JR新宿駅の南口コンコースに「駅弁屋 頂(いただき)」があることを知ってから、だいたい週イチのペースで出勤前にのぞいている。オフィスで鉄旅気分を味わうためだ。各地の「うまい!」が彩りよく詰まった駅弁選びは、1度ハマったらなかなか抜け出せない。

今回、目をつけたのは新宿駅一押しの幕の内……その名も『新宿弁当』である。なんでも新宿から甲州、信州に向かう中央線の沿線から “おいしいおかず” をたっぷり詰め込んでいるという。よしよし、いいぞ。今日の昼飯はこいつで決まりだっ!

・新宿弁当

新宿弁当は1200円。コンビニ弁当等と比べると割高感は否めないが、駅弁の食材は地元の名産品だし、パッケージも個性豊か。たとえば新宿弁当のレトロな掛け紙は、中央本線開業当時の錦絵で新宿停車場から立川停車場に向かっていく蒸気機関車が描かれている。カッコイイ。

でもって掛け紙の裏には、旅気分が高まる「ご挨拶」と「お品書き」。どうやら江戸時代に一大ブームを巻き起こした「内藤とうがらし」が使われているようだ。いわゆる練馬大根、亀戸大根などと並ぶ江戸野菜の一種だという。ほほー、新宿は唐辛子の産地だったのか。

ちなみに割り箸は、輪ゴムで折箱の側面にピタッと固定されている……高級感あふれる佇まいがたまらない。毎度のことながら、ここがオフィスじゃなければ最高だぞ。

さあ、それではオープンということで、パカッとフタを開けたら……

で、出たァァァァアアアア! これぞ豪華・幕の内駅弁ッッ! 期待を裏切らないビジュアルだっ! 目にも美味しい弁当であるっ!

・中央線沿線のオールスター選抜

ご飯の上には、信州味噌のルーツとも言われている安養寺味噌で焼いた「鮭の味噌焼き」。そして先に紹介した「内藤とうがらし使用の椎茸煮」や甲州名物「ソースかつ」などなど、中央線沿線のオールスター選抜とも言える最強の布陣。さっそく食べてみると……

なるほどなるほど、鮭の味噌焼きは、辛口味噌の味わいが特徴。信州の「野沢菜炒め」や八ヶ岳高原「玉子焼き」との相性も良く、ご飯がめっちゃススム。ちなみに牛焼肉にも、信州りんごのタレがかかっているらしいぞ。あんまりわからんけど、うんまいっ

つづいて椎茸煮だ……噂の内藤とうがらしはスッキリ爽やかな辛さで風味が豊か、椎茸のうまみを引き出している。これが新宿発の味なのか。言われなければ分からなかったなァ。

さらに濃厚ソースかつは、分厚いわりに柔らかくてジューシー。どれも食べ応えがあるし満足度は高い。デザートの巨峰寒天餅もこの弁当で出会わなければ、なかなか食べる機会はなかっただろう。うむ、もっちり美味でした。

・まだまだ楽しめそう

そんなわけで今日もオフィスにいながら、少しだけ贅沢な旅行気分を味わうことができたぞ。駅弁屋さんの商品ラインアップは、時期や時間帯によってチョイ違うみたいだし(詳しくは分からないけど)まだまだ楽しめそう。また気分転換したくなった時に行ってみようっと。

・今回ご紹介した店舗の詳細データ

店名 駅弁屋 頂
住所 東京都新宿区新宿3-38-1 JR新宿駅内南口コンコース
時間 6:30~22:00
休日 無休

執筆:砂子間正貫
Photo:RocketNews24.
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