食玩やカプセルトイの世界では、車やメカと並んで超緻密な生物模型もよく見かける。

「チョコエッグ」のリアルな動物シリーズは一世を風靡(ふうび)したし、昆虫や甲殻類など節のある生き物はバラバラのパーツを組んでも違和感がなく、カプセルトイと相性がいいのではないかと思う。

子どもの知的好奇心を刺激し、手で触れる図鑑のような役割も果たすから、教材としても優れている。今回入手したカプセルトイも、よくできた甲殻類の模型だと思った。途中までは。


・「本当に剥けちゃう!ぷにゅぷにゅ!伊勢海老マスコット1・2」(300円)

カプセルを開封すると、出てきたのは「ケブカイセエビ」! 「毛深伊勢海老」と書き、見慣れた伊勢海老よりも緑の強い体色。その他「ニシキエビ」や「ゴシキエビ」バージョンもある模様。日本近海でも獲れる大型の海老だそう。

毛深いのかどうか、はわからないけれど顔の周辺のトゲトゲなど、よくできている。


腹側も手抜きなし! 丁寧に作り込まれている。素材はビニールのような感じで、少し弾力がある。


デフォルメのない写実的な造形で、海の底を歩いているのが想像できるような姿。海中のジオラマにも使えそうである。


……とこの商品、これだけでは終わらなかった。胸と腹のあいだに接合部のようなところがあり、軽く引っ張ると……


えっ…………!


うわぁぁぁ、スポッと下半身が外れる!


そして出てくるのはぷにゅぷにゅのむき身! 本体とはまた違う軟らか~い触感で、半透明なところもリアル!


いや、そうだけれども。伊勢海老は人間から見たら生物というよりは食材だけれども。伊勢海老からしたら、ブラックすぎるジョークだろう。

どこからか「ニンゲン、ヒドイ……」という声が聞こえる。なぜか罪悪感を刺激されるような居心地の悪い感覚……。シュールである!!


今回購入したのは第2弾で、実は2020年発売の第1弾もあった。そちらは「茹で赤」「焼きオレンジ」など、さらに露骨。

火が通ったせいか、身がしっかり白くなっているところもリアルである。

しかし、最初から「料理」として見るせいか、第2弾ほどのインパクトは感じない。同じ対象でも生物としてみるか、食材としてみるかで、だいぶ印象が変わるな。

食うか、食われるか、この世は弱肉強食である。


・イセエビ、オイシイ

第2弾は2021年12月発売で全5種。第1弾はほぼ1年前の2020年12月発売で全5種だった。筆者は第2弾と同時に第1弾も見つけたのだが、終売しているところが多いかもしれない。

どことなくブラックユーモアが感じられるこの作品、押すとセミが出てくる「脱皮シリーズ!セミの抜け殻ぷにゅぷにゅマスコット」などを生み出した個性派メーカー・株式会社トイズスピリッツから発売中だ。


参考リンク:株式会社トイズスピリッツ
執筆:冨樫さや
Photo:RocketNews24.