ある日のショッピングモール、筆者は目を疑う入浴剤を見つけた。「すしざんまい」のバスボールだ!
「つきじ喜代村」の名のとおり首都圏メインの出店なので行ったことはないが、「マグロ大王」こと木村社長はもちろん存じ上げている。ソマリアの海賊に職を生み出した、とか世界中の釣り人に顔がきく、などと名高い伝説の人物でしょ?
さすが店の顔、キャラクターグッズまであるのか! すごいインパクトだな。
・「すしざんまいバスボール」(税込495円)
なぜか美女に囲まれた社長の姿がドドンとプリント。両手を広げて満面の笑みを浮かべたおなじみのポーズである。
寿司屋だけあって「穏やかな海の香り」とある。磯の匂いがするのだろうか。
バスボールによくある、溶けると中からおまけが出てくる仕様だ。大抵の商品では子ども向けのおもちゃだが、どんな客層がこの「すしざんまいバスボール」を買うのか筆者にはイマイチつかみきれていない。おまけは全4種だ。
出てくるマスコットにはレアリティがあり、「本マグロ」や「おなじみのポーズの木村社長」は出やすいようだ。
一方で「全身が金色に染まった特別な木村社長」は★5で、かなりの希少品であることがわかる。なんかもう縁起物というか、ビリケンさんのような存在?
もはや社長は実在の人物の域を超え、東京では神格化されているのかもしれないな。知らなかった。
そういえばマグロの初セリで「ご祝儀価格」と呼ばれる超高額落札で知られるのも「すしざんまい」だ。2013年の価格はギネスに認定されているほか、3億円超えの史上最高値も叩きだしている。
・風呂に入れてみる
それでは湯に投入。フィルムをはがして、そうれっ!
くるくると弧を描きながら溶けていく姿は、ディズニーシー・アクアスフィアやUSJのユニバーサル・グローブを思わせる。南国の海を連想するスカイブルーで美しい。
いぶかしんでいた香りも、ソーダやラムネのような美味しそうな芳香で、磯臭くはない。
と、おもむろに姿を現すカプセル! なるほど、この中におまけが入っているのね。
拾い上げて開封してみる。正直あまりドキドキ感はないが……
本マグロだー!!!!
あ、あれ? 普通に「出来のいいフィギュア」だ! 木村社長じゃない!
たしかに本マグロはレアリティ★1、もっとも出やすい商品だ。しかし筆者は、なんだかんだで木村社長が出るのだろうと。「なんだよ、これーw」と笑えるものだと、勝手に思い込んでいた。
さっきまで完全にネタだったのに、木村社長マスコットじゃないことが、がぜん悔しくなってきた。しかし今回に限って、買ったのはこれ1つきり!
普段ブラインド販売の商品を買うときには、もちろん「狙ったものが出ない」「ダブる」という事態を想定して複数個を買っておく。しかし今回は、予備を買っておくなんて思いもしなかったのである。
まとめ買いするには高額な1個495円という価格にも腰が引け、「そこまでのパッションがなかった」という謗り(そしり)は免れない。「これ売れてるの?」とか思って本当にごめんなさい。
急に社長が遠く感じられる……。欲しかった、木村社長……。会いたかったよ、木村社長……。
・決意表明
おそらく筆者のような「にわか」には、伝説の偉人と相まみえる資格がなかったということだろう。筆者は決めた。次に上京したときには、必ずや「すしざんまい」に食べに行くと。
なお、本マグロフィギュアは細かいヒレの造形や、黒から銀色へのグラデーション彩色も完璧で、大変に完成度が高かったことをここに記しておく。
バスボールは下記リンクの「すしざんまい」店舗で販売しているほか、ECモールなどでも取り扱っている模様。運だめしで1つだけ購入するか、予備をいくつか買っておくか、それはあなた次第だ。
参考リンク:すしざんまい
執筆:冨樫さや
Photo:RocketNews24.
[ この記事の英語版はこちら / Read in English ]