
「あぁ、広いお花畑で用を足したら気持ちいいだろうなぁ……」。今までの人生で、こう思った人もいるのではないだろうか?
40過ぎたオッサンの私(耕平)も、そう思ったことがあるひとりだ。ただ、山奥などのトイレの無い環境ならいざ知らず、人目がはばかる場所でこの想いを達成することは、ヘタしたら法に触れる可能性もありリスクが高過ぎる。
そんな中、私が住んでいる千葉県に、なんと「世界一大きい公衆トイレ」があるという情報を見つけた!
「長年の夢が叶うかもしれない!」とさっそく現地に向かったところ、そこには衝撃的な真実が待っていた……。ということで、その一部始終をお届けしよう。
・まさかのアクシデント
この「世界一大きい公衆トイレ」は、千葉県のローカル鉄道として知られる、小湊鉄道の「飯給(いたぶ)駅」に隣接しているということで、私の地元・船橋市からJR総武本線で小湊鉄道の乗り換え駅である「五井駅」に向かった。
五井駅から飯給駅までは、約1時間ほどの乗車時間で到着するとのこと。
しかしここで、予想だにしていなかったアクシデントが発生する!
それは7月上旬に起きた集中豪雨の影響で、直通運転が中止。運休区間も2区間あり、その区間はバスによる代行輸送で運行する状況だった。
ちなみに目的地である飯給駅は、運休区間の対象に入っていて、途中駅からバスで向かうこととなった。
途中、車掌さんに飯給駅の最寄りのバス停を聞いたところ、「東飯給(ひがしいたぶ)」というバス停が一番近いと教えてくれた。
そして、電車とバスを二回ずつ乗り継ぐこと約1時間半。ようやく「東飯給」のバス停に到着。
ここから飯給駅までの道のりを地図アプリで調べたところ……なんと800メートル!
メチャメチャ遠い距離でもないが、この日は炎天下で最高気温32℃という過酷な環境で、日陰の無い道を永遠に歩くことになる。
ここまでの道のりで1リットル以上 水分を補給していることもあり、いよいよトイレも近くなってきた。
・ようやく到着したが…
そんな状況で歩くこと約15分、ようやく飯給駅に到着。
そして、「世界一大きい公衆トイレ」と思われる施設が……!!!!
まさか……これ全体がトイレなのか? さっそく扉を開けたところ鍵は掛かっていない。どうやら使用できるみたいだ。
「こんなに開放的な空間で用を足せるとは……」と、迫り来る尿意からの開放と、長い道のりの末に辿り着いた達成感を抱きながら、中に入ろうとしたところ……
な、なんと!
「このトイレは女性用です」
マ……マジか……。炎天下の中、長時間かけてここまで来た努力は何だったんだろうか。──と、思ったら、隣に男女共用の公衆トイレが!
とりあえず用を足して、冷静になり、もう少し詳しく調べたところ、女性専用と言えど、使用中じゃなければ個室以外は男性も入ることは可能だとのことだった。
ということで、いよいよ「世界一大きい公衆トイレ」の全貌が明らかになる!
・「世界一大きい公衆トイレ」の内部
気を取り直して、いよいよ「世界一大きい公衆トイレ」の中に潜入する。
入り口に立つと、そこには別世界の風景が姿を表す。
中に入ると、トイレのイメージとは真逆でまさしく「庭園」と呼ぶにふさわしい光景が!
奥に進んでいくと、ガラス張りの……
個室だ!!!!!!
すげぇ……シャレオツ過ぎるやないかい! これだよ、これ! 長年夢見た環境にピッタリだ!
ちなみに個室はガラス張りで、このトイレを囲む柵は高さ2メートルくらいあるが、それでも覗き見などが不安な人の為に、備え付けのカーテンで個室を隠すこともできるらしい。
私(耕平)は男性なので、これ以上、個室に踏み込むことはしなかったが、個室の外から何となく便座に座ったイメージで、正面を見た光景は物凄い開放的だ。
しかも上を見上げると、突き抜けるような青空。
最高やん……。
・何で作られた?
ちなみにこの「世界一大きい公衆トイレ」の面積は、約200平方メートルあるらしく、世界的な建築家として知られる、藤本壮介氏が設計を担当したとのこと。
飯給駅がある千葉県市原市が手掛けたアートイベントとしての作品として作られ、正式名称は「トイレット・イン・ネイチャー」というらしい。
季節によって、四季折々の草花が楽しめるのも1つの魅力だ。ただし「世界一」というのは、あくまでキャッチーな意味で付けたらしく、公式に認定されているわけではないということだ。
執筆:耕平
Photo:RocketNews24.
[ この記事の英語版はこちら / Read in English ]
▼「世界一大きい公衆トイレ」は小湊鉄道の飯給駅にあるぞ!
▼入り口が空いていれば男性も入場可
▼トイレ自体がアート作品
▼外観からトイレとは想像できない
▼隣には男女兼用のトイレも
耕平

























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