遊びながら食べられる菓子、いわゆる玩具菓子の世界が奥深い。粉をねりねりして色がつくだけで狂喜乱舞していた筆者の子ども時代とは、もはや違う次元のクオリティだ。

中でも最高傑作だと思っている商品に「おかしでつくる日本庭園」というのがある。あまりの美しさ、風情、ラムネの旨さに、日本文化の伝道師として海外にPRしたらどうかと思っていたのだが、残念ながら終売してしまった。

しかし、続く第2弾として昨年末に「盆栽」バージョンが誕生していた! これは作ってみなければなるまい。


・ 「おかしでつくる盆栽」(税込378円)

その商品とは、株式会社ハートの「おかしでつくる盆栽」だ。対象年齢は8才以上。

小さな鉢の中に、大樹や崖や岩などの大自然を再現する盆栽。極小の世界に森羅万象が表現されているといい、いまや日本が誇る芸術品といえる。英語でも「BONSAI」で通じるというからな。

本物の盆栽を育てる余裕はないが、お菓子なら手軽だ。主な材料はソフトキャンディ。


まずはこのキャンディをよくもんで、粘土のようにする。説明書では素手でこねていたが、筆者は手袋を使うぞ。大人になると、すぐに「こっちの方が効率がいいから」とか「後片付けが大変だから」とか余計なことを考えて、遊ぶのが下手になるな。


十分に軟らかくなったら型に詰める。


……のだが、キャラメルというかヌガーというか、とにかくガチガチに硬くて形を作れるような硬度ではない。裏技としてレンジで温める方法があったので、10秒ほど加熱する。見た目はちょっとアレだが、ゴムのように軟らかくなった。

型に詰める。ちなみに同商品は盆栽Aと盆栽Bの2種類がランダム封入で、枝ぶりが異なるのだ。筆者のは枝が3本に分かれているデザインだった。

みっしり幹を詰めたら、2つの型をドッキングさせて立体的にする。ぎゅっと押しつけると、砂糖のベタつきで密着する。

冷凍庫で冷却30分。カルディのパンばかり入っているのは気のせいだ。


型から取り出す! 冷凍庫で冷やされてカチカチになっているが、「涼しい場所で作ってください」とあるので、ストーブを消して作業したぞ。真冬なのに。

「つまようじで不要な部分を取り」とあるのだが、ねば~っと伸びて難しい。ナイフでも簡単には取れない。軟らかいうちに余分なところを除去しておくべきだった!! 

カッターかデザインナイフで削ればよさそうだが……食べ物としての矜持を保つか、仕上がりの美しさを求めるか迷ったが、結局「食べられる」ことを優先した。

なんとか枝をくっつけて、さらに冷凍庫で30分。なぜかオオワライタケ(毒キノコ)のようになった。

さて、待っているあいだに葉を作っていく。「葉のもと」に水を混ぜて電子レンジで加熱する。この素材、粉のときには白いのに、水を入れると鮮やかなモスグリーンになる不思議な粉だった。

え、すごい! レンジで加熱すると気泡がたくさん入ったスポンジケーキになった! ジオラマを作るときの模型用スポンジみたいだ!!

ちぎって枝につけていくぞ。リアルで楽しい!! 作業のクライマックスだな。


……よし、できあがり! さあ、見てくれ!!


見事なブロッコリーが誕生した。


おかしい。なんでだ。葉が多すぎたのかな?

カップにはまだまだスポンジケーキが余っており、これでも半分ほどしか使っていないのだが、過ぎたるは及ばざるがごとし。盆栽は引き算の美学だな。

しかし、わずか5cm四方の空間に大自然の息吹が感じられる……ような気がする。不格好なのもまた愛着が感じられる。

スポンジケーキの質感が素晴らしい。ちなみに見た目を裏切るバニラ味だ。


・お早めにご賞味ください

ずっと眺めていたいが、室温でみるみるうちにキャンディが溶けて樹冠が落下した。芸術とは、はかなさの中に生まれるものなのかもしれない。実際の盆栽も生長を続けて永遠に完成しないのが魅力だというからな。

株式会社ハートには、これからも “和の心” を伝えるシリーズに期待。お菓子で情景を作るっておもしろい。日本庭園シリーズも再登場しないかなぁ?


参考リンク:株式会社ハート「おかしでつくる盆栽」
執筆:冨樫さや
Photo:RocketNews24.
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