生まれて初めて挑戦し、苦戦しながらも楽しく組めた最初のプラモデル。筆者にとっての最初のプラモデルは、秋東精工の「寿司プラモ」だった。初めてながら綺麗に組むことができ、満足していたのだが。そんな「寿司プラモ」にいつの間にか、新作が登場していた。

新たな「寿司プラモ」として2021年8月8日に発売されたのは、「寿司プラモ Ver.いくら(一貫)」だ。お値段1540円。鮪、鮭に引き続き第三弾として発売された「いくら」は、大苦戦させられた364粒の米粒パーツに加え、リアルな海苔パーツと64粒のいくらパーツで構成されているという。

シャリだけでなくネタまで組まなければならない狂気の「寿司プラモ Ver.いくら」に、プラモ初心者が挑んでみた。

・精神統一にピッタリ

前回の「寿司プラモ」同様、「Ver.いくら」もミニサイズ割り箸がついた、お土産お寿司っぽい箱に入ってやってきた。これが絶妙に可愛くて好きなので、もし今後「寿司プラモ」仲間が増えていっても続けてほしい。

今回も前回同様、米粒パーツは驚異の364粒。そして、いくらパーツも大粒12個・中粒24個・小粒28個と64個やってきた。こちらも米粒と同じく、いくら寿司にのっている平均的ないくらの粒数を地道に数えて決められたらしい。そして、いくら寿司は軍艦巻きのため、海苔パーツまでついている。

まずは米粒パーツを切り離し、綺麗にしていく作業から。前回の挑戦「米粒パーツは指で押すだけで簡単に外せる」と会得したので、今回もサラサラとお米粒を量産していく。

お米たちを枠(ゲート)から切り離した後、お米に残ったささくれのような「ゲート跡」をペンチで1粒ずつ簡単に処理していく。お米を切ってしまわないようゲート跡のみをペンチで切っていくだけの簡単な作業だが、364粒あるため大変は大変。ひたすら黙々と作業していると集中してしまい、余計なことを考える余地すらなくなってくる。お米と私だけの、不思議な時間だ。

そうして綺麗なお米が完成したら、いよいよ軍艦巻きの土台作りが始まる。食品サンプル会社の『いわさき』が作ったというリアルな海苔パーツを、シャリの土台にするか枠ぐみにするか、それとも普通のお寿司同様にシャリを握って海苔を巻くか、しばし考える。

接着剤などを何もつけていない海苔でお米たちを囲ったりしながら思案していると、海苔で枠ぐみを作り、そこにお米を入れてシャリを組んでいった方が簡単なのでは? と思えてきた。

さっそく海苔を接着して枠ぐみ作りだ、と以前プラモ用に買った接着剤を塗ってみたが……塩化ビニール製の海苔が全然くっつかない。樹脂同士を接着するのが得意な接着剤とのことでシャリの接着などで大活躍してくれていた接着剤だったのだが、樹脂は樹脂でも塩化ビニールが苦手だったのかもしれない。

しばらく待っていても接着力があまり高まらなかったため、手持ちの別の接着剤で海苔を輪っか状にくっつけることに成功した。この輪っか状にした海苔の中にお米を入れ、ひたすら地道に接着してシャリを組んでいこうと思う。

ザラザラザラッとお米たちを海苔の中で流し込み、ひたすら接着剤のハケでお米たちをかき回すようにして接着していく。正直、めちゃくちゃ簡単な作業だ。ここまでの作業で1時間ほどが経過しているが、もしかすると、軍艦巻きでない前回の鮪や鮭よりも簡単に出来てしまうかもしれない。そう期待したが──

ひたすらかき混ぜていたにも関わらず、ほんの少ししかくっついていなかった。「寿司プラモ」はそんなに甘くない。だがめげずに、この小さな米粒たちの塊を、シャリの土台にしていこうと思う。

米粒たちの塊ことシャリの土台を海苔の中央に置き……

ひたすら地道に、表面へ接着剤を塗り込んで、米粒たちを貼り付けていく。いくらと接する上側だけでなく、底側にもしっかりと接着剤を塗って米粒を貼り付け、ハケでつつきながら形を整え……の繰り返しだ。

バランスを見て綺麗に貼り付けているつもりでも、気がつくと海苔との間に隙間が空いていたり、妙な凹凸ができていたりする。変な形になっていないか逐一気をつけながら、ただひたすら米粒を貼り付ける作業を続ける。またしても、お米と私だけの修行のような時間が到来した。

そうして地道な作業を繰り返しシャリが出来たら、いよいよ「いくら」の作業に取り掛かる。ここまでくるのに1時間半ほどかかった……。さすが「寿司プラモ」。

いくらも米粒同様に指で押してゲートから切り離していこうと思ったが、ニッパーがちゃんと入るため、ニッパーで直接ゲートから切り離していく方が綺麗にしやすかった。ゲート跡が残らないよう丁寧に切り離してみると、大中小3サイズ展開のいくらたちは、そのままでもう本物っぽい。

そんなリアルないくらたちを、精神統一しながら築き上げたシャリの上に接着していく。作業としては、シャリ作りと同じだ。シャリやいくらの表面に接着剤を塗り、地道にいくらの粒をのせていく。これをまたしても、ただただ繰り返していくのだ。地道……

しかしいくらは米粒より数が少なく粒が大きいため、あまり苦労せずに見栄え良く接着し終わった。いくらの接着にかかった時間は10分。ネタをちまちまと組まなければいけない分、鮪たちより大変かと思いきや、塗装の必要もなくパッと綺麗に仕上がった。嬉しい……!

喜び勇んで、本物のいくら寿司と並べて比較してみる。どちらが本物か書いていないと、どちらも本物のいくら寿司に見えるのではないだろうか。寿司プラモいくらを単体で見ていても「リアルだな」と思ったが、本物と並べてよりリアルさが際立つとは思わなかった。

下の写真の奥側が「寿司プラモ」の方なのだが。もしこの写真が寿司プラモの記事ではなく、例えば友達のSNSに「お寿司食べた」と上げられていた場合、果たして奥側のいくら寿司がプラモだと見抜けるものだろうか。

下の写真では右側が寿司プラモなのだが、正直この写真を見て、めちゃくちゃリアルに仕上がったな……と大満足してしまった。綺麗で美味しそうに見える。綺麗に組んだ自分を自画自賛したいところだが、初心者が組んで塗装せずともリアルに見える「寿司プラモ」が凄い。

前回の鮪と鮭にも随分と楽しませてもらったが、リアルさでいうと「いくら」が一番な気がする。今のところプラモ初心者である筆者は全ての「寿司プラモ」に満足させられているため、今後まだ「寿司プラモ」の展開があるのかどうか、楽しみにしたいと思う。

参考リンク:秋東精工「寿司プラモ第2弾」
執筆:伊達彩香
Photo:RocketNews24.

▼修行……

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