今回ご紹介する激辛料理「地獄陳⿇婆⾖腐」だけは、絶対に安易な気持ちで挑戦してはならない。いいか、「激辛料理が好きだから」なんて理由で「地獄陳⿇婆⾖腐」を食べようものなら三途の川が見えてくるハズ。地獄陳⿇婆⾖腐……その名に偽りはない。

これまで「1300倍の激辛カレー」や「ペヤング獄激辛やきそば」を完食してきた私、P.K.サンジュンは、生れて初めて激辛料理に殺されかけた。もはやこれは料理ではない……疑いようのない “兵器” である。

・陳麻婆豆腐のキャンペーン商品

2021年4⽉3⽇から5⽉31⽇まで、麻婆豆腐発祥の店として知られる「陳麻婆豆腐」では「無限・陳麻婆豆腐フェア」なるイベントを開催している。4種類ある激辛麻婆豆腐のうち1つを完食すると、次回から使えるクーポン券がもらえるキャンペーン、といった内容だ。

4種類の麻婆豆腐のうち最強……いや、最凶ランクなのが今回私が挑戦した「地獄陳⿇婆⾖腐」である。ハバネロをふんだんに使用し、同店史上最高のしびれを辛さを実現した渾身の激辛麻婆豆腐で、情報を得た時点で完食者はまさかの0人──。こいつはヤバそうだ。

挑戦した当日に店員さんに話を聞いたところ、すでに2名が完食していたことはさておき、これまで多くの激辛料理をなぎ倒してきた私には「地獄陳⿇婆⾖腐」に挑戦する権利があるのではなかろうか? 私は指をポキポキ鳴らしながら「陳麻婆豆腐」に足を運んだ。

・多少の自信はあったが

特に激辛料理が好きなワケではないが、激辛耐性には少々自信がある。正直な話「なんとかなるだろう」と思っていたが、これが大間違い! 結論から申し上げると私は「地獄陳⿇婆⾖腐」を完食できなかった……どころか死線を超えかけた

「地獄陳⿇婆⾖腐」の価格は1860円、通常の「陳麻婆豆腐」が1360円だから500円高いことになる。この時点でも私は「500円分辛いだけでしょ?」という気持ちがあったが、運ばれてきた「地獄陳⿇婆⾖腐」を見た瞬間に甘っちょろい考えは吹き飛んだ……


きゃぁぁぁっぁぁああああ!


やべぇぇぇえええええええええ!!


地獄の一丁目キタァァァァァアアアアアア!


通常の「陳麻婆豆腐」と比較するとその違いは一目瞭然。というか、豆腐が見えないんですけど? 豆腐の前に立ちふさがる何本もの唐辛子たちは、まさに地獄の門番といったところだろうか? ただし、まだこの時点で私はファイティングポーズを崩していない。

・燃える闘魂

それどころか「上等じゃねえか……!」「漢(おとこ)、P.K.サンジュンをナメんなよ?」と闘志が湧き出ていた。いくら辛いとはいえ、所詮は食べ物。私は意を決して麻婆豆腐を口に運んだ。


パクリ。


モグモグ。


む、無理ィィイイ……。


辛い、とにかく辛い。山椒のしびれと唐辛子の辛さだということはかろうじてわかるが、あとはサッパリわからない。なぜなら一瞬で「舌全体 & ノド全域」まで辛み成分で支配されてしまったからである。ただ、飲み込んだ麻婆豆腐が腹のどこにいるのかだけはハッキリ伝わってきた。

ここまで辛いと勢いで何とかするしかないが、その勢いすら出させない圧倒的な辛さ。言い方を変えると「体が危険信号を発信する辛さ」とでもなるだろうか? 心は折れずとも、体が動かなくなるほど「地獄陳⿇婆⾖腐」は猛烈に辛かった。

・死線を超えかけた

結局のところ、私は半分ほどでギブアップ。相打ちを覚悟して「北斗の拳」で言うところの「断己相殺拳(だんこそうさいけん / レイの究極奥義)」を使えばもしかしたら完食できたかもしれないが、その場合私は三途の川の向こう側にたどり着いていたハズだ。少なくとも病院送りは間違いない。

あまりにも辛かったため、撮影で同行した亀沢(辛い食べ物にはまあまあ自信あり)にも味見してもらったところ、たった1口でなぜか普通の麻婆豆腐も食べられなくなるほどの大ダメージを受けていた。危険、あまりにも危険。冒頭でお伝えした通り「地獄陳⿇婆⾖腐」は兵器である。

なお、お察しの通りその後はすこぶる体調がすぐれなかった。なんなら翌日にも影響があったことは記述しておきたい。加えて、店を出た直後に飲んだ「飲むヨーグルト」がメチャメチャ美味しかった……仮に飲むヨーグルトが1万円でも、あの時の私ならば迷うことなく購入していたハズだ。

というわけで、陳麻婆豆腐の「地獄陳⿇婆⾖腐」は、その名の通り地獄行きの片道切符でもあった。「地獄陳⿇婆⾖腐」は本当の本当に自信がある人、それ以外の人はそれ以下の辛さをオススメする。「無限・陳麻婆豆腐フェア」の詳細についてはホームページを確認して欲しい。

参考リンク:陳麻婆豆腐「無限・陳麻婆豆腐フェア」
執筆:P.K.サンジュン
Photo:RocketNews24.
[ この記事の英語版はこちら / Read in English ]

[ この記事の英語版はこちら / Read in English ]