今さら申し上げるまでも無いが、一般的に肉を口にしないのがベジタリアン。そして肉・卵・乳製品など、動物性食品を一切口にしないのがヴィーガンとされている。日本でも言葉自体は広く知られるようになってきたが、欧米圏と比較するとまだまだ一般的とは言い難い。
だがしかし、アメリカ発祥の会員制スーパー「コストコ」ではそれなりに多くの「ヴィーガン食品」を目にする。その1つが今回ご紹介する冷凍食品『ベジタブルパティ』──。非ヴィーガンである私、P.K.サンジュンは『ベジタブルパティ』を食べて2つのことを感じさせられた次第だ。
・欧米圏ではあたり前
あなたは「ヴィーガン食」にどんなイメージをお持ちだろうか? かつて私はヴィーガン食について「ヘルシー」「意識が高い」「地球に優しい」「でも味気なさそう」などのイメージを抱いていたが、何度か欧米圏に足を運んでややイメージが変わった。
私が訪れたアメリカやオーストラリア、ニュージーランドのレストランで「ヴィーガン専用メニュー」が用意されていた確率はほぼ100パーセント。なんなら日本食レストランにもヴィーガン専用メニューがあったから「こっちではめっちゃ普通なんだな」と思い知った次第だ。
日本ではローラさんなど一部の著名人がヴィーガン食を取り入れていることが知られているが、まだまだ生活に根付いているとは言い難い。特にネガティブなイメージはないが「わざわざヴィーガン食を選ばないかな?」というのが個人的な考えである。
・イギリス製の冷凍ヴィーガン食
さて、コストコの『ベジタブルパティ』はイギリス製の冷凍食品で、価格は1358円。171グラムのズッシリ重いパティが8つ入っているから、1個あたりの価格は約170円の計算だ。正直、これがヴィーガン食として高いのか安いのか、私にはよくわからない。
で、1つ目の驚きは成分だ。パッケージによると100gあたりのカロリーは226kcalで、タンパク質は8,3g、脂質は11,6g、炭水化物は27gもあるではないか。肉のパティと比較するとタンパク質が少なく炭水化物がかなり多い。なんとなく「ダイエット向き」のイメージもあったが、むしろ逆だ。
そして2つ目の驚きは「味」である。普通にウマい……というか、かなりウマい。商品名に「パティ」とあるのでどうしても肉っぽさをイメージしていたが、肉の雰囲気は皆無。簡単に言うと「レンズ豆とニンジンのコロッケ」といったところだろうか?
・クミンが最高
パティ自体に程よい塩分があるためそのまま食べてOK。何より「クミンシード」の風味が最高だ。クミンが入っていなければかなり印象は違っただろうが、クミン大好きっ子としてはかなり満足感は高かった。普通に夕食の主役になり得る一品だ。
ちなみに調理方法も簡単で、レンジでチンしたらあとはフライパンで両面を焼けば出来上がり。時間にして10分足らずで調理が完了する。表面はカリッと、中はホクホクとした食感で、クミンが好きなら高確率でお気に召すことだろう。
それにしても──。
成分的には特にダイエット向きではなく、一般的な「ヘルシー」とは感覚が違う。食事の選択肢も格段に減るだろうに、なぜわざわざヴィーガン食を選ぶのか? 考え抜いた結果、こう思った……ヴィーガンは食事の種類ではなく “生き方” なのだと。
でなければわざわざ毎食ごとに面倒なこともしないハズ。確固たる信念がなければ永続的にヴィーガン食だけで生きていくことは不可能。いくらコストコの『ベジタブルパティ』が美味しくても、私には週1ぐらいがちょうどイイ。
要するにコストコの『ベジタブルパティ』を食べてみた結果、味の良さと同時にヴィーガンの覚悟を思い知った次第だ。おそらく私はヴィーガンにならない……というか、なれないと思う。
オススメ度(☆5中): ☆☆☆☆(クミンが好きならかなりオススメ)
また買う度(☆5中): ☆☆☆☆(肉の代わりにはならないけど、コロッケとしてなら全然アリ)
オススメシチュエーション: 普通におかずの1品になり得る。ただクミンが苦手だと無理かも。
参考リンク:コストコ公式サイト
執筆:P.K.サンジュン
Photo:RocketNews24.