「サイゼリヤ」といえばミラノ風ドリア、「ガスト」といえばチーズINハンバーグ。では、ココスと言ったらナニ? どこのファミレスでもそのお店を象徴するメニューが存在するのに、ココスにはそれがない。少なくとも私(佐藤)には浮かばないのだよ。

この冬は高さ26センチの巨大パフェ「クイーンいちごパフェ~ピスタチオソースとともに~」で戦っていけると思うけど、その先はどうするのか? ココスの将来を勝手に心配した私は、コレを推すべきではないかというメニューを発見した。それはオーブン焼きカルボナーラだ。これを主力にすべきではないか、ココスよ……。

・定番メニューに必要な要素

メニューが定番になるには、2つの要素が必要だと私は考える。まず1つが「驚き」。どんな小さな工夫でもいいから、「ここでしか食べられない」と思わせるような驚き、インパクトが必要だ。そしてもう1つは、「繰り返し食べられる」こと。1度食べて飽きてしまうようでは、定番化は難しい。何度も食べられるような飽きの来ない味が求められる。

先に挙げたミラノ風ドリアもチーズINハンバーグも、この2つの要素を持っている。だからお店を象徴するようなメニューとして親しまれているのだ。


・メニュー改定

さて本題のココスは、2020年10月末にグランドメニューを改定して新しくパスタ釜を導入したそうだ。これによりパスタメニューは16種類に増えている。


そのなかで、ありそうでなかったのがオーブン焼きのパスタだ。カルボナーラとボロネーゼ(各、税別990円)の2種類用意されている。定番商品はコレだな! これを前面に押し出していくべきじゃないのか? メニューのなかでも割と扱いが小さいけど、トップページに持ってきた方が良いと、私は勝手に思うんだよ。定番に求められる驚きは十分にある。


カルボナーラは美味そうだな。チーズを乗っけて焼けば、大抵のものは美味くなる。そして卵黄が乗っているだけで、見た目の好感は1.5倍アップするんだ。私の考える “人気商品のセオリー” にピッタリと当てはまっている。これは確実に定番メニューになれるはずなんだ。


・濃い

出て来たものを見ると、残念ながら卵黄がつぶれていた。しかし、食えば一緒だ。胃袋の中まで卵黄の形をとどめられる訳がないんだから、これでいいのだ!!


それより何より表面のチーズにはこんがりと焼き目がついていて、食欲をそそる。上から振りかけてあるパルメジャーノチーズの香りも良い。


チーズをフォークで突き破って、中に閉じ込められたパスタをすくい出す。すると、ソースをしっかりとまとった麺があらわれた。おもむろに口に運び頬張ってみると、濃い! 濃いの一言に尽きる。


ソースは濃厚で大変クリーミーだ。そこにチーズと卵黄が合わさって深いコクを与えている。アクセントの黒コショウが、甘さのなかにピリリと効いている。ベーコンに「カリカリ食感」を期待したが、チーズに絡めとられてカリっとはいかなかった。しかしこれはこれで美味しい。

やや口のなかが重くなりすぎるので、炒ったパン粉でも散りばめたら、食感にバラエティが出てさらに良いかも。もしくはクルトンを散らしても良いだろう。


お馴染みのカルボナーラを焼いただけ。手法としてはとてもシンプルだけど、そのひと手間で「ちょっと食べてみたい」と思わせる商品だ。着想としては悪くない。できればこれがココスを象徴するメニューに成長してくれると良い。さらにオーブン焼きパスタのバリエーションが広がることに期待している。

参照元:ココス グランドメニュー改定のお知らせ(PDF)
Report:佐藤英典
Photo:Rocketnews24