ホテルニューオータニといえば、日本を代表する高級ホテルであろう。芸能人が結婚式や記者会見で利用することを考えたら、「セレブ御用達ホテル」と言っても大げさではないはずだ。
そんなホテルニューオータニが福袋を販売していると私が知ったのは、2021年11月上旬のこと。高島屋のオンラインサイトで偶然にも見つけたそいつの価格は税込5400円。超有名ホテルの割にそこまで高くないな……という気持ちに任せてポチッ!
ちなみに、ホテルニューオータニの福袋は様々な種類がある。私が購入したのは高島屋のオンラインサイトで見つけたもので、そのほかにオータニの公式サイトで直接販売しているタイプも(2022年1月6日現在)。
また、私が購入したものを高島屋のオンラインサイトで検索してもヒットしないから、どうやら現時点では売り切れたもよう。ゆえに、これから購入するのはハードルが高いと思われるが、正直なところ大した問題ではない。
なぜなら、福袋の中には1つだけ別格で美味いものがあり、そいつを狙って買えばいいのだから。それが一体何かを紹介する前に、中身の一覧から見ていきたい。購入した福袋を開封すると、こんな感じだった。
【2022年ホテルニューオータニ福袋(高島屋で購入)の中身】
・コーンスープ ×2 パック
・ホテルニューオータニナボナ
・ビーフカレー × 3パック
・紅茶2種(ダージリンとニューオータニブレンド)
・ガトーショコラ(ミルク&スイート)
・オマール海老のビスク × 2缶
※福袋なので中身が異なる可能性があります
どれもホテルニューオータニのオンラインサイトで購入可能で、トータルの価格(通常価格)をざっと計算すると約1万1000円。それが5400円で購入できたのだから、約半額で購入できたことになる。
・オータニサーンに期待していること
ここで問題なのは、それぞれの商品がホテルニューオータニらしいかどうかという点。ホテルニューオータニ……ここでは親しみを込めて「オータニサーン」と呼ばせてもらうが、オータニサーンである以上シングルヒットではダメなのだ。みんなが期待しているのは……
ホームランのみ!
──であろう。そもそも、シングルヒットやツーベースだったら、チェーン店やコンビニで十分に味わえる。たとえば、私がよく利用しているセブンイレブン、王将、松屋、鳥貴族なんてタイムリーヒット量産マシーンだ。
それだけチェーン店・コンビニのレベルが上がっている中で、オータニサーンはオータニサーンらしさを発揮できるのか? ……という厳しい目で見たがために、結果的に辛口ジャッジになってしまった。
前置きが長くなってしまって申し訳ない。それぞれの商品を食べた感想を紹介していこう。
・コーンスープ
うーん、シングルヒットか内野安打かな。なにせ、ファミレスのスープバーにあるコーンスープだって大体のものは美味い。それとオータニサーンのコーンスープが明らかに違うかというと……私の舌では差を感じ取れなかった。
誰でも出来るプレイとは言わないが、オータニサーンにしかできないスイングだとは思わなかったのが正直なところ。
・ホテルニューオータニナボナ
なんて上品な味! ……というのがひと口目の印象。しかし食べ終わると「セブンイレブンのスイーツで十分かな」となった。甘さ控え目なお菓子が好きな人にはツーベースかもだが、私的には内野安打。
・ビーフカレー
口に運ぶと、有能なコンシェルジュに接客されているような気持ちになった。決して前に出ることなく、必要なものをソッと用意しておいてくれる……ようなカレー。つまるところ、ザ・王道。
しかしながら、カレーである以上はもう少しスパイスなどに主張して欲しいと思わなくもない。有能なコンシェルジュもいいが、民宿のおばちゃん(主に関西方面)くらいの賑やかさが欲しいと言おうか。そういう意味で、個人的には松屋のカレーの方を選ぶかな。
ジャッジが難しいが、オータニサーンのカレーは玄人好みの内野安打ってことで。
・紅茶
紅茶もまた王道。2種(ダージリンとオータニブレンド)ともクセがなく、香りも強すぎない。カレーと同様、こちらもまったく前に出ない有能コンシェルジュのよう。ただ、紅茶であるがゆえにカレーほど “主張しない感” が気にならない。シングルヒットで。
・ガトーショコラ
しっとり系の極みのようなガトーショコラ。パサパサ感ゼロである。ガトーショコラ自体はどこでも買えるが、ここまで食感・味ともに上品なものは食べたことがない。さすがにセブンイレブンでもこのレベルは難しい気がする。ツーベースヒットで。
・オマール海老のビスク
口に入れた瞬間に確信した。バットの真芯でとらえた感覚を。打球はグングンと伸びていき……場外だぁぁああああ! すごいホームラン! 記録的な飛距離!! やってくれたぜ、オータニサーーーーーン! SAYONARA!!
……というような味。何がすごいかって、海老感が凄まじいこと。スープストックトーキョーのオマール海老のビスクも十分に美味いが、ちょっと比較にならないレベル。
鼻に抜ける海老の殻の香りは、「本物の海老よりこっちの方が海老感が強いのでは?」って気がするほど。ちょっとした化け物。海老おばけ。
──以上!
全般的に辛口ジャッジをさせてもらったが、1つとして三振(イマイチなもの)がなかったのはさすがオータニサーンと言うべきか。とりわけ、海老で見たきれいなアーチは個人的に強烈なインパクトとして残っている。
ちなみに、先にも述べたようにオマール海老のビスクは公式サイトで購入可能。ただし! その通常価格がなんと……
1缶1080円!
たった165gなのに1000円オーバー!!
……
……
アンビリーバボー! オータニサーン!!
(おわり)
参考リンク:髙島屋の福袋2022、ホテルニューオータニ「オマール海老のビスク」
執筆:和才雄一郎
Photo:RocketNews24.