日本の誇る納豆文化。海外の人には信じられないだろうが、納豆ラーメン、納豆トースト、納豆汁などアレンジには事欠かないし、ココイチの正式メニューにも「納豆カレー」があるくらいだ。

なので、カレー味の納豆が発売されるのも必然なのである。

このたびヤマダフーズの「おはよう納豆」シリーズに「スパイシーカレー納豆」が加わった。これは間違いのない鉄板の組み合わせ! さっそく食べてみたのでご紹介したい。


・「スパイシーカレー納豆(3パック)」

価格はオープン価格(筆者は税込95円で購入)。形状は普通の3段重ねの納豆だが、納豆らしからぬ鮮やかなビタミンカラーである。売り場ではこの光り輝くイエローを目印に探せばいいだろう。おはよう娘こと「なっちゃん」もいる。

ターメリック、コリアンダー、クミンなど30種類以上のスパイス&ハーブを使っているという。エスニック料理店顔負けである。

中には通常の「合わせだし」のほかに「特製粉末」が入っている。


開封すると、そのまんまカレー粉の香り! 香ばしく、スパイス市場のような異国情緒が感じられる。

なんでも過去にもカレー納豆はあったそうだが、カレーソースやペーストを使用していたために香りも少なく、しつこい味になりがちだったという。

ソースをカレーパウダーに変えることで、キレがありフレッシュで飽きのこない香りになったのだそう。

パウダーを全量入れて、行き渡るようよく混ぜる。公式ではタレを混ぜてからパウダーを加えることを推奨しているが、まずはパウダーの味を確認してみたい。

勢いよく極太の糸が伸び、納豆菌の元気のよさが伝わってくる。まだタレを入れていないので、水分が少なく粘りが強い。混ぜると納豆の匂いもムッと強くなり、なかなかの存在感である。

よく考えると、筆者は普段は納豆の粘つきがイヤで、「あまり混ぜずに食べる派」だった。タレやネギを足すこともあるが、混ぜずに端の方から崩して食べるというか……。こんな風によく混ぜるのは初めてかもしれない。

メーカーもその辺はわかっていて、「匂わない納豆」「ネバネバしない納豆」などを盛んに開発しているのだろうが、この「スパイシーカレー納豆」はそんな忖度(そんたく)は一切なく、納豆の王道をいっている。


さて、よく混ざったところで、1口食べてみる。


おおっ、奥深いスパイスの風味! 辛さはまったくない。

思ったほどカレー味は前面に出てこず、むしろ納豆の存在感が強い。「納豆って、こんなに納豆っぽかったっけ?」という謎の感想が出てきてしまう。

まずは納豆の匂いや食感がどーんと迫り、あとからスパイスの風味がふわっと漂うという感じ。なるほど、この納豆に勝つためには、これまでソースやペーストを使わざるを得なかったというわけだな。

順序が逆になったが、タレを足してみる。和風だしで「お蕎麦屋さんのカレーそば」をイメージしているのだそう。

水分が加わって、ぐっと混ぜやすくなる。十分に混ざったら食べてみよう。


ああ、こうなると納豆の自己主張がタレで抑えられ、パウダーとのバランスがとれる印象!

まろやかなカツオと昆布の「合わせだし納豆」が最初にきて、それからカレーの風味が鼻に届く。コクが加わって、味の奥深さを何層にも演出している。

やはりカレーは「隠し味」のように背景にあり、あくまで主役は納豆。カレーに納豆を入れたときとは逆の現象が起きている。納豆の味が「深く濃く」なり、これはクセになりそう!


・今のところ地域限定

商品は3月1日から関東地域で、3月8日から東北地域で販売している。今のところ限定した地域での展開のようだ。もし見かけたら、ぜひ1度ご賞味あれ。

なお、ヤマダフーズでは「キムチたれ納豆」なんていう商品も出している。納豆にソースやパウダーを添付して「味変」するアイディアには可能性を感じる。フレーバー納豆ブームが来ちゃうかも。


参考リンク:株式会社ヤマダフーズ
執筆:冨樫さや
Photo:RocketNews24.
[ この記事の英語版はこちら / Read in English ]