私は34年生きてきて ほぼ自炊をしてこなかった。理由はメンドクサイからである。しかし、ステイホームが好ましい状況が続いている昨今……これ以上、自炊から逃げないッ! 

と決意表明をしたところで、自炊の第一歩として電気圧力鍋を購入してみることにした。

・電気圧力鍋が我が家に来る前の自炊

なぜ電気圧力鍋なのか? と思っている人だっているに違いない。大した理由はないが、強いて挙げるとしたら通常の自炊が私にとって地獄すぎたからだろうか。

地獄なんて大げさな! となった人のために、電気圧力鍋が我が家に来る前の自炊の様子を紹介したい。たとえば、「鶏ムネ肉のトマト煮」でも作るとしよう。簡単に作れそうだ。どれどれ、クックパッドでも開いてみると……

鶏むね肉は一口大の削り切りにし、醤油1:3の比率でタレに浸して、多めの油を熱したフライパンで、片栗粉をまぶした鶏肉を両面コンガリ焼き、取り出す。トマト缶は中火で煮込みすぎzu%gえaowgがが…aa…


レシピを読んでいるだけで毎度のごとく頭が破裂してしまうのだ。あまりにも何度も戦意喪失するので、あるとき何に対してメンドクサイと思ったのか まとめてみた。


・分量を計るのがメンドクサイ
・切るのがメンドクサイ
・時間を計るのがメンドクサイ
・煮たり焼いたり色々するのがメンドクサイ


玄人からしたら当たりまえの作業かもしれないが、私にとっては拷問に近い。そのあたりを何とかするために、どうすればいいのか? 私が考えに考えて辿り着いた結論が、「電気圧力鍋を買う」だったのだ。


・付属のレシピを読むと……

購入したのは、アイリスオーヤマのPMPC-MA4-B。価格はAmazonで1万8810円(2021年7月9日時点)。選んだ理由は雰囲気だ。じっくり性能を比べるのもまたメンドウだったので、予算内のものでパッと目についたものにしただけ。

ちなみに、これ1つで90種類の料理が自動で作れるらしい。

また、電気圧力鍋にはレシピ本もセットで付いており、クックパッドで試みた鶏ムネ肉のトマト煮も記載されていた。またしても、鶏ムネ肉のトマト煮! この一致に運命を感じた私は、さっそく鶏ムネ肉のトマト煮を作ってみることにした……が!

レシピ本を読んでいると、また頭が破裂してしまいそうになったので、雰囲気で作ることにした。つまり、具材・分量は適当である。


・電気圧力鍋で適当に作ってみた

実際に用意した材料は以下の通り。

・鶏ムネ肉(400gくらい)
・アスパラガス(8本くらい)
・マッシュルーム(6房くらい)
・トマトホール缶(1缶)
・スライスチーズ(2枚)
・塩(少々)
・コンソメ(少々)


なお、肉は業務スーパーで「切れている鶏ムネ肉」を発見。切る作業を省けるかわりに値上がりするが、それでも100gあたり78円である。セブンイレブンのサラダチキンが110gで213円(税込)と考えると破格と言えよう。

そして、野菜は洋風の料理で使われてそうなマッシュルームとアスパラガスを使用。さらにトッピングには「トマト=ピザ」から連想したチーズを用意。


・作り方

野菜を洗って、食べごたえ重視で大きめに切る。所要時間は5分くらい。


塩を振りかけて鶏ムネ肉に味付け。なお、料理における少々とは親指と人差指でつまむ程度らしい。ドヤッ!


トマト缶と具材、そしてコンソメを鍋にぶち込む。


自動メニューを「鶏肉のトマト煮」に設定して放置。煮込み時間は自動で設定されるので、マジで楽。今回は50分だ。

ここまで、自分の手を動かしたのは10分程度。すべてにおいて適当に作ってきたが、はたして美味しい鶏ムネ肉のトマト煮はできているのか? ドキドキしながら待つこと50分。フタを開けてみると……



それっぽいのが完成してる!


ここまでの工程を要約すると「切る」→「ぶち込む」→「ボタンを押す」だけだ。ひとつ問題があるとすれば、まったく美味しそうに見えないことだろう。


茶碗によそってチーズを乗せてみると、ますます美味しそうに見えない。しかし、食べてみると……


_人人人人人_
> 普通 <
 ̄Y^Y^Y^Y^Y ̄


ライター泣かせなくらいに普通。「美味しい飯を紹介しろ!」とか「オチもないんかい!」とツッコまれることだろう。

しかし、よく考えて欲しい。自炊経験がゼロに等しい私が、適当な具材を、適当な分量でぶっ込んだのに失敗していないのだ。シェフが極上のフレンチを作るよりも凄いことかもしれない。


・それから2ヶ月後

今まで毛嫌いしていた自炊だが、電気圧力鍋のおかげで続けられている。簡単そうな料理を選んではいるものの、手を動かす時間は平均しても10分以下。何となくで調理してるのに失敗しないのも続けられるポイントだろう。

まだステイホームが続きそうな気配もあるので、自炊をしない面倒くさがりさんは鍋デビューしてみてはどうだろうか?

参考リンク:Amazon「PMPC-MA4-B
執筆:hirazi(ひらじ)
Photo:RocketNews24.