全国6000万人のペヤンガー諸君に朗報だ。ここ数年、鬼ほど辛い「獄激辛シリーズ」を筆頭にご乱心レベルの新商品をぶっ放し続けてきた我らがペヤング様が、ついに「王道」へ舞い戻られた……らしい。

というのも、2021年10月25日から発売開始となったペヤングの新商品『オムそば風やきそば』がほぼいつもの「ペヤングソースやきそば」だからだ。さあ、ペヤング王国の民たちよ──。王の帰還に涙するがいい!

・カップ焼きそば戦国時代

「明星一平ちゃん」や「日清焼きそばU.F.O.」など、数多の強力なライバルたちとしのぎを削り “カップ焼きそば戦国時代” を生き抜いてきた我らがペヤング王。いやらしい話、群馬県の一企業が全国区で生き抜くことは容易ではないハズだ。

それでも手を変え品を変え、まるでゲリラ戦のように新商品を展開してきたペヤング。だがしかし、中には「これはどうなの?」的な商品も紛れており、結果的に最近は「ペヤングの新商品、どこにも売っていない問題」が切実であった。

確かに「獄激辛シリーズ」は発売のたびに話題にはなる……なるのだが、売れているかと言われれば答えはおそらくNO。近所のコンビニに立ち寄るたび、寂しそうにこちらを見ている「ペヤング獄激辛にんにく味」を俺は忘れない。

・方針転換の兆し

そのイヤな流れが2021年の9月あたりから変わりつつあるようだ。なぜなら9月以降に発売された新商品は、どれも話題より内容で勝負しているからである。特に「マヨ酸辣やきそば」や「きのこMAXやきそば」あたりはかなり味が良かった。

そんな状況下で発売された新商品『オムそば風やきそば』(メーカー希望小売価格税抜205円)は、これまでに発売されたどの商品よりも「ペヤングソースやきそば」に近い。なんなら “ほぼペヤングソースやきそば” と申し上げていいだろう。


「B級グルメとしても知名度の高い “オムそば” を再現した商品です。こってりとした濃厚なソース × 口どけの良い卵 × コク深いマヨネーズの組合せは相性抜群となっており、老若男女問わずお楽しみいただける味わいに仕上げました」


ペヤング公式サイトには上記のようにあるが、再現も何もソース味のやきそばである以上、ペヤングソースやきそばの延長線上にいることは変わらない。というか「タマゴとマヨネーズ入りのペヤングソースやきそば」である。

味も想像通りといえば100%想像通り、繰り返しになるが「タマゴとマヨネーズ入りのペヤングソースやきそば」であった。それ以上でもそれ以下でもない「タマゴとマヨネーズ入りのペヤングソースやきそば」としか言いようがない。

そういう意味ではややおもしろ味に欠ける商品かもしれないが、味は鉄板。また大きな流れで見ると「ペヤングは話題より味で勝負することにしました」という意思を明確に打ち出した商品といえるのではないだろうか? まさに “王の帰還” と言えよう。

とはいえ、味が良ければそれだけで生き残れるほど甘くないのが “カップ焼きそば戦国時代” のツラいところ。果たしてペヤングはどんな戦略と戦術で生き残りを賭けるのか? とりあえず『ペヤング オムそば風やきそば』は確実にウマい。

参考リンク:ペヤング公式サイト
執筆:P.K.サンジュン
Photo:RocketNews24.