サクっと注文できてサクっと届くことが出前アプリの魅力であるがゆえに、もし仮に「到着まで120分」と表示されたら大抵の人はスルーするに違いない。「そんなに待ってられるか!!」ってなもんである。
しかしながら、先日私は『出前館』で「120分待ち」と表示されている店の料理をつい注文してしまった。なぜなら、そこは “不思議な蕎麦屋” だったからだ。
蕎麦屋で120分待ち。それだけ人気なのかもしれないが、単純に配達まで手が回ってないってこともあり得る。あるいは、宅配ライダーが不足しているのかもしれない。
様々な原因が考えられるが、そもそも注文したら実際は何時間かかるのかってところも気になる。表示こそ120分待ちになっているものの、混んでいる飲食店で2時間先の予定まで正確に表示されるとは思えない。
最悪の場合、注文から4時間後に伸びに伸びた蕎麦が届けられる可能性がある。あるいは蕎麦が汁を吸いすぎて「油そば」みたいになっているかもしれないし、乾燥しすぎて味付け海苔みたいになっているかもしれない。
だからこそ多くの人は「120分待ち」という物件を避けるのだろうが、ここで行くのが本企画「出前アプリ検証」である。その店『駒込 かすみ庵』のメニューを1つ選んで注文確定。
で、実際どうなったのか。結論から言ってしまおう。家のチャイムが鳴ったのは、なんと注文してから……
1時間59分06秒後!
ほぼピッタリ!!
奇跡と言ってもいい正確さである。さすが『出前館』というべきか、さすが『駒込 かすみ庵』というべきか、さすが配達のお姉さんというべきか。おそらく、それぞれの連携がバッチリと決まった結果なのだろう。
ちなみに、配達のお姉さんに聞いたところ、お店の周辺でデリバリーする人が不足していたため120分かかったらしい。つまるところ、作ってから配達までに時間がかかったワケではなさそう。
そのためか、注文した『山椒の香りがたまらない肉カレーうどん(1490円)』はまったく伸びておらず、汁はアツアツ。何の問題もない。また、山椒と唐辛子ベースとはいえ辛すぎることはなく、辛さ的には牛丼チェーンのキムチ鍋レベル。これは体があたたまるぜ。
ただ、どうしてもメニューには不満が残る。というのも、『駒込 かすみ庵』は「蕎麦屋のカレーうどん」と書かれているので蕎麦屋のはず。
しかし……!
蕎麦が1つも無いのだ。少なくとも、出前館のアプリ上で私が確認したときはゼロ。そこに表示されている麺類は「うどん」のみである。なぜだ? 一体なぜ「うどん」しかないのに蕎麦屋の看板を掲げているのだ!!
気になってお店の名前をググったが情報は出てこず、住所を入れると全く知らない店名が表示された。ということは、『駒込 かすみ庵』はゴーストレストラン的な感じなのだろうか?
調べてみても、お店としての基本的な情報はいまいち不明だ。それだけに、料理の到着時刻がビビるほど正確だったことが奇妙に思えなくもない。時間に正確なゴースト。よく分からないけど、なんかすごいぜ……。
執筆:和才雄一郎
Photo:RocketNews24.
ScreenShot:出前館 (iOS)