横浜市営地下鉄ブルーラインに『踊場(おどりば)』という駅がある。なんとなく存在は知っていたが、名前の由来までは知らなかった。ふと気になったので調べてみたところ……どうやら「猫たちが夜な夜な踊っていた」という猫伝説が残る駅らしい。
しかも伝説にちなんで、踊場駅構内のあちらこちらに猫をモチーフにしたデザインが施されているのだとか。近所なのに意外と知らなかったなってことで、実際に現地へ行ってみたら……おいおいマジかよ、猫だらけで最高じゃねえか。
まず、改札を出ると「猫の足跡」があることに気がつく。どうやら4番出入口の方に向かっているもよう。
通路の壁面には「巨大な猫の目」の装飾が施されていた。知らなければスルーしてしまうだろう。ちなみに反対側の通路にも同じ目があったぞ。
隅っこにいる猫も見逃せない。全然詳しくないけど、バンクシーの作品を思わせる見事なアートではなかろうか。死ぬほどかわいい。
そのまま足跡をたどって階段へ……
階段踊り場の天窓では、3匹の猫が踊っていた。伝説で語られる猫たちもこんな感じで踊っていたのだろうか。だいぶ楽しそうである。
まだ終わりではない。4番出入口の上でも踊る猫たち。さらに……
少し歩くと1番出口の三角屋根が「猫耳」みたいになっていることに気がつく。3番出入口も同様とのこと……駅そのものが猫だったということか。
・ねこの踊り場
さて、駅構内の “かくれ猫” をたくさん発見したら終わり……ではなく、冒頭でチラッと触れた「猫伝説」について確認しておく必要があるだろう。案内板をざっくり要約すると……
むかし、このあたりに醤油屋があった。商売柄たくさん手ぬぐいを使用するが、ある時、主人が手ぬぐいの本数が減っていることに気がつく。飼い猫のトラが口にくわえて出ていくではないか……なんと、手ぬぐいはトラたちが踊りのために使っていたのだったァァ!
主人から報告を受けたカミさんは、毎晩トラのところへ新しい手ぬぐいを置いてやり、汚れると洗ってやりました。村人たちは、猫たちが踊る丘を「踊場」と呼ぶようになったとさ。
──とのこと。他にも「またたびを食べた3匹の猫が踊っていた場所」なんて話もあるみたい。とにかく、踊場駅は「猫が踊る伝説の場所」として語り継がれていた。でもって、関東の駅百選でもあった。ってマジかよ……全然知らなかったぞ。
地元の伝説、調べてみたらけっこう出てくるかもしれませんね。勉強になりました!
・今回ご紹介したスポットの詳細データ
名称 踊場駅
住所 横浜市泉区中田南1丁目2番1号
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▼2番出口の隣には供養塔もありました
▼まだまだ “かくれ猫” はいるので探してみてくれ!