「米のとぎ汁は栄養豊富だから、植物にあげるとよく育つ」過去にこんな話を聞いたことがある。

確かに世の中には「お米のフェイスパック」など、米の成分が含まれた美容グッズもたくさんある。米には栄養がたくさん詰まっているというのは間違いないだろう。……だけどこの話、本当なんだろうか?

ずっと気になっていたので実際に検証してみたところ……待ち受けていたのはまさかの結果だった。


・アサガオで検証

今回はこちらのアサガオを使って調べてみることにした。いつも利用しているスーパーに売っていた、よくあるアサガオである。


2つの植木鉢にそれぞれ種をまき、白い植木鉢の方には米のとぎ汁を与え、茶色い植木鉢の方には普通の水のみを与えてみる。


種をまいてから約10日が経過した頃……おっ、白い植木鉢に芽が出てる! 


数日後、白い植木鉢の芽は順調に成長。


一方、茶色い植木鉢にもようやく芽が生えてきた。おお~、やっぱりとぎ汁の栄養が効いてるんだろうか。分かりやすく成長度合いが違って面白いな。


──ところが、ここから雲行きが怪しくなってくる。茶色い植木鉢の芽がすくすく成長していく一方で……


白い植木鉢の芽は、なんだか元気がないように見える。何なら1本枯れちゃってるし……


上から見てみると一目瞭然だ。茶色い植木鉢の芽はしっかりと根を張って自立しているが、白い植木鉢の芽は倒れてしまってどこか頼りなく見える。あれ、これ大丈夫なのか……? 


その後、何とか持ち直した白い植木鉢のアサガオ。小さいながら本葉も生えてきた。


しかし、茶色い植木鉢と比べると明らかに成長も発芽率も劣っている。


それからも相変わらず茶色い植木鉢の方が元気に育っていき……


何なら約3週間後には、白い植木鉢の方の葉が危険な色になってしまった。

ご、ごめん──!! こんな悲惨な姿を見せられると、なんだか毒をあげているような気持ちにすらなってくる。これ以上米のとぎ汁を与えるのはまずいと判断し、茶色い植木鉢と同じように水だけで育てることにした。


・今後はやめておこうと思います

結局、茶色い植木鉢の方は8月頭にきれいな花を見せてくれたものの、白い植木鉢の方は未だに緑一色である。一応成長は続いているようなので、これから無事に花を咲かせてくれるのだと信じたい。

調べてみたところ、確かに米のとぎ汁には栄養がたくさん含まれているけれど植物にとっては不要な栄養も多いんだそう。

何なら栄養が豊富すぎるゆえに悪臭・虫・カビなどが発生することもあり、肥料として使うことはおススメできないようだ。

一応数日に1回など間隔を空けて与えたり、発酵させてから与えたりすれば肥料として使えないことはないみたいだけど……筆者は今後植物にとぎ汁をあげるのはやめておこうと思う。

自分が植えた植物には元気に育ってもらいたいものだけど、手出ししすぎるのもよくないな。いい勉強になった検証だった。

執筆:うどん粉
Photo:RocketNews24.