お好み焼き屋には『焼そば』もあるのが普通。この2つは使用する材料がほぼ同じなため、「ついでに焼いちゃいましょうかね」ってなノリなのだろう。そう考えると日清焼そば『UFO』から『冷凍お好み焼き』が発売されたことも、粉モノ界の必然と言えるのではないか。
しかし冷凍お好み焼きには、カトキチ(テーブルマーク)の『ごっつ旨いお好み焼』が絶対的王者として長く君臨し続けている。私が初めてコレを食べたのは20年以上も昔のことだが、あまりの美味しさに思わず関西弁で叫んでしまったんだよな……「ごっつ旨い」って。
・カトキチの信頼感
それから私は週2で『ごっつ旨いお好み焼』を食べ続けるなど、熱心な信者として日々カトキチ製品の布教活動に勤しんでいるのだ。ちなみに冷凍うどんもカトキチに限るかんね!
『ごっつ旨いお好み焼』から王座を奪うのは難しいかもしれないが、せめて爪痕くらいは残してほしいと思う。今回、私はUFOお好み焼きに並並ならぬ期待を寄せている次第なのだ。
が、しかし……
中身を見た瞬間から、すでにカトキチが優勢であることは否めない雰囲気。まず『UFOお好み焼』は『ごっつ旨い』より明らかにひと回りほど小さい。表示によると『ごっつ旨い』259グラム、『UFO』は207グラム。52グラムもの差があるようだ。
この日の購入価格は『ごっつ旨い』251円、『UFO』218円(ともに税込 / 価格は販売店によって異なる)と、価格自体は『ごっつ旨い』が高い。しかしソース等のトッピングが圧倒的に豪華であるなど、内容を考えると「割高なのはUFO」とみていいのではないだろうか。
また今回、私が最も重要視したポイントが “紙皿” 。『ごっつ旨い』には紙皿が付いており、そのまま加熱して食べることができる。しかし『UFO』は自分で皿を用意する必要があるのだ。洗い物が増えるし皿はカンカンに熱いぞ。コレはかなりの減点と言うほかないだろう。
・だが問題は味
開始早々『ごっつ旨い』に大きなリードを許したUFO。とはいえ肝心なのは味だ。いくら私がカトキチファンでも、味さえ良ければガタガタ言うつもりは毛頭ない。
2つのお好み焼きをチンしてみると、ソースに大きな違いがありそうだ。
まず『UFO』のソースは液体に近い形状。ウスターとまではいかないが、とんかつソースくらいのサラサラ感である。生地のわずかな傾斜でしたたり落ちるほどだ。
対して『ごっつ旨い』のソースはドロリとしたジェル状。通常お好み焼きで使用するのは、こういった「ドロリ」タイプが多いと思われる。
それでは期待を込めて、UFOお好み焼きを初実食してみることにしよう。匂いは確かに『焼そばUFO』を思わせるが、果たしてお味は……
!!!
こ、これは…………
『ごっつ』の足元にも及んでねぇ!!!!!!!!
・UFOという名のリング
断っておくが私はグルメ通ではないので、滅多なことでは「こっちのほうがウマイ」といった言い方はしない。せいぜい「私はこっちが好みかな〜」程度である。だからこそ読者の皆様には、こんな私が「明らかにこっちがウマイ」と断言する重大さを感じていただきたいと思う。
今回の2つをお好み焼きとして見たとき、具材、生地、ソースなど全ての点において明らかに完全に『ごっつ旨い』が何倍も勝っていると言うほかない。厳しいようだがそれが事実だ。もちろん『ごっつ』と比較しなければ普通においしいお好み焼きではあるのだが……スマン日清。
……が、ここで私はフト考えた。これを「お好み焼きとして」ではなく「UFOとして」見た場合はどうなのだろう?
UFOお好み焼の正式名称は『日清焼そばUFO 濃い濃いお好み焼』だ。最初からUFOファンのみをターゲットにした商品、という可能性も全然ありえる。となると今回の対戦相手は『ごっつ旨い』ではなく、『焼そばUFO』なのではないか?
ってことで『焼そばUFO』と『UFOお好み焼』を食べ比べてみた結果……
確かに似ている……けど味が濃すぎてよく分からんかった。
いや〜、濃いな! UFOってこんなに濃かったっけな? 確かに同じUFOだけあってソースや紅生姜の風味など、かなり近いものがある。お好み焼きのパッケージには「生地までUFO味!?」と書かれているが、私はUFOに関しては素人であるため、残念ながらその境地に至ることはできなかった。
しかしUFOの濃厚ソースが大好きというUFOファンの方は、一度食べてみる価値アリだろう。少なくとも私はこんなに味の濃いお好み焼きを食べたことがない。何度も言うが『ごっつ旨い』と比べなければ普通においしい冷凍お好み焼きなんだぞ〜? そこんとこヨロシクな!
参考リンク:ごっつ旨いお好み焼、冷凍 日清焼そばU.F.O. 濃い濃いお好み焼
執筆:亀沢郁奈
Photo:RocketNews24.
▼公式サイトによると「2021年3月1日発売予定」だが、近所のスーパーで売っていた