5月1日よりタイへの入国条件が大幅に緩和され、この夏は世界各国から観光客がドッと押し寄せる見込みらしい。「ドッと押し寄せる前に……」ということで去る5月10日、私は成田発バンコク行きのタイ航空便に乗り込んだ。
近年はエアアジアやベトジェットといったLCC(格安航空会社)が台頭してきた東京〜タイ間であるが、やっぱり花形はタイ航空。7時間弱のフライトの楽しみは、もちろん機内食だ。むしろ機内食がなければ間が持たないと言っても過言ではないぞ!
・半数以上が日本人客
想像より閑散としていたゴールデンウイーク明けの成田空港。大手ブランド・ショップは軒並み休業中で、コロナ前の活気を取り戻すにはもう少し時間がかかりそうだ。
この日タイ航空便の搭乗率は3〜4割ほど。
むろん全員に確認したわけではないが、体感では乗客の半数以上が日本人。日本は現在外国人観光客に対して厳しい水際措置を設けているので、外国人が少ないのも当然っちゃ当然だ。
フカフカのシートにピカピカなモニター! どこからか花のような香りが漂うのもタイ航空ならでは。乗務員さんたちの優しいタイ語がカワイイなぁ! サワディカ〜!
・とかやってたら……
さて飛行機は無事離陸し、シートベルト着用ランプが切れた。
……のとほぼ同時に運ばれてきた機内食。いや早すぎるだろ! まだ三宅島の上空くらいなんですけど!? 『フィッシュ&ライス』か『チキン&パスタ』が選べると言われ、3秒間悩んだ末にフィッシュ&ライスを選択した私。この選択が果たして……
ムムッ!!
見た目は正直、微妙である!!
死ぬほど甘そうなケーキもさることながら、問題はサイドの茶色い小鉢。このビジュアル、もしや『シーチキン1缶まるごと』なのでは……? 一般的に日本を出発する航空機の場合、何かしら ”日本食のテイスト” を取り入れた機内食が多いもの。しかしタイ航空にその気は1ミリもないようだ。
まぁいい。まずはメインのフィッシュ&ライスから……お! よかった、これは想像どおりの味でおいしい〜!
米は完全なタイ米。白身魚のフライに甘いチリソースがかかった、要するに “すごくスタンダードなタイ料理” である。見た目の割に辛くないので、お子さんやご年配も心配ご無用。
続いては……問題の茶色い小鉢しか選択肢がない。近くで見ると100%完全なツナだ。ツナってこんなに大量に食べるものだったっけ……いただきます……
!!!!!!!!!
全然イケる……むしろかなりウマい!!!
・すでにタイだった模様
ただのツナと見せかけて、新人アイドルばりの爽やかさとフレッシュさ。さほど味付けに詳しくない私でも分かるぞ……これは『レモングラス』に違いあるまい! レモングラスはタイ料理によく使われるハーブ。タイ料理が持つ “タイっぽさ” の一因となっているブツだ。
そこに生タマネギの辛みと、わずかに感じるナンプラーっぽい臭み。この料理の名を知る日本人は多くないはずだが、口にすれば誰もがこう叫ぶだろう……「完全にタイだ」と。
メチャ甘そうに見えたケーキも思いのほか優しい味。ココナッツとバニラの風味、そして中にはナタデココのようなものが隠れていた。
あまりにも日本を感じさせなかったタイ航空の機内食……飛行機に乗った瞬間から、俺たちのタイは始まっていたのだなァ。
飛行機が台湾上空に差しかかったころ、おやつのクッキーも配られた。まさに至れり尽くせりの7時間弱。ちなみに今回私が食べたのはスタンダードな機内食だが、タイ航空では様々な機内食を事前に指定できるサービスを実施している。
例えば追加料金を払えば豪華なスペシャル機内食、他にもベジタリアンミールにダイエット食、各宗教のルールに配慮したメニューなどなど。タイ航空の機内食は色んな意味でかなりススんでいるのだ。詳しくは公式サイトを確認してみてくれ!
参考リンク:タイ航空
執筆:亀沢郁奈
Photo:RocketNews24.