「まもなく半家、まもなく半家〜」と車内アナウンスが流れた瞬間、私の心は落ち着きを無くした。もちろん、アナウンスした側には何の落ち度もない。すべての原因は私にある。それは分かっているのだが……ザワザワする心をどうしても抑えられなかったのだ

──この時点で、何と読むか察しがついた人だっているだろう。というか、「半家」は難読地名として結構有名だから、すでにご存知の方も多いかと思う。ただ、数日前の私のように知らない人だっているはずだ。そんな人が「まもなく半家〜」の車内アナウンスを聞いたときに大きなショックを受ける可能性があるため、本記事でシェアしておきたい。

・答えを知りたい人だけ下へ

こればっかりは考えても分かるものではないが、まだ答えを見たくない人は「冒頭の部分がヒントになる」とだけ言っておこう。答えを知りたい人だけ、下に進んでくれ。

大丈夫かな? 大丈夫だということにして、正解を発表したい。“半家” の読み方とは……



ハゲ


繰り返す!



ハゲだ。


それはつまり、電車が半家駅に近づくと「まもなくハゲ、まもなくハゲ〜」とアナウンスが流れるということ。頭皮に爆弾を抱えている同志の中で、このアナウンスを落ち着いて聞ける者などいるだろうか? 

いないに決まっている。したがって、私の心がザワついたのは必然。同志のショックを少しでも和らげなくてはとの使命感から、記事を執筆しようと考えたことも必然と言っていい。

そう、だから本記事は一種の注意喚起である。半家と書いてハゲと読むよと。ただの地名だよと。知っていれば心のザワつきを最小限に抑えられるだろうから、知らない同志は覚えておこうなと。そういう意図である。


・旅気分が盛り上がったところで……

ちなみに、半家はJR予土線にある駅で、電車は四万十川沿いの山間を進んでいく。想像がつくだろうが、沿線の景色は実に素晴らしい。車窓からも分かる四万十川の透明度。山の深い緑。絵になる無人駅。


見ているだけで、「旅っていいなぁ」的な気持ちになる。そして、旅情にひたり切っている頃に、「次はハゲ〜」と「間もなくハゲ〜」が降ってくるのだ。それはまるで、予想できない角度から飛んでくるブラジリアンキックのごとし。

頭皮に爆弾を抱えている人間がまともに食らったら、せっかくの旅気分が台無しになりかねない。そうならないために、しっかりと覚えてガードを上げておいた方がいいだろう。こちらからは以上だ。

執筆:和才雄一郎
Photo:RocketNews24.

▼最後の清流とも言われる四万十川は、車窓越しに撮ってもこの透明度。

▼電車もまた味がある。

▼もう一度言う。半家(はげ)だ。