漫画『鋼の錬金術師』が2021年7月、作品の誕生から20年を迎えたという。ハガレンは、ワタクシ史上10本……いや5本の指には入るくらいに大好きな作品だ。この漫画を読むためだけに生まれてきたとしても、意味があると思っている。

20周年ということで、さまざまな新プロジェクトも展開されるらしい。これを機に初めてハガレンに触れてみようかと考える人も出てくるかもしれない。そこで同作のファンである記者が、僭越(せんえつ)ながらその魅力を語らせていただきたい。


・世界観が独特

まずはざっと、あらすじだけ書いておこう。舞台は錬金術が存在する架空の世界。主人公は、錬金術師のエドワード(エド)とその弟アルフォンス(アル)だ。ふたりは幼少期、死んだ母をよみがえらせようと、最大の禁忌である人体錬成を行うも失敗。

対価としてエドは右腕と左足、アルは身体を失ってしまう。もとの身体を取り戻そうと、幻の術増幅器 “賢者の石” を求め旅するが、次第に国家的陰謀に巻き込まれていく……という話だ。

正直この2行だけではとても説明しきれないのが、それでも物語の壮大さは垣間見えるだろう。この独特の世界観に、読めば読むほど惹かれていくことは間違いない。


・悲しさや苦しさを背負った登場人物たち

ハガレンは、明るい漫画であるとは言い難い。というのも、登場人物たちがそれぞれに、重たい過去を背負い過ぎているからだ。しかし打ちひしがれ、なんなら生きることが嫌になったりしながらも、必死に過去と向き合い未来を切り開こうとする姿勢に心を打たれる。

時を戻すことはできないけれど、これからどうするか、どうなるかは自分次第だと考えさせられてしまう。敵キャラを含め、登場人物たちの生き様から学ぶことは非常に多い。


・女性が強い

またこちらの作品……に限らず作者・荒川弘さんが描く女性たちは、とにかく聡明で強い。逆境に立たされながらも負けじと向かっていくその姿に、女である記者でさえ危うく惚れそうになる。というか惚れる。

女だから男だからなんてことは、さしたる問題でなくひとりの人間として、かくも強くありたいと読むたびに思う次第だ。挫けそうになった時、すべてが嫌になった時、彼女たちの存在が心にあるだけで勇気づけられること必至だ。


・セリフが心にズドンとくる

そして同作はセリフがいちいち、心にズドンとくる。何をどうしたら、こんなに心に響くセリフが出てくるのだろうか。老若男女育ってきた環境など問わず、すべての人の心に刺さる言葉がこの漫画の中には存在すると思っている。


語り出したら際限ないので、このあたりで止めておこう。しかし正直、まったく伝えきれていない。なんなら漫画1冊ごとに、その巻の魅力を書きだしても足りないくらいだ。

連載から20年を記念して、スクウェア・エニックスの公式マンガアプリ「マンガUP!」では7月12日より復活連載が開始。また7月16日からはスクウェア・エニックス公式YouTubeにて、アニメ「鋼の錬金術師 FULLMETAL ALCHEMIST」の一部も公開される。

これまで機会がなく作品を素通りしてきたという人は、これを機に身近なハガレンコンテンツに触れてほしい。きっとハマるし、なんなら棺桶に入れてほしくなるほどの人生のバイブルとなる……かもしれないぞ。

参考リンク:鋼の錬金術師20周年特設サイト
執筆:K.Masami
Photo:Rocketnews24.

▼20周年おめでとうございます。さまざまなプロジェクトが発表されているので要チェック! 

▼荒川弘さんの新作も、めちゃくちゃ楽しみにしてます!!!!