蕎麦好きの祖父の影響で、幼少時代より蕎麦が好きだった。やがて高校生になり、蕎麦好きが高じて蕎麦屋でバイトを始めた。
蕎麦は好きだったが、詳しくはなかった。毎日のように蕎麦が食えて、バイク(カブ)に乗れたらいいなと思うくらいだった。その蕎麦屋は、更科(さらしな)だった。私は更科の意味さえ知らずに働いていた。昼のまかないは、更科そばだった。
ということで今回の蕎麦は、以前にも登場した信州ほしの『小諸七兵衛』シリーズの更科版、『信州 小諸七兵衛 更科そば』である。
更科が何を意味した言葉なのかについては、パッケージの文言が説明してくれている。「そばの中心部の更科粉を使い〜」。
そう、更科とは、「そばの実のを石臼で挽いた際、一番最初に出てくる白い蕎麦粉(更科粉 or 一番粉 / そばの実の中心部分は白く、そこが一番最初に出てくる)で打った蕎麦」のことを指す。
ウンチクはそのくらいにして……
デカい鍋にたっぷりのお湯を沸かし……
3〜4分茹でたら……
ハイ完成。
して、そのお味は──
ほお……。これは……。ウマイのだが、私が働いていた更科の蕎麦屋の蕎麦とは全然ちがう。白くて細くて、まるで、まるで、太めのそうめんのよう……と思いきや、いざ食べてみると細めのパスタのようだった。
たしかにパッケージに書かれていた “シャキっとした歯ごたえ” と “爽やかな甘みの喉ごし” は感じるが、いかんせん一度パスタだと思ってしまうと、ついつい冷製パスタを連想してしまうのだ。
「家そば」か「外そば」かで言えば家である。ただし楽しげな家である。「サラスパーラ サラスパーラ♪」とエプロンした子供たちが仲良く「サラスパ(サラダスパゲッティ)」を作るようなイメージだ。
もちろん、蕎麦としての使い方もアリだろう。ただ、そのまま「もり(ざる)」で食べるのではなく、大根おろしをたっぷり使った「冷やしおろしそば」なんて合いそうな蕎麦である。あとはトマト。ドレッシング的なタレと……って、やっぱりサラスパを思い出してしまう。真っ白だからかなぁ。
執筆:GO羽鳥
Photo:RocketNews24
★現在までのベスト5★
【第1位】はくばく(霧しな)『元祖乱れづくり 木曽路御岳そば』
【第2位】成城石井オリジナル(新得物産)『挽きぐるみそば』
【第3位】柄木田製粉(信州戸隠そば)『信州 本十割そば』
【第4位】信州戸隠そば株式会社『信州本十割そば』
【第5位】本田商店『BIO-RAL Organic 国産有機十割そば』
【惜しくも選外になった蕎麦たち】
〜松〜
■ライフプレミアム『信州戸隠 二八そば』
■滝沢食品『滝沢更科 十割そば』
■本田商店『出雲そば』
■柄木田製粉『信州 七割更科そば』
〜竹〜
■紀ノ国屋オリジナル(東亜食品工業)『御そば(おそば)』
■小川製麺所『山形のとびきりそば』
■山本かじの『十割そば本舗 国産の十割そば』
■岡本製麺『阿波名産 祖谷十割そば 石臼挽き』
■大西製粉『風穴そば』
■サラヤ『寒河江 全線 太郎兵衛そば』
■はくばく(霧しな)『そば湯まで美味しい蕎麦 黒』
■昭和製粉『蔵王の銀領そば』
〜梅〜
■おびなた『蕎麦通の更科八割』
■おびなた『戸隠そば』
■高尾製粉製麺『麺の彩宴 播州そば』
■信州戸隠そば株式会社『信州戸隠そば』
■住岡食品『こだわりの麺々 蕎麦』
■7プレミアム(藤原製麺)『2種類のそば粉をブレンドしたそば』
■信州ほしの『信州田舎そば 小諸七兵衛』
■信州ほしの『信州そば SOBA』
■山本かじの『十割そば本舗 伝統の二八そば』
■自然芋そば『越後伝統へぎそば 自慢ののどごし』
■白石興産『郷の麺処 そば』
■ニップン『本場 信州そば』
■CO-OP(おびなた)『そば』
■パルシステム(桝田屋食品)『国産とろろそば』
■信州ほしの『信州 小諸七兵衛 更科そば』
〜茸〜
■おびなた『蕎麦通のそば』
■トップバリュ(黄色)『香りとのどごし そば』
〜苔〜
■麺のスナオシ『おいしいそば』