群雄が割拠しまくりで混迷を極めているチューハイ界。毎日のように、よりウマいチューハイ発見の報がSNSなどでは飛び交い、競争率の高さはさながら戦国時代。私(江川)も日ごろから気になるものを片っ端から試しているが、話題になるものは大体どれもしっかりウマい。

しかし、記事で紹介したいと思うほどのものには滅多に出会えない。紹介するからには、ある程度ぶっちぎっていてほしいのだ。そして先日、久しぶりにぶっちぎったヤツに出会ってしまった。『素滴しぼり 果汁100%』というチューハイだ。

・5種

公式HPによると、フレーバーはピンクグレープフルーツ、白ブドウ、りんご、オレンジ、そしてパイナップルの5種。今回はパイナップルだけ入手することができなかったため、残りの4種を紹介しよう。

まずはピンクグレープフルーツからだ。チューハイと柑橘類の相性はいい。ピンクグレープフルーツ味のチューハイなど、この世に星の数ほども溢れている。


しかし、『素滴しぼり 果汁100%』に匹敵するレベルでピンクグレープフルーツ味なチューハイを見つけるのは、かなり困難だろう。なぜなら、『素滴しぼり 果汁100%』のピンクグレープフルーツ味は、マジにピンクグレープフルーツジュースの味しかしないからだ。

アルコール感がガチに皆無。味覚的には、本当にただのピンクグレープフルーツジュースを飲んでいるようにしか感じない。しかし、缶にはしっかりと4%のアルコールが含まれていると記されている。


美味いか不味いかについては、それはもうピンクグレープフルーツが好きか嫌いかの問題となる。本当に、味は果汁そのもの。マジで。これが果汁100%のパワーなのか……ッ!?

オレンジも似たようなものだ。味は果てしなくオレンジジュース。それ以外に適した言葉を私は知らない。だって、オレンジジュースはオレンジジュースだろう?

味覚的にはアルコールの存在が完全に消えている。こんなことってあるのか? こんなに瑞々しく生々しいフルーツの味を、缶チューハイから感じることができるなんて。フルーツが生すぎて、味にセクシーさすら感じる。


あまりにジュースなので、完全にアルコール力を甘く見ていた筆者。今まさにこれを書きながら飲んでいるが、キーを叩く指の動きが少しずつ重くなりつつある。思考もイマイチ霞がかってきた気がするし、カメラも水平を保てなくなっている気がする。間違いなく4%のアルコールが効いてきているのだろう。


・恐るべし

だがまだだ。今のところ試したのは、もとより味の主張が強い柑橘系の2種のみ。グレープフルーツやオレンジだから、アルコールの風味を隠せたのでは? 白ブドウやりんごでアルコールの味を隠すのはさすがに無理だろう。どれどれ……


めっちゃブドウジュース!


マジでりんごの味しかしねぇ!


・オーパーツ

なんということだ。いったいどうやって作っているのだろう。たしかに果汁100%のパワーもあるのだとは思う。しかし、たとえ果汁100%のジュースを使ってチューハイを手作りしたとしても、ここまでアルコールの存在を消すことは難しい。

恐るべし『素敵しぼり』。恐るべしアシードブリュー株式会社(製造者)。こんなにフルーツの味が生きている……いや、フルーツそのものの味がする缶チューハイが存在しただなんて。チューハイ界のオーパーツ。未知のテクノロジーの産物ではなかろうか。完成度がバグっている

アルコール度数が4%な点に頼りなさを感じる人もいるかもしれない。だが、はっきり言ってそこは全く問題にならない。アルコールを飲んでいる自覚がないままあっという間に飲みまくって、気づいた時にはやられているからだ。まだ40度のウィスキーを飲んでいる時の方が、セーフティが機能して飲みすぎをセーブできる。

ちなみにお値段は、セブンイレブンの通販サイトだと、1本税込み217円(2021年3月25日現在)なもよう。筆者の場合は、近所のスーパーやコンビニでも見つけられなかったため、通販サイトLOHACOにて3缶1セットを全種購入した。

入手難易度と値段がやや高い点は、マイナスポイントと言えるかもしれない。しかし、戦慄に値するレベルで果汁の味しかしないという体験。そして美味さの前に、そのようなものは些事(さじ)だろう。まったく、これは凄まじい缶チューハイだ。

参考リンク:富永貿易セブンイレブンネットLOHACO
執筆:江川資具
Photo:RocketNews24.