とうとう復活を果たした かつやの『全部のせカツ丼』。人気フライが一堂に会するという、かつやの歴史の中でも飛び抜けて暴力的なメニューである。しかも今回は、から揚げに代わってメンチカツがラインナップに加わっており、その破壊力はさらに増していると言っていい。

同商品については去年の発売時にすでにレポート記事が公開されているものの、“かつや者” としては無視することなど到底できないだろう。というわけで、期間限定の新型『全部のせカツ丼』を実際に食べてみたぞ。詳細は以下をご覧いただくとして、これだけは言える。奴は……ジェンガだ……!

・再会

“かつや者” たちからの注目を一身に集める『全部のせカツ丼(税抜690円)』は、ロースカツにエビフライが2本、ヒレカツ、そしてメンチカツがドカンと盛られた、その名の通りカロリーモンスターだ。まさか奴と再び相対することになろうとは……。

緊張を隠せない私(あひるねこ)の元に運ばれる1杯の丼。その顔、忘れたくても忘れられんぜ……! 1年ぶりだな……。


『全部のせカツ丼』よ……!!

・全員揚げ物

いやそれにしても、相変わらず茶色いなお前は。画面の8割が茶色じゃないか。少しくらい彩りを気にしろと言いたい。しかし、丼から漂うオーラはまさに王者のそれ。選ばれし究極の精鋭たちが集結しているという事実に、我々はただ震えるしかないのである。というかこれ……。


どっから食ったらええねん。

・重なりすぎている

隙間なくパズルのように敷き詰められた揚げ物マウンテンを前に、選択の自由など はじめから存在しないのかもしれない。『全部のせカツ丼』からの無言の圧により、私は山頂に鎮座するエビフライからまず口に運ぶことを余儀なくされた。

が、やはりウマい。決しておまけにはなり得ないだろう大きなエビが、サクッ! カラッ!! と揚げられているではないか。上からかけられた「たまり醤油だしだれ」も、いつものソースと一味違って実にいい感じである。しかし、困ったことに一向に見えないのだ……! ご飯が……!!

・届かない

そう、エビフライの下では次なる揚げ物がバキバキにスタンバっており、とてもご飯に到達できるような状況ではない。無理に動かそうとすると殺(と)られる。そんな緊張感が丼の中に漂っていた。なるほど……。仕方なく私は、キャベツを挟みながら隣のメンチカツへと移行していく。

で、このメンチカツが なかなかどうしてボリューミー。衣の中にギッシリと詰まった肉の密度は、おそらく かつやの中でも屈指だろう。前回のから揚げと比べても食べ応えはさらに増しているような印象である。しかし……それでも見えてこないご飯……!

何なのだ、このどこまでも積み重なる揚げ物の数々は。ギリギリのバランスでタワーを組むその姿は、私にジェンガを彷彿(ほうふつ)とさせた。その後、導かれるように端に盛られたロースカツを貪る。ほう、さすがは かつやの絶対エース。カツとしての安定感が違う。ここらで味変にソースをかけてもいいかもしれないな。

・待望

さて、大変長らくお待たせした。三つのフライを片付けることで、ようやく顔を出したぞ……! 白い大地が……!! うおおおおお、お前を待ってたぜェェェェェェエエエエ!

やっとありつけたご飯を相棒に、私は一気にスパートをかける。残りのエビフライ・メンチカツ・ロースカツを一掃するのだ。もうジェンガとか関係あるか! 揚げ物バキューム発動やァァァァァアアアアア!!!

・飽きてくる

でもね、ぶっちゃけ言いますと揚げ物ばっかで飽きるでござんす。ただでさえ過剰な脂によって胃が限界を迎えつつあるのに、「たまり醤油だしだれ」オンリーだと味が単調すぎてキツイことこの上ない。最後に現れたラスボス・カツ丸々1枚を前に、私は戦意を喪失しかけた。

ここに来てカツ1枚とは……。胃もたれを起こしている30代男にとって、あまりにも厳しいマッチアップだ。果たして食べきれるのか? 頑張ってなんとか口に運んだ、次の瞬間……あ! こ、これ……!!


ヒレカツだッッ!

・救世主

そう、なんと丼の最深層にいたのは、アッサリした味わいのヒレカツだったのだ。助かった、ここでロースカツが来てたらたぶん死んでた。脂身が少なく、それでいて柔らかなヒレカツのおかげで、私は残すことなく丼を完食できたのである。

・完敗

大方の予想通り、超絶的なボリュームで我々を圧倒した『全部のせカツ丼』。多様な揚げ物が繊細なバランスで積み重なった様はまさにジェンガだ。しかし、気付いてみれば私は、奴の手のひらで転がされていたのである。今回ばかりは完敗を認めざるを得ないだろう。負けたよ……『全部のせカツ丼』。

参考リンク:かつや
Report:あひるねこ
Photo:RocketNews24.