世界31の国々に進出している無印良品。実は現在すでに、日本国内の店舗数より海外店舗のほうが多くなっていることをご存知だろうか。ヨーロッパでもイギリス、イタリア、ドイツなど、名だたる国の多くで無印の看板を目にすることができる。
さて海外進出を果たした日本企業は、大抵その土地ならではの “地域限定商品” を販売しがち。我々ライターにとって貴重なネタの宝庫なのである。今回私が訪れたパリの無印では、果たしてどんなオシャレ・アイテムに出会えるのだろう? 張り切って探してきま〜す!
・憧れのパリ1区
パリ市内にあるいくつかの無印のうち、最大級の規模を誇るのが『Westfield Forum des Halles』という巨大ショッピングモール内の店舗。
外観は判別がつかないほど日本の無印に似ているが……
入店してみてもほぼ判別がつかない。ここ、本当にパリか?
・無印の人に聞いてみた
とりあえず、店内をひととおり巡回してみることにしよう。
店頭に大量陳列されていた『ホワイトチョコがけいちご』……は、日本でも普通に買えるよね。
家具コーナーも異常なし。
靴下コーナーも完全に日本と一致。これほど日本っぽい靴下をフランス人が着用するとは。
おっ! 『MUJI YOURSELF』(商品にスタンプを押してオリジナリティを出そうというコーナー)に『エッフェル塔ふうのスタンプ』が置かれているのを発見! これはさすがにパリ限定でしょう!? さっそく無印の人に尋ねてみると……
「フランス限定ではない」との答え……。
・残念な事実判明
しかも衝撃的なことに、無印の人いわく「基本的にフランス無印に限定商品は無い」とのこと。
唯一、店の中央に渦高く積まれた『色付きキャンドル』に関しては、一部フランスでしか取り扱いのないものもあるらしい。売り場周辺には素晴らしくイイ香りが充満しており、確かに日本では体験できない光景だ。
フランスの人って本当にキャンドルが大好きなんだな。
また店内を2周、3周とするうち、日本とは異なる傾向も見られることが分かってきた。まず『木製洗濯バサミ』の取り扱い量がハンパじゃないこと、それから『シューズキーパー』が主力商品であることなど。生活スタイルの違いがうかがえる。
かと思えば日本特有アイテム『弁当箱』もかなり売れているようだ。
・ある法則を発見
そして……フランスの無印内で最も “フランスらしさ” を感じたのは食品コーナーだった。その全貌は……
イタリアで作ったパスタソースに……
オランダ産のチーズスティック……
そしてフランス産じゃがいものポテチなどなど。
そう、あまり広くない食品コーナーの大部分が “ヨーロッパ産の食材を使った商品” で占められていたのだ。フランス産ポテチはフランスのスーパーでいくらでも買えるはずだが、わざわざ日本で加工されたものを逆・逆輸入とは……やっこさん、どんだけ母国が好きだというのか。
かと思えばフリーズドライの雑炊や味噌汁といった、かなり和風な商品もチラホラ。今回の調査により、フランス無印の品揃えは “メッチャ欧米っぽいもの” と “メッチャ日本っぽいもの” の二刀流……という傾向にあることが判明した。
中でも圧倒的な売り場面積を誇っていたのが『フランス産じゃがいも ポテトチップス ゲランドの塩』2.5ユーロ(約324円)。日本での価格は290円と、驚くべきことにほぼ変わらない。
なお私は今回初めて無印のポテチを食べたのだが、思わず「うまっ」と声が出るほどおいしかった。フランスの大地と日本の技術が産んだ無印のポテチ……部外者ながら、自信を持って外国の方にオススメしたい一品である。
結果として「日本とほぼ同じ品揃え」であることが判明したフランスの無印。おみやげ購入には不向きだが、海外旅行で日本食が恋しくなったら迷わず利用してほしい。
執筆:亀沢郁奈
Photo:RocketNews24.
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