「エヴァ」といえば「エヴァンゲリオン」、この認識で間違いないはずだ。現在放映中のアニメ映画『シン・エヴァンゲリオン劇場版:||』は新劇場版の4作目にあたり、テレビアニメを含めたすべてのシリーズの最後の作品となっている。2021年3月8日に放映が始まり、私(佐藤)もすでに劇場へと足を運んだ。

そんななか4月16日、つまり本日放映が始まった実写映画がある。その名も『エヴァ(AVA)』だ。一体どんな内容なのか、気になったので観に行ったところ、上映直前に恥ずかしい間違いを犯していることに気づいた。なんて間違いをしたんだ……。

・エヴァの放映初日

本稿では2つのエヴァを区別するために、アニメ作品を「EVA」、紹介する実写作品を「AVA」と表記させて頂こう。あらかじめご了承頂きたい。


さて、AVAはアメリカで制作された実写アクション映画だ。なぜこのタイミングで上映初日を迎えてしまったのだろうか? 作品の名前を混同してしまうので、上映時期をズラすこともできたはずである。ひょっとすると、このコロナ禍でEVAが2度の公開延期になってしまい、偶然時期が被ってしまったのかもしれない。

とにかくその内容が気になるので、上映館のひとつ「新宿バルト9」に行った。するとエントランスには「初号機」と「綾波レイ」の特大フィギュアが展示されている。やっぱり「エヴァ」と言ったらこっちだもんなあ。間違えて実写の方を観ちゃう人もいるんじゃないかな、大丈夫かなあ……。


そんな訳で、私はAVAの放映初日、13時の回の当日券を購入して劇場に入った。


本編上映5分前に「シアター3」に入ると、席は半分いかないくらい埋まっている。ほかの客の様子を眺めながら、上映が始まるその時を待った。


・やっちまった!

おおむね上映開始時間を迎えたところで、スクリーンに「これまでのヱヴァンゲリヲン新劇場版」が流れ始めた。え? これ、EVAのスポットCMかな? AVAの前にEVAを流すの? ややこしい! どっちがどっちかわかんなくなって来たぞ! 俺はどっちを観に来たんだ?


その約4分の映像が流れ終わると、そのままEVA冒頭の真っ赤なエッフェル塔が出てきた。これは完全にEVAの本編に入っているじゃないか! なんで!? 実写版のAVAを観に来たはずなんだけど!? ここはたしかシアター3のはずなんだが、もしかして!!!!


……私は入り口を1つ間違えて「シアター3」ではなく、「シアター2」に入ってしまっていた……


しかも運悪く、2作品の上映開始時間は同時刻。入り口でスタッフに券を見せた時にも気づかれず、「ここはシアター2ですよ」と教えてもらえなかった。そして、シアター2で私のいた席はたまたま空いていたので、上映開始時間までのんきに座っていられたのだ。

ボタンのかけ違いの連鎖で、AVAではなくEVAを観るところだった。あぶねえ! 気づいてよかったよ。そりゃEVAをもう1度観たいけど、今日はAVAを観に来たんだ。なんて間違いをしてしまったんだろう! 恥ずかしい!!


・暗殺者エヴァ

本来入るべきだったシアター3に入ると、幸いまだ本編が始まっていなかった。よかった! 滑り込みセーフ!!


無事に全編を観ることができたので、AVAの内容をネタバレなしで紹介しよう。この作品は無欠の暗殺者エヴァが自らの境遇に抗いながら、組織と戦う物語である。全編を通して血生臭いアクションが繰り返されるのだが、同時に緻密な人間模様も描かれている。

率直な感想として、アクションにはそこまで派手さはない。基本が暗殺なので、飛行機が墜落したり、車が何十台も爆発したりはしない。静かにターゲットを葬るのがエヴァの仕事だ。

それよりも、複雑な家庭環境の描写に主眼を置いている。とくに妹と元カレの関係や、父親に抱いたトラウマなど、家族関係はドロドロ。思わず「最悪やん」とつぶやいてしまいそうになるほど、気の毒な境遇だ。

とくに印象に残ったのは元カレで、こいつのポンコツさには腹立たしささえ感じてくる。そんなポンコツに未練を残すエヴァもまた、観ていてイライラさせられる。物語は一貫して暗さの漂う内容だった。Amazon Prime やNetflix でシリーズドラマ化した方が、ウケる作品かもしれない。


いずれにしても、現在「エヴァ」と名前のつく作品が2つ放映されているので、劇場で間違えないように気をつけて欲しい。私のようにシアターも間違えないようにね!

参考リンク:エヴァエヴァンゲリオン公式サイト
執筆:佐藤英典
Photo:Rocketnews24

▼「AVA(エヴァ)」予告動画

▼『これまでのヱヴァンゲリヲン新劇場版』