タガメ……誰もが名前を知っているだろうし、姿もなんとなくわかるであろう超メジャーな昆虫だ。図鑑だと大体ビッグに扱われているしな。

これまで当サイトでは、タガメサイダーを飲んだり、ボイルしたタガメを食べてきた。そして今回は、お酒を発見してしまった。その名も『昆虫サワー(タガメエキス入り)』。飲んでみた結果……

・タガメとは

タガメがメジャーな昆虫であることは間違いないが、実際に生きているのを生で見たことがあるという方は、知名度に反して少ないのではなかろうか。ということで、まずは簡単にタガメについてふれてみよう。

アラフォーの筆者も、子供の頃には田舎の池や水田で見たことがあった。が、昨今では終ぞお目にかかれない。

水中で生活する昆虫の中では、実は日本で最大級。デカいので、いればそれなりに見つけられるものだが……つまりは、いないのである

水中の生態系ではトップ層に君臨する強者。多少は濁った水でも平気なタフさもある。しかし、主な生息域が水田だったことや、肉食であることなどが災いし、農薬で死にまくってしまったのだ。

そして終には絶滅危惧種に指定され、2020年2月10日以降は販売目的の捕獲や売買が禁止された。ちなみに埼玉では、見つかったことが意外過ぎてニュースになった。マジでレア昆虫になってしまったもよう。


・タガメエキス入り

日本のタガメはそんな感じだが、主に大陸のアジア圏に生息する近縁種のタイワンタガメは、食用として流通している。

昆虫食関連で起用されるタガメの多くはこのタイワンタガメだと思うのだが、今回サワーになったのもコイツである。

昆虫食通販サイト「バグズファーム」にて、1本250mlで税込み638円(送料は別)で売られている。中身は無色透明。ラベルには堂々としたタガメのイラストが。めっちゃタガメをアピってくるやんけ。


原材料をチェックすると、そこには真っ先に「タガメエキス」の文字が! 


オイオイ、「醸造アルコール」よりも先に書かれてるぞ。これは中々の量のタガメエキスが入っていると捉えて良いのだろうか。

アルコール分は5%。一般的な缶チューハイ等と同じくらいだ。ストロング系よりも飲みやすそう。


・ガチ

それではいってみよう。キャップを開けると……


_人人人人人人人人人人_
> すっげぇイイ匂い <
 ̄Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y ̄


バナナ? いや、ラ・フランスだろうか。ちょっと違う気もする。リンゴっぽい気もしなくもない。なんだろう。その手のフルーツをミックスしたようなイイ香りだ!

全く不快感の無いフルーティな匂いが、パワフルに香ってくる!! おぉ、噂には聞いていたが、タガメお前、本当にいい匂いするんだな。タガメの香水とか、若い女性にめっちゃ需要出そう。

いざ飲んでみると、もう匂いのままの味だ。ほどよく甘いし、フルーティなイイ香りが喉から鼻に抜けていく。これは美味い!

今まで飲んだ中で、最も香りがナチュラルだった酒と言えば『素滴しぼり 果汁100%』だが、タガメ汁入りサワーはそれに匹敵するかもしれない。

グラスに注いでレモンでも添えて「フルーツのカクテルです」などと言って出せば、これがタガメだと見抜ける人は恐らく居ないだろう。それくらい自然にウマい。

ちょっと値段がお高めなのが難しいポイントだが、風味だけで勝負するなら普通に人気になれる器だと思う

まあ、タガメということだけでNGな人もいるだろうから、実際には難しいと思うが……。いやでも、マジで美味いですよこれ。

参考リンク:バグズファーム朝日新聞
執筆:江川資具
Photo:RocketNews24.