ジャンボ。ポテトジャーナリストのチャオスです。その日オレは、タクシー稼業でナイロビの街を流しつつ、記事のネタにもなるポテロールをしていた。すると……あった。ポテト屋発見。いや……野菜も売ってるから八百屋なのか? ともかくポテトを売っていたので、オレは素早く降車した。
遠巻きから観察すると、どうやら薪でポテトを揚げている様子。じりじりと距離を縮めていくと、ドブの香りもプンプンと強まっていった。
どうやら、ポテト鍋の向こうにある木の板が「ドブ板」であり、その下には下水が流れている様子。どうりでドブ臭いわけだ……と思ったら!
なんと店主の女、そのドブ板を薪(まき)代わりに使ったではないか……! 燃料とはいえ、ドブ板で揚がるポテトとかヤベーだろ……なんて心配とは裏腹に……
意外や意外、なんとなく「ポテト待ちの行列」がでてきているではないか。実は美味い店なのか? 逆に興味が湧いてきた。メラメラと燃えるドブ板と共に、オレのジャーナリスト精神にも火がついた!
ということでオレは女将(おかみ)に職務質問ならぬポテト質問してみることにした。
──ポテトいくら?
「30kes(約30円)から売ってるよ」
──安いな。いま、イモの価格も高騰中だってのに、どうしてそんな安くポテトを提供できるんだい?
「それはアンタ、ウチでは見ての通り、電気を使っていないからね。燃料費もタダだから。そのぶんお客さんに還元しようとね(ニヤリ)」
……と、ここまで話して、どうして行列ができているのかわかった。おそらく火力不足で、なかなかポテトが揚がらないのだ。まあでも、ここまで話をしてくれたんだから……と、オレもポテトを買うことにした。
約10分後。やっとこさポテトが揚がった。出来立てのポテト。こんなの美味いに決まってる──と思いきや!
味がしない。イモの味がまったくしない。というか、「スモークの味」しかしないのだ。揚げているのに燻製風味とか……どうなってるんだ?
そこでオレは「コショーをくれ」とリクエストしたが「トマケチャ(トマトケチャップ)しかない」とつれない返事。仕方なくトマケチャをかけ……
ようとしたら、めっちゃめちゃ薄いトマケチャだった。おそらく限界まで水で薄めているのだろう。オレは慌ててトマケチャ作戦を中止した。
一体なぜ、揚げたてなのにマズイのか。なぜイモの味がしないのか。なぜ煙の味がするのか……最後まで謎だらけのポテトだったが、食べ終えた2時間後、オレの腹はガスだらけになった。ブビブビ屁が出る。
帰宅後、オレは紅茶とお湯をたくさん飲んだ。やがて、ガスフルなお腹は治った。ちなみにこの店、朝ではなく夕方から営業開始するそうだ。オレの経験上、夕方とか夜から始まる店は危険。皆も注意してほしい。クワヘリ!
執筆:チャオス(カンバ族)
超訳:GO羽鳥
Photo:RocketNews24.
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