一体何が起こっているのか? ゆで太郎ののり弁のアイデアを富士そばがパクッたことにより、のり弁戦争が勃発したことは以前の記事でお伝えした通り。ひどい戦争だった……しかし、戦争は5月に終結したはずである。なのに! ああ、なのに……!

しぶそばも「のり弁」を販売開始しているではないか!! 私(中澤)は夢でも見ているのだろうか。とりあえず、購入してみたぞ。

・まずは食べてみた

税込み430円でタルタルソースと醤油がついてくるしぶそば特製のり弁。食べてみたところ、ちくわ天が存在感抜群だ。ふっくらしており、きんぴらゴボウも地味に嬉しい味付けをしている。ただ、それ以上にこだわりを感じたのは……


海苔の下に隠れたおかか

かつお節には甘めの味がついており、さらに昆布の佃煮も入っているところがニクイ。これがのり弁全体の味を底上げしているように感じた。のり弁としては間違いなくハイクオリティーな一品と言えるだろう。

・開発者にパクッたのか聞いてみた

そんなのり弁が販売されていたのは、2021年6月18日に東急田園都市線溝の口駅にオープンした新店だ。溝の口店にはテイクアウト専用の窓口と弁当メニューがあるのだが、その弁当の中にこっそりのり弁がまぎれているのである。

味としては別物だが、そば屋ののり弁と言えば、どうしてもチラつくのが先に販売したゆで太郎の影。というわけで、開発者の1人である営業部マネージャーの前村さんに確認してみることにした。ゆで太郎パクッた

前村マネージャー「いえいえ、パクッてないです。しぶそばでは元々ちくわ天が人気でして。テイクアウト専用のお弁当を作るにあたって、ちくわ天を使ったメニューができないかという試行錯誤の結果、のり弁になったんですよ」


──ゆで太郎ののり弁の存在は知ってたんですか?


前村マネージャー「もちろん知ってました。でも、パクッてないです。おかかにはしぶそばの丼のタレの味がついてるんですよ。人気のちくわ天とタレの味でしぶそばの味をお楽しみいただければと思います」


──ほう……


前村マネージャー「あと、こういったテイクアウト専用の弁当メニューはしぶそばで初めてでして。開発も何人もで試行錯誤してのものでした。だからパクッてないですパクるわけないです


──な~んだ! メニューの「王道!」って文字が似すぎなんでパクッたのかと思いましたよ。ハッハッハ。


前村マネージャー「……。」


パクッて……ないよ?」

パクッてるやん

その反応、完全にパクッてる時のソレやん。語尾自信無くしてもうてるやん。ねえ、目を見て言ってよ。


前村マネージャー「参考にしてたら似ちゃうことってあるよね?」


──参考にしてもうてるやん。もう8割ゲロッてもうてるやん。


前川マネージャー「そもそも、のり弁売るのにゆで太郎さんの許可必要スか?」

ブチギレられてしまった


ちょっと私も調子に乗りすぎたかもしれない。ごめん。好奇心で相手のことを考えずに問い詰めるとこうなるから、みんな気をつけよう。世の中、踏み込みすぎない方がいいこともあるぞ

・新しい試み

さて置き、しぶそば初となるテイクアウト弁当の展開。のり弁以外にも、「から揚げ弁当(税込み550円)」や丼物から、天むすまでラインナップは豊富である。これに代表されるように、溝の口店は新しいコンセプトのモデル店であるようだ。

そのため、これからも新しい試みが見られるかもしれない。溝の口近辺にお住まいの方が少し羨ましくなった。

・今回紹介した店舗の情報

店名 しぶそば溝の口店
住所 神奈川県川崎市高津区溝口2-1-1 東急線駅構内 改札内
営業時間 月~土7:00~20:00 / 日7:00~19:00
定休日 無休

執筆:中澤星児
Photo:Rocketnews24.