
昭和の名曲『およげ!たいやきくん』。毎日のように鉄板の上で焼かれることが嫌になったたいやきくんは、海へと逃げて自由に泳ぎ回るが、最後は釣られて食べられてしまう……という曲だ。これ聞くと無性に鯛焼き食べたくなるよね。
だが今回ご紹介する静岡で買える鯛焼きは、海へと逃げようもんなら確実に海底まで沈むだろう。なんてったって総重量が3.5キロ。世界一の鯛焼きなのだ!
やってきたのは静岡市の少し西に位置する丸子(まりこ)地区。東海道五十三次の20番目の宿場町で、とろろ汁で有名な地域だ。
車がギリギリすれ違えるくらいの山道を登っていくと、「世界一大きい丸子峠大鯛焼き」という派手な看板が。ポツンと一軒家というほどではないが、なんでこんなところにお店があるんだろうと思わせるくらいには、山奥である。
・規格外すぎる「丸子峠大鯛焼き」
世界一の鯛焼きがどんなもんだかみなさん気になると思うので、細かいことは置いといてまずは実際のブツをご覧いただきたい。これが静岡が誇る世界一の鯛焼きだっ!!!!!!
おぉ!
重っ
デッカッーーーー!!!!!!
全長はおよそ60センチ。総重量3.5キロの内訳は生地2キロ餡子1.5キロだという。いくらなんでもデカすぎるだろ……。
通常サイズと比べると規格外の大きさがよくわかるだろう。この60センチの大鯛焼き(4000円)は「購入できる鯛焼き」の中で世界一のサイズということらしい。重すぎて撮影のために移動させるのも一苦労だ。
アツアツのうちに頭からパクリ。何口か食べないと中身に辿り着かないのではと思っていたが、隅の隅までぎっしり餡子が詰まっている。
肝心の味だが、素朴でとても美味しい。余計なものを感じさせないやさしい味なので、意外と飽きずに食べ続けられそう。テフロン加工がされてある特注の鉄板で作るため油を使わずに済み、素材の味が活きた美味しい鯛焼きが作れるのだという。
・巨大な鯛焼きができるまでを見学
せっかくなのでその特注の鉄板で鯛焼きを焼き上げるところを、店主の池田さんに見せて頂いた。
こちらがお店で使用している3種類の鯛焼きの型。このお店では1つ1つ独立している「天然型」と言われる焼き型を使っているため、一度に大量に焼き上げる「養殖型」よりも複雑な形の鯛焼きを作ることができるという。
まずは生地を流し込む。思わず「塗り絵じゃん……」と声が出てしまった。型がデカすぎるため、ヘラを使って隅々まで生地を行き渡らせている。
続いては餡子。ドンっと塊のまま型に落とされた餡子は、丁寧に鯛の全身へと広げられていく。
もう塗りたくられているという表現の方が近いのかもしれないな。池田さんの「隅までキッチリ詰め込んでやる」という心意気が伝わってくる。
餡子を生地で蓋をし、型で挟んで焼き上げる。火を入れる位置を少しずつ変えながら、丁寧に型から鯛焼きを外していく。これだけ大きな鯛焼きをムラなく焦がさず焼き上げるというのは、やはり職人だからこそなせる技なんだろうな。
30分ほどじっくり焼いて完成。よくあるザーっと生地を流し入れ、ちょいちょいっと餡子を乗せていく工程しか見たことがなかった私は、一体何を見ているのだろうか……という気持ちにさせられた。大きさも作り方もほんとに規格外。まさに世界一を冠するにふさわしい鯛焼きといえるだろう。
こんな大きな鯛焼きをどんな人がどんな用途で買っていくのか聞いてみたところ、親戚が集まる際や結婚式などおめでたいシーンで重宝されているとのこと。いちばん多いときで年間800匹売り上げたというから驚きだ。
全国発送もやっているためクール便が届く地域に住んでいれば誰でも購入が可能。一般に出回っている鯛焼きの約30個分に相当するので、購入する際は友達や親戚をかき集めてそのインパクトと優しい味を楽しんでみてほしい。
・今回ご紹介した飲食店の詳細データ
店名 丸子峠鯛焼き屋 丸子大鈩(おおだたら)本店
住所 静岡市駿河区丸子5787-1
時間 10:00~17:00
休日 水曜日(水曜日が祝日又は28日の場合は営業。その翌日木曜日が休業となる)
参考リンク:丸子峠鯛焼き屋
執筆・イラスト:まろ
Photo:RocketNews24.
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▼魚を解体するように、付属のナイフで切り分けて食べる。食べきれず冷蔵庫に保存する際はラップを巻くと良いそうです。
▼作業がダイナミックすぎる。1人で食べきった猛者が過去に4人いるらしい(芸能人が仕事として)。ほんとに信じられない。
まろ

















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