お〜い! オッサンのみんな〜! 「スープストックトーキョー(Soup Stock Tokyo)」って知ってるか? 何? 知らない? じゃあ教えてやろう。スープストックトーキョーってのはな……実はな……! 

すげーオシャレな店なんだぜ。客の女性率だってめっちゃ高いんだぜ。そんな店に、生まれて初めて行ってきた。オッサンである記者(39才)が、つい先日1人で行ってきたんだ。念願の初スープストックトーキョー!

いや〜最高だった。オシャレ階段を一気に五段くらい駆け上った気がするぜ。だけど、正直なところ戸惑うことも多くて、最終的に恥をかいてしまったのは否めない。読者が同じ失敗をしないように、以下でシェアしておくぞ。

・メニューを見た時点でショック

何にビビったかって、まずはメニューだ。訪れたとき、お店の外にはセットメニューが並んでいたからじっくり見たわけだが……


3つのセットのうち2つは、「スープでご飯を食え」と言っているような気がするんだ。店はスープをおかずにカウントしている気配がするんだよ。考えられるか? スープはスープ! いわば前菜であって、ご飯を食うもんじゃないだろう? 

ご飯を食うなら、生姜焼きとか魚の塩焼きとか唐揚げとかハンバーグが必要じゃん。スープにその役割は担えないじゃん。1番バッターに、「4番と同じくらいホームラン打ってくれ」って言ってるみたいなもんじゃん。ムチャじゃん。往年の長嶋采配みたいなもんじゃん。

だけど、スープストックトーキョーはそれをやってんだよ。だから、3つのうち2つはセットとして成立していないとしか思えなかったんだ。唯一カレーのセットだけがメンバー構成的にアリ。よって、カレーのセットに決定!


って思ったけれど、ここでカレーのセットを頼んだら、スープストックトーキョーに来た意味がないような気がしなくもない。ゴーゴーカレーでいいじゃん的な。ココイチでいいじゃん的な。だから今回は無理をして、スープのセットにしてみた。

選んだスープは、『オマール海老のビスク』ってヤツ。メニューの中で結構目立っていたし、響きが何となくオシャレだからだ。こいつを頼んでおけば、周囲の女性客からも「あ〜このオッサンは分かってんな」って思われる予感がした。


 

あと、ライスの他にパン等も選ぶことが出来たけれど、表で見たメニュー写真に合わせて、白ゴマが振りかけられたライスをチョイス。そのオーダーをレジで店員さんに伝えると、「ドリンクはどうしますか?」と聞かれたので、とっさに「じゃあアイスティーで」と返した。

数秒後に「スープあるんだからドリンク不要じゃね?」と思ったが、時すでに遅し。店員さんの手際のいい作業によって、すでに料理の乗ったプレートが用意されている。まあいいか。ひとまず席を探すとしよう。

それにしても、エゲつない女性率だ。というか、店の客で男性は自分だけではないか。女性専用車両に迷い込んだらこんな気持ちなのかな……と思いながら、空いていたカウンター席に着席。言うまでもなく、両隣もその隣も女性だ。


・違和感のある構成

さて、受け取ったプレートを見ると、スープとアイスティー、店員さんが気を利かせて付けてくれた水、あとは白ゴマが振りかけられたライス。ということは、4つのうち3つが液体ということになる。


 

これを和食に置き換えたら、ご飯、味噌汁、緑茶、水ってラインナップになるわけで、お世辞にもバランスの良いメンバー構成とは思えない。っていうか、おかしい。ご飯どうやって食うんだ!? と思いながら、『オマール海老のビスク』をすすると……



はぁ〜〜〜〜!


ええダシ! 洋風のええダシ出てるわ。めちゃくちゃ美味い。自分が今まで食ったものの中で近いものは何かと聞かれたら、ハヤシライスかな。それをもっと上品にして魚介の風味を加えたみたいな味。

つまるところ、ハヤシライス的な感覚でご飯を食えそうなのだ。良かった〜〜! これで初めてのスープストックトーキョーを楽しめそう!! と安心したところで、『オマール海老のビスク』を食べ進めたんだが……


不思議なことに、どれだけスープを食べても肝心のエビが出てこないんだ。最初は、「下の方にあるのかな?」と思っていたから気にしてなかったんだけど、いくらスプーンをかき回してもエビがヒットしない。ってことは……

オマール海老のスープなのに、オマール海老の身が入っていないってことになる。なぜなのか? もっとも考えられるのは、スタッフがスープをすくう際にミスしたパターン。よくあることだ。チェーン店の味噌汁だと、具がほぼ入ってないなんてザラだし。


・どうすべきか?

運が悪いと言ってしまえばそれまでだが、このアクシデントをそのまま紹介して「オマール海老のビスクに具は入ってませんでした」と書いたら、店が困るのは目に見えている。なので近くのスタッフに声をかけて、こんな風にお願いしてみたんだ。


「すみませーん、この『オマール海老のビスク』にエビの身が入ってなくて……。結構食べちゃったところ申し訳ないんですが、身が入ってるものに交換してもらったりとか出来ます?


その瞬間!


なぜか、両サイドから視線を感じるではないか。もっと言うと、遠くの席からも視線を感じた。店の女性がチラッとこちらを見ているのだ。まぁたしかに、カッコいい申し出でないのは認める。

女性からすると、「エビの身ごときで何セコいこと言ってんねん」って感じにもなるだろう。「小っちぇえ男だな」と思われても仕方がない。下手したら、クレーマーのように映ったのかもしれない。

だけど、それは誤解だ。店員さんのミスをそのまま紹介しちゃったら、誰よりも店が困るのだよ。こっちだって、本当は言いたくはないのだよ。普通だったら、エビの身の1つや2つスルーするよ。だけど……だけど……今回は仕方なくて……! そんなに見ないでくれ!!

──と思っていたら店員さんが答えてくれたのだが、その回答に私は赤面した。心の中が「恥」の一文字でいっぱいになった。自分ごときがスープストックトーキョーに行って申し訳ない……って気持ちにさえなった。

どんな回答だったのか、同チェーンのユーザーならお察しだろうが、読者の中には私と同じようなリクエストをするビギナーだっているかもしれない。だから、以下に記載しよう。店員さんの返事とは……


「オマール海老のビスクは文字通りビスクですので、殻ごと全て粉砕してポタージュにしております。なので、最初から身は入っておりません


……


……


……



──というわけで、初めてのスープストックトーキョー体験は、「世の中にはご飯が食えるスープもある」という新発見をすると同時に、恥をかく結果にもなった。

いま振り返れば、総合的には悪くない。恥も含めて、いい経験だった。だけど、事前にビスクが何かを知っていればもっといい気分で店を出ることができたのに……とも思う。

なので、私と同じように知らなかった人は覚えておいてくれ。特に初めてスープストックトーキョーにチャレンジする人は、絶対に忘れるなよ! 他にも分からないメニューがあったら、変にカッコつけず注文時に店員さんに聞け!

どうしてもカッコつけたいなら、ググりまくってから入店しろ!!

参考リンク:スープストックトーキョー(Soup Stock Tokyo)
執筆:和才雄一郎
Photo:RocketNews24.