まさかこんなことになるなんて──。年明け早々、カプリチョーザの最高額メニューを平らげた私、P.K.サンジュンは “己のツメの甘さ” を心の底から恨んだ。と同時に「カプリチョーザ、すごいわ」とも感心せざるを得なかった。

ファミレスの最高額メニューを片っ端からやっつけていくこの企画『ファミレスの1番高いメニュー全部食う』の第16回目には、イタリアンファミリーレストラン「カプリチョーザ」が登場だ。今回私が学んだ教訓は「現場では何が起こるかわからない」ということである。

・松ちゃん大好き、カプリチョーザ

日本全国100店舗弱を展開する、イタリアンファミリーレストラン、それが「カプリチョーザ」だ。カプリチョーザとはイタリア語で「気まぐれ」という意味の言葉であると、公式サイトに書いてあった。響きがイイよね、カプリチョーザ。

その名の通り、手頃な価格なのに本格的なパスタやピッツァは絶品の一言。一昔前に、あの松本人志さんがカプリチョーザが大好きだと聞いたが、ビルドアップを果たした今はどうなのか? ちょっぴり気になるところだ。

・事前リサーチでは…

それはどうでもイイとして、今回「カプリチョーザ」の最高額メニューを平らげるにあたり、私は事前にリサーチをしていた。ホームページによれば最高額メニューは2300円の「渡り蟹のトマトクリーム スパゲティ」で、こちらは「2~3名様向け」とのことだ。

つい先日、44(しじゅうし)になったばかりの私は、最近明らかに食欲が落ちている。それでも「2~3人前」ならかろうじて何とかなる……ハズ。「よっしゃ、44の食欲をスパークさせるぜェェエエエ!」と気合い満点で最寄りのカプリチョーザまで足を運んだ……のだが。

・聞いてないよ

店内で手に取ったメニュー表には「渡り蟹のトマトクリーム スパゲティ」をも凌ぐ最高額メニューが存在した。それが3070円の「大定番! トマトとニンニクのスパゲティ(トリプル)」である……マ、マジかよ……!

店員さんによればトリプルサイズが存在するのは「トマトとニンニクのスパゲティ」だけで、「だいたい3~4人前 & パスタの量は茹でる前の状態で390グラム」だとのこと。また「1人で召し上がる方は滅多にいない」とも言っていた。そりゃそうだ。

それでも最高額メニューが「大定番! トマトとニンニクのスパゲティ(トリプル)」である以上、避けて通れないのがこの企画のツラいところ。「残しちゃったら持ち帰りますので……」と言い訳をしながら、突然の大食い企画が幕を上げた。

・完全に力士サイズ

到着したトリプルサイズの「トマトとニンニクのスパゲティ」は、ため息が出るほどボリューミー。というか、器の大きさ的には “力士サイズ” と申し上げて差し支えあるまい。誰も得しないのに何で俺ソロで大食いするハメに……?

……が、味はマジで激ウマ! 基本はトマトとニンニクだけのシンプルなパスタであるが「それだけでこんなにウマくなるのか?」というほど、味わいは最高。カプリチョーザではイタリア産トマトにこだわっているらしいが「これほどウマいならこだわるべきだわ」と妙に納得した。

また、酸味と辛味が絶妙なため想定よりも早いスピードで「トマトとニンニクのスパゲティ」が無くなっていく。結果、およそ20分ほどで全てのパスタを完食した。腹はパッツンパッツンであったが、最後まで食べ切れたのは紛れもなく「トマトとニンニクのスパゲティ」が激ウマだったからである。

・ガチでウマいやつ

これがカルボナーラだったとしたら、どれだけ美味しくても完食は難しかったハズ。トマトの濃厚な旨味と酸味、そしてニンニクの香りが最大限に活かされた「大定番! トマトとニンニクのスパゲティ」は “鉄板メニュー” として私の中に記憶された。

というわけで、満腹でノロノロと歩きつつ「なんでリサーチと違うんだ……」という恨み節と「でもトマトとニンニクのスパゲティで良かったな」というポジティブな感情が織り交ざった帰り道。現場では何が起きるかわからないが、それでも今回は「トマトとニンニクのスパゲティ」にギリギリのところで救われた。

参考リンク:カプリチョーザ公式サイト
執筆:P.K.サンジュン
イラスト:マミヤ狂四郎
Photo:RocketNews24.