東京都内には約4万台のタクシーが走っている。業界最大手の日本交通が23区と三鷹市、武蔵野市に走らせているのが約5000台……そのうちの7台が『幸運のタクシー』と呼ばれているのはご存知だろうか。走行ルートや所属営業所など、すべて秘密の激レアタクシーだ。
出会う確率は、なんと「アマチュアゴルファーがホールインワン」や「宝くじで高額当選」と同じレベルだという。ぐぬぬ……1度でいいから乗車してみたい。ということで今回は、奇跡を巻き起こして(めちゃめちゃ頼み込んで)幸運のタクシーを特別に手配してもらった。
・幸運のタクシーとは
日本交通のタクシーは「桜にN」マークの社名表示灯、いわゆる行灯(あんどん)が目印となっている。なんでも一般乗務員が運転するタクシーには「青色の桜」、経験豊富なベテラン乗務員が運転するゴールドタクシーには「金色の桜」が付いているそうだ。
そこに「ピンク色の桜」が加わったのが “タクシー生誕100周年” の2012年。当時は観光タクシー担当乗務員が乗務する車両のみに付いていたが、2019年に運用見直しがおこなわれ、それ以外の乗務員の車両にも取り付けて約4600台のうちの5台とし『幸運のタクシー』と呼び名をつけたらしい。
そして2021年7月、5台から7台に増えて……出会う確率がほんっっっっっの少しだけ上がったという。なお、幸運のタクシーを指定して注文することは不可。同社広報の土屋さん曰く「偶然出会うことの喜びを感じていただき、話題づくりの一環になれば」とのこと。
もちろん都内で約4万台の中から探し出すよりも、配車時に日本交通を指定したら5000分の7なので確率は上がる。とはいえ、狙い撃ちするのはほぼ不可能。偶然の出会いに期待するしかない。
もし運良く乗車できたら……
記念乗車証がもらえるぞ。
超カッコイイ!
何も知らずに乗車したらテンション上がるな〜。
幸運のタクシードライバー歴3年の木村さんは、ホテルマンのような優雅な立居振る舞いで接客も超紳士的だった。乗車時間がたった数分だとしても「一生の思い出」レベルの体験になるに違いない。
ちなみに木村さんは、当初、記念乗車証を降車時にプレゼントしていたそうだが、お客さんから「それならもっと浸りたかった」と言われて、乗車直後に手渡すことにしたそうだ。たしかに「ホールインワンの喜び」なら思いっきり浸りたいぞ。思いっきり!
「皆さんやはり笑顔になりますよ」と木村さん。そりゃそうだ。嬉しいに決まっている。今日も都内のどこかで走っている幸運のタクシー。毎日探していたら、きっといつか出会える……だろう。乗車できたらマジで奇跡なので、その時は思いっきり幸せを感じてほしい。
参考リンク:日本交通
執筆:砂子間正貫
Photo:RocketNews24.
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▼木村さんがめちゃめちゃダンディでした