とんかつチェーン「かつや」には店舗限定の朝食メニューが存在するのだが、『朝ロースカツ定食』や『ミニカツ丼セット』など、朝食感が1ミリもないあたり実に「かつや」である。せめて朝飯の時くらいカツから離れられないのか?

そんなワケで、私(あひるねこ)も「かつや」に朝食のイメージを抱くことは、これまであまりなかった。ところが……! 2022年7月22日より期間限定で販売が始まった新商品について、俺たちの「かつや」はこう説明しているのだ。


まるで朝ごはん、と──。


……あまり信用はできないが、試しに行ってみる価値はあるだろう。

・かつや新商品

というワケで、開店直後の「かつや」にやって来たぞ。ぶっちゃけるとまったく揚げ物の気分ではないのだが、朝ごはんとなると話は別だ。鮭か? 海苔か? 生卵か? 「かつや」の朝ごはんって一体何なんだ? 気になる新メニューが……


これだ!

・良い意味で予想外

う、うおおおおおおお! あれ? 「かつや」なのにホントに朝ごはんっぽいぞ? 丼に横たわるのは大きなベーコンエッグ。ベーコンは全部で3枚あり、その下には千切りキャベツが敷かれている。ウマそうだ。


ではさっそく卵をば……


えいや!


完璧やん。

目玉焼きの好みは千差万別であるが、ありがたいことに私の大好きなトロッとパターンである。こればっかりはチェーン店と言えども、作り手によって仕上がりは微妙に異なってくるはず。今日の私は当たりを引いたな、フフ。それではいただき……


ん?

・気配

何だろう……下に何かいやがるな。とんでもねぇ変態野郎がコソコソ隠れているような気がする……。どれ、ちょっと様子を見てみるか。ベーコンをゆっくり持・ち・上・げ・る・と。そこには……



カトゥーン……




一旦見なかったことにしよう。


・忘れろ

ベーコンエッグは、まあ見た通りベーコンエッグそのものであり、黄身と白身とベーコンの組み合わせはまさに朝ごはんの王道である。こぼれた黄身がかかったキャベツやご飯もまた いとをかし。私は朝食をあまり食べないので、こういうのって実家を思い出して懐かしく感じる。

ただ、やはり卵1個ってのはベーコンエッグとして少し寂しい気もするな。せめて2個あってくれると嬉しかった。ほら、あっという間になくなってしまったぞ。しかし次の瞬間、どういうワケか私はソースカツ丼を食べていたのである。

・なんでやねん

そろそろ逃げ場がないので発表してしまうと、今回の「かつや」新商品の名前は『ベーコンエッグソースカツ』。丼が税込759円、定食が税込869円で、その名の通り『ソースカツ丼(梅)』にベーコンエッグを添えたメニューだ。

たしかにベーコンエッグ自体は朝ごはんらしいが、背後にソースカツがいる時点でただのガチ飯である。事実、ベーコンエッグが退場した後の器内はソースカツ丼以外の何物でもなかった。そもそも本当にベーコンエッグはここにいたのか?


「ベーコンエッグ? お前さん、もしかして……夢でも見たんじゃないかね?


──とでも言われているような気分だぞ。朝ごはんを食べに来たつもりが、こうして私は朝からバキバキにソースカツ丼を食らったのであった。

・総括

ちなみに『ソースカツ丼(梅)』の通常価格は税込572円。つまり『ベーコンエッグソースカツ丼』とは、カツ丼にプラス187円でベーコンエッグを追加した商品ということになる。これを高いと考えるか安いと考えるかで、評価が分かれるメニューではないか。

私はというと「安いとは決して思わないけど……まあ妥当なんじゃない?」くらいのテンションだ。組み合わせ自体は「かつや」らしいありそうでなかったパワープレーで大変素晴らしく、いつ何時食べても満足できるボリュームになっている。

実は目玉焼きは塩コショウ派で、次点がしょうゆ。ソースは無しと考えていた私でも、『ベーコンエッグソースカツ丼』はおいしく食べられたので大した成功作と言っていいだろう。終了する前にぜひお試しあれ。まあ、絶対に朝ごはんではないと思うが。

参考リンク:かつや
執筆:かつや者・あひるねこ
Photo:RocketNews24.

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