立ち食いと量り売りで急成長した「いきなり! ステーキ」。アメリカに進出したもののすでに撤退を決定し、国内でも不採算店を順次閉店する予定を発表している。系列店の「ペッパーランチ」はすでに傘下を離れ、このコロナ禍で運営元のペッパーフードサービスの先行きは不透明だ。
そんな同社に1店舗だけとんかつ専門店が存在する。東京・本所吾妻橋の「かつき亭」だ。ここにステーキはない。あるのはとんかつをはじめとする揚げ物だけ。利用してみたところ、これが結構イイ! いきなりの一部店舗をとんかつ専門店にしたら、もしかして巻き返しをはかれるかも!?
・1つだけあった「いきなり! ステーキ」のもの
お店は、東京スカイツリーから徒歩約5分のところにある。ふと見ると、すぐ並びにいきなり! ステーキ吾妻橋店があるじゃないか。客を取り合うことになりはしないか心配だ。きっと何か戦略があって、お店を並べているのだろう。凡人の私(佐藤)にその意図はわからない……。
さて、ここのメニューにはジューッ! と心地よい音を立てる鉄板モノはない。紙エプロンも不要だ。なぜなら揚げ物しかないから、油が飛び散ることを心配しなくていい。メニューを見るとロースかつにヒレかつ、エビフライ、季節商品としてはカキフライもある。
どこを見ても、いきなりを窺(うかが)えるモノは何1つない。……と思ったら、1つだけあった! ドレッシングだ。これを見て改めて「仲間のお店なんだな」と実感できた。なんでか知らないけど、ひどくホッとしたよ……。
・カツカレーに挑戦
何を食べようかな? ロースかつも良さそうだし、ヒレかつもいい。エビフライは1尾がデカいので食い甲斐がありそうだなあ……。などと、アレコレ考えた結果、私はカツカレーをダブル(税別1300円)で注文した。メニューのなかで比較的安く、量を食える気がしたからだ。注文から10分程度経ってカレーが出て来たぞ。
お膳にはカツカレーと味噌汁。飾り気のないシンプルな構成だ。ご飯とキャベツはおかわりが無料となっている。また、みそ汁はプラス税別50円で豚汁に変更可能だ。
ルウは見た感じ、ハヤシソースのような濃厚さ。食べるとやや甘めで、そば屋のカレーを思わせるような味に仕上がっている。
・やっぱりカツが主役
なんといっても主役はカツだ。衣はザクザク、粗びきのパン粉を使用しているそうだ。
肉は色味が浅く、ほとんど真っ白。かすかにピンク色を帯びていて美しい色合いだ
食べると、ほんのりと甘い肉汁が口のなかに広がる。植物油で揚げているそうなので、口当たりはくどくない。油が軽いので、いくらでも食べられそうな気がしてくる。
・かつき亭を店舗展開しては?
近頃は1人焼肉店の躍進が目覚ましい。いきなり! ステーキからそちらの方へ、客が流れているのも否めない。だからかつき亭を少しずつ店舗展開して行き、巻き返しをはかっていくのも良いのではないだろうか。
同じ業種では、「かつや」が強力なライバルにはなるが、かつき亭のポテンシャルなら十分戦える気がするんだけどなあ……。いずれにしてもペッパーフードサービスの今後が気がかりだ。
・今回訪問した店舗の情報
店名 かつき亭
住所 東京都墨田区吾妻橋3-6-15
時間 11:00~22:30
定休日 なし
Report:佐藤英典
Photo:Rocketnews24