ネットで、ある児童向け雑誌のふろくが話題だ。小学館の『ぷっちぐみ』2021年3月号についてくる「キラカード☆メーカー」である。表紙では「なんでもホロキラカードになっちゃう☆」と謳(うた)われているこちら。
サイズの合うカード状のものを、レア感あふれるホロ仕様にできるアイテムだ。低レアな推しのイラストや写真も、これを使えば一気にレア度の爆上げが可能ということで注目を集めている。なんだか面白そうなので、実際にやってみることに。
・すみっこぐらし
雑誌のお値段は定価で920円。話題になったせいか見つけるのに手間取ったが、都内の大きな本屋を回ってみたらたくさん在庫がある所も見受けられた。ちなみに、お目当ての「キラカード☆メーカー」は「すみっこぐらし」とのコラボ品なもよう。
雑誌には「すみっこぐらし」のキャラクターのイラストが描かれたカードが、24枚も同封されている。これをホロ化して遊ばせるのが主な狙いなもよう。
しかし「自分だけのオリジナルカードも作れちゃう」として、雑誌内にてサイズ(縦87ミリ、横62ミリ)が合う他のモノをホロ化する使用法が提案されていた。
付属するホログラムシートの柄のパターンは全部で5種類。ハート、スター、スパークル、プリズム、クリスタルだ。おや、このクリスタルとプリズムの柄はなんだか見た覚えがある。
あれは90年代に筆者がハマっていた、ドラゴンボールだかロックマンだかのカードダス。こんな感じのホロが施されたレアカードがあったような気がする。なんだかテンションが上がってきたぜ!
・写真
それでは実際に何か適当なものをホロ化してみよう。レア度が低そうな柄とレア感ある柄を用意して、ホロ化することで印象がどれくらい変わるかも見てみたいところ。
ということで用意したのはロケットニュース24編集部にいる、ごく普通のおじさんたち3名。
そして、キメッキメなイングヴェイの写真だ。おじさんたち3名の写真は、レア感から程遠い状態を写したもの。対してイングヴェイは……色々と尋常ではない感じだ。
ちなみに縦87ミリ、横62ミリというのは、写真のL版の半分を一回り小さくしたサイズ。2枚1組にしてL版でプリントし、はみ出た部分をカットしたら丁度いい感じになる。
・ホロ化
まずは丁寧にサイズを合わせた「ジャイアントコーンを食べるGO羽鳥」のカードと、貼り付けたいホロシートを、「キラカード☆メーカー」にセット!
メーカーを使ってシートを張り付ければ、ものの数秒でキラキラのホロカードが完成だ! 選んだのはスパークル柄のホロシート。仕上がりは……ふむ、あまりハッピーそうではない表情と、ホロのキラキラが何だかミスマッチだ。
ホロによってレアカードっぽい主張は感じるが、なぜこのビジュアルでレアなのか少し疑問に感じられる。同様に「ジャイアントコーンを食べる原田たかし」のカードと……
「歓談中の和才雄一郎」のカードも、ホロ化してレアカードっぽい雰囲気をまとっているが……どうだろう。「もっとレアらしい絵柄にしろよ!」と言われそうだ。星3くらいまでなら許されても、星4や星5で実装されようものなら、これら3枚のカードのWikiは荒れるに違いない。
それでは最後に、クリスタルのホロシートを張り付けた「秋葉原のイングヴェイ」を見てみよう。
元よりビジュアルの全てが普通ではなかったところにホロ化のマジックが加わり、「タダモノではないな」と思わせる雰囲気がある。間違いなくレアカードだ。
ロケットニュース24のトレーディングカードゲームが出たら、きっと何かクセのある効果を持った強力なレアカードとなるに違いない。これに対抗できそうなのは、ミズ・サン子のホロカードくらいだろう。
・レア化に耐えうるビジュアル
こうしてとりあえず4枚ほどホロ化してみた結果、ある教訓を得た。それは、元のビジュアルも思っていた以上に重要だということ。何でもホロ化したらそれなりにレアっぽくなると思っていたが、そうでもなかった。
ホロの輝きの向こうに見えるビジュアルから低レア感がダダ漏れだと、違和感がヤバい。それどころか、むしろチープに見えさえする。この現象をホロ負けとでも呼ぶとしよう。
もし推しのそこまでベストではないビジュアルを用いてしまった場合、ホロ負けを起こして自ら推しを微妙な感じにしてしまうという、悲しすぎる事態を起こしかねない。ホロ化する際には、デフォルトでレアっぽい姿の推しを用意した方が良いかもしれないぞ!