのバラエティ食品店。記事執筆時点で、カルディ公式オンラインストアでは在庫なしになっている。

もしかしたら地球グミのように全国的に入手困難になる……なんて日が来るかもしれないから、見かけたらぜひ!


参考リンク:カルディ公式オンラインストアヴィレッジヴァンガード公式オンラインストア
執筆:冨樫さや
Photo:RocketNews24.