「ジャケ買い」とは、レコードやCDを聞かずにジャケットだけを見て買うことを指す。そこから転じて中身を確かめずに購入することを、そう呼ぶこともある。

今回私(佐藤)は、東京・新大久保にある中国食材のお店で、カップ麺のジャケ買いに挑戦してみた。パッケージに写真のないものをあえて選んでみたのだが、実際に食べてみると……、ビックリするほど美味かったんだ! カップ麺のクオリティは日本が世界一だと思ってたけど、海外の商品もなかなかイケることがわかったぞ!

・食族人

商品を購入したのは、JR新大久保駅の北口を出て少しのところにある「華僑服務社」だ。ここは食品だけでなく書籍やDVDなどを扱っており、中国人学生ご用達のお店である。


お店の地下には乾物や冷凍食品、即席食品などが豊富に揃っており、そこで2つのカップ麺を購入した。パッケージに可愛らしいキャラの描かれた「食族人」という商品だ。一瞬「食人族」に空目したことを申し添えておこう……。ちなみに食人族とは、1983年に公開されたホラー映画のタイトルである。


食人族はさておき……。正式な商品名は、紫色の方が「食族爽錫紙花甲粉」、緑色の方が「食族人麻辣爆肚粉」。どちらも税込298円。市販のカップ麺でいえば、この値段は割といい部類の商品にあたるだろう。残念ながら商品名を見ても味の想像がまったくできない。成分表を見ると、どちらも即席春雨であることがわかる。

早速開封して中身を見ると、小袋の数が多い! 麺とは別に具材や調味料が6袋ずつ入っている。さらにプラスチックフォークまで同封されていた。


・クオリティ高い!

国産の商品でも、これだけ具材が含まれているものはあまりない気がする。それにしてもいい匂いだ。調味料の香りが、すでに美味そうな予感をさせている。唐辛子や花椒の香りがフワリと漂って、ムショーに腹減ってしまう。


熱湯を注いでラップでフタをして5分程度待つ。まずは緑色の食族人麻辣爆肚粉の出来栄えを見てみよう。小袋の1つ、練りごまのペーストを上からかけて……これがその完成した姿だ!!




想像以上に本格的じゃない? 匂いが猛烈にイイんですけど! その昔、池袋で食べた麻辣湯(マーラータン)を思い出した。あのお店で食べた時のあの匂いが、今ここにあるじゃないか!


食べてみると、これ美味い! 唐辛子がきいてて辛いんだけど、その辛味はスッと消えて、あとから出汁の旨味が口のなかに残る。いわゆる「旨辛」というヤツだ。商品名の「爆肚」とは、牛や羊の胃袋を指す言葉らしく、実際にこの商品には乾燥したハチノスが入っている。


・意外な商品に出会えるかも?

そしてもう1つ、食族爽錫紙花甲粉もまたスープの色も匂いも本格的。


こちらはパウチのアサリとエノキが入っている。国内のカップ麺ではあまり見ない具材だ。


先ほどの緑色の商品と比べて、春雨麺は細め。味は味噌がきいていて、柔らかい辛味を感じる。これも味の組み立てがしっかりしていて、食べていて飽きない。このスープずーっと飲んでいられるわ。


ハズレを覚悟でカップ麺をジャケ買いしてみたけど、まさかこんなに美味い商品に出会うとは。これは引き続き、ジャケ買いをして運命のカップ麺に出会わなければならないだろう。

という訳で、しばらく海外に行くことはできそうにないけど、海外の味に触れる良い機会かもしれないので、いろいろな商品に挑戦していきたいと思う。なお、この商品をネット検索すると通販しているショップもあるので、気になる人はチェックしてくれよな!

Report:佐藤英典
Photo:Rocketnews24