トマト入りのラーメンが売りの太陽のトマト麺。2019年10月9日から10月11日の3日間限定で、ラーメン1杯を食べたら「太陽のラーメン無料券」が1枚貰えるキャンペーンが実施されている。

トマト麺自体は、10年ほど前に何かでチラッと見て興味が湧いたものの、忘れ去って終ぞ食べる機会が無いままだった。しかし1杯食ったら無料券が貰えるとなれば、実質半額のようなもの。この機を逃したら次に目にとまるのはまた10年後かも知れない……これは行くしかねぇ!

・トマト

ということでやってきたのは、池袋の店舗。HPにて対象店舗をしっかり確認するのを忘れて少し心配だったのだが、店先にはちゃんと「太陽のラーメン無料券プレゼント」と出ている。


なんだか雰囲気も、全体的にトマトを感じさせる意匠。案内された席に着くと、目の前にはトマトのスゴさを伝える張り紙的なものが。ふむふむ……やはりここはトマトがどこまでも主役。トマトのラーメン……どんなものか期待に胸が膨らむ。


・肉が食いたかった

メニューを見てみると、ほぼ全てトマト入りっぽい雰囲気。となると……ぶっちゃけ好みのトッピングで選べばいい感じだろうか? どれにしようかなぁ。新商品らしい、モッツァレラ入りの坦々トマト麺なるものも面白そうではある。

しかし今日はちょっとモッツァレラって気分じゃない。むしろ肉とか食いたいところ。おっ「炙り鶏チャーシュウ麺」なるものがあるじゃないか。これでいこう。いやートマト麺楽しみだなぁ。真っ赤なラーメンなんて激辛系以外に食べたことが無い。トマトとラーメン、どんな感じかなぁ。


……


……


……


待つこと10分ほど。出てきたのはいい感じにウマそうなラーメン。白いスープにネギの緑がよく栄えている。チャーシューも程よい分量。いいじゃないか、いいじゃないか。


あれ? さっそく食べようと箸を手にしたところで、違和感を覚えて手が止まる。なんだろう……何か重大なことを見落としている気がする。あらためて目の前のラーメンを見つめることしばし。

そうか! この違和感の出所はこれに違いない。危うくスルーしてしまうところだったが、気づいてよかった。そう、「炙り鶏チャーシュウ麺」には……


グレープフルーツが入っているのだ!


おいおい、なんだよこれ。グレープフルーツとはまた中々の変化球。面白いなぁ。こういうのもあるのか。はたしてこのグレープフルーツ。どうやって食べるのが正解なのかわからないが、とりあえずラーメンの中で押しつぶしてみることに。

そして細めの麺を口に運んでみると……


ウマい!


白いスープはどうやら豆乳だったらしいが、グレープフルーツの酸味がいい感じにマッチしている。鶏肉との相性もばっちりで、全体的にあっさりめなテイストに箸が進む。あれよあれよという間に食べ終わってしまった。

さて、あとは無料券を貰って帰るか……まだ何か忘れてる気がするけど何だったかな。まあいいか。ということで会計をして、無事無料券をゲット。


・痛恨のミス

そして店の外に出たとき、不意にメニューのサンプルが視界に入った。


おや、赤いなぁ。随分と赤いラーメンが多い。なんだいこの店は。というか、赤くないのはさっき食べた白いのと、もう1品の緑のヤツだけじゃないのか? この赤いのは………


_人人人人人人人人人人_
> トマト忘れてた! <
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おいおい、俺はここにトマト麺を食いに来たんじゃなかったのか? もちろん無料券も目的の一つではあった。しかしそれと同じくらいに、人生初のトマト麺を堪能しに来たのでは? 

さっき食べた「炙り鶏チャーシュウ麺」はもちろんウマかった。しかし一切他では食べられない味かと言うと、ぶっちゃけそうでもない。グレープフルーツはレアだが、例えばレモンのラーメンとか、そういう似た傾向のものはある。

なんてこった。このままトマト麺を食べずに帰るのか? それでいいのだろうか? 今日を逃したら、トマト麺への興味は忘却の彼方に忘れ去られてしまうかもしれない。好奇心というのは一期一会。抱いた瞬間に満たしていくべきというのが個人的なスタンスだ。

2019年始まって以来の葛藤(かっとう)に打ち震えていると、ナイスなアイディアが舞い降りてきた。せや! さっき貰った無料券でトマト麺食べればええやん! 


勝った! ということで、20秒ほど前に出てきたばかりの店舗に戻り、店員さんに声をかける。


筆者「すみません、このチケットでもう1杯ください」

店員さん「え(笑)」


心なしか店員さんが苦笑しているように見える。そりゃあそうだろう。ラーメン食って店を出た直後にもう1杯食べようと戻ってくること自体が相当にアレである。ましてや1杯食ってから20秒後に戻ってきて無料チケットでもう1杯食おうなどと、外聞を気にして中々できるものではない。

が、その辺のタガなど幼稚園を出たあたりであらかた吹き飛んでいる。今頭の中にあるのはトマト麺への探究心のみ。


筆者「トマト麺を食べたいと思いまして」

店員さん「すみません。次回の来店時からなので……」

筆者「次回というのは、翌日以降って意味でしたか」

店員さん「はい、翌日以降で……」

筆者「はい」



参考リンク:太陽のトマト麺
Report:江川資具
Photo:RocketNews24.

▼裏面にはなにやら「01.11.30」と書かれたスタンプが。使用期限とかなのだろうか。だとすれば、2030年1月11日まで、あるいは2101年11月30日までという解釈でいいのだろうか?(HPによると使用期限は2019年11月30日)