日本から見れば、何から何まで謎に包まれている人物プーチン大統領。先日、ロシア人と話す機会があったので、雑談的にプーチン大統領をどう思うのか聞いてみた。すると、かなり過激なことを言い始めたではないか。その話があまりにガチすぎたので名前と顔を隠してお伝えしたい

・ロシア国民の声が報道されていない

最初にことわっておきたいのは、これは話を聞いたロシア人・S氏個人の意見であるということ。当たり前だが、全ロシア人がそう思っているわけではないことをご理解いただければと思う。

さて、ロシアと言えば、現在、世界の注目を集めているのがウクライナ侵攻。その鍵を握っているにもかかわらず、日本ではほとんど報道されないのがロシア国民の声だ。おそらく、報道が規制されている関係が大きいのだと思うが、ウクライナ国民はテレビ出演するレベルなのに、ロシア国民は何を考えているのかすら全然伝わってこない。

・テレビ報道は本当か

先日見たニュース番組では「ロシア国民の認識は、戦争ではなく一部の武力衝突」と文字で一行だけ報道されていた。マジかよ。そこでまずはこの “戦争であることを知らない報道” についてS氏に確認してみたところ……


S氏「さすがにロシア国内の人々も戦争が起こっていることは気づいていると思う。ただ、戦争と呼んだら罰金がある。だから言わないんだと思う」


──とのこと。どうやら、国民レベルでは非常にシンプルな理由から「一部の武力衝突」とか「軍事行動」とかに変換されているようだ。報道の裏側が見えてくるようである。

・プーチンをどう思っているか

日本人感覚で言うと、明らかに規制が厳しいが、ロシア国内ではそんなプーチン政権への支持率は7割を超えているという。この期に及んで政権の支持率7割超えは半端じゃない。

日本に流れてくる情報を追っているとプーチン支持にはなかなかならないと思うが、前述の通り、プーチン大統領は謎多き人物。日本人が見ているイメージは、ロシア国民とはまた違う可能性が高い。そこでS氏にプーチンについてどう思うか聞いてみたところ……


S氏死んでほしい


──え?


S氏「癌でもなんでもいいから一刻も早く死んでくれることを祈っている」


──と、過激な言葉を連呼するS氏。完全にプーチンにブチギレている。ロシア国民の支持率は7割超えだが、S氏は全く支持していないようだ。


S氏「当たり前でしょ。だって、今じゃ信じられないかもしれないけど、俺が子供の頃、ロシアは欧米とかとも仲良くしていこうとしていた。ハミッてるけどロシアも一応ヨーロッパだし、近代化やグローバリゼーションを目指していた。もう1人で威圧的にやっていくのなんて時代遅れだからだ。

その流れを断ち切ったのがプーチンで、旧時代のシステムに一気に戻してしまった。そりゃウクライナも逃げるわ。魅力ないもん」


──プーチンが死んだら解決する話なんですかね?


S氏「同じ思想を持った替わりの人が台頭する可能性もある。だけど、とりあえず今が最悪で、確実に状況は変わるわけだから、意味がないということはないだろ?」


──確かに何かは変わるでしょうね。

・日本人も他人事ではない

S氏「君も他人事じゃないよ? ロシアはたった20年でこうなったんだ。日本も物価が上がって賃金が上がらなくて、その中でカリスマみたいな政治家が出てきたら、ロシアみたいになりかねないと思うから気をつけて欲しい」


──僕個人のレベルでどうやって気をつければいいんですか?


S氏「ロシアの場合、みんなが政治とか選挙に興味を持たなかった結果が今だと思う。選挙が操作されるっていうのはもちろんあるけど、みんなが政治に興味を持っていて投票率が高ければ、簡単にはいかなかったと思うんだ。

だから、投票には必ず行け。それも1人じゃなくて周りの人も誘って行け。誰に入れるとかはもちろん自分で決めていいから、とにかく投票には行ってくれ。でないとロシアみたいになるぞ


──S氏から見て今の日本人は政治への興味が薄いですか?


S氏「ロシアに似ている部分があるとは思う。例えば、政治的な話がタブー視されているところとか。ロシアでも、家のキッチンとかで友達と政治について雑談することはあるけど、発信という意味ではなかなか難しい。それは支配しやすさに繋がると思う」


──含蓄のありすぎる言葉だった。

繰り返すが、これはS氏個人の意見である。しかしながら、テレビでごくまれに流れるロシア国民の声以上に、リアルさを感じたインタビューであった。

おそらく、本記事についても政治に触れたというだけで批判的なコメントをつける人はいると思うが、大事な話だと思ったためそのまま記事にさせていただく。とりあえず、次の選挙は7月の参議院議員選挙なので忘れないようにしよう。

執筆:中澤星児
Photo:Rocketnews24.