インスタント麺の良さは手軽で安いところ。そして、何よりあの味だ。カップヌードル、チキンラーメン、サッポロ一番、どん兵衛などなど、たまに無性に食べたくなる味はインスタント麺独特のものと言えるだろう。でも、海外のインスタント麺ってどんな味がするんだろう?
そんな疑問を持ったのが、先日ハラル食材チェーン「スパイシーフードネットワーク」に行った時のこと。店の片隅に、謎のインスタント麺を発見したのである。その名も「ワイワイ123ヌードル」。サイケデリックな色合いの袋に南アジアを感じずにはいられないが……。
・ネパールのインスタント麺
置かれていたのはベジタブルとチキンの2種類。パッケージ裏を見てみると、どうやら「CG Foods」というネパールの会社が作っているようだ。ネパールのインスタント麺ってどんな味なんだろう? やっぱりエスニックな癖のある味がするんだろうか? 気になったのでチキン味を購入してみたところ価格は税抜き100円だった。
・食べ方
インスタント麺と言えば、日本ではお湯で乾麺を柔らかくかえして食べるのが普通である。しかし、「ワイワイ123ヌードル(チキン)」のパッケージには3種類の食べ方が書かれていた。
1つはお湯を入れて2分待つという日本と同じ食べ方だが、他の2つは乾麺のまま食べる方法。お湯を入れず、乾麺と同封の調味料だけで食べる食べ方と、お湯を入れてスープを作った上でトッピングはご自由にという食べ方だ。向こうの人は乾麺好きなのかな?
・作ってみた
さて置き、私(中澤)が知りたいのはインスタント麺としての味なので、お湯を入れて2分待つ日本人的ベーシックスタイルで作りたい。袋を開けると、中には乾麺以外に粉末スープとオニオンフレーバーオイル、唐辛子が同封されていた。
と、ここで気づいたのだが、袋を開けても特にエスニックな香りはしない。これまでスパイシーフードネットワークで購入したレトルトは全て、袋を開けた瞬間にインド料理店的な匂いが立ち込めたため少し肩透かしを食らった気分である。
麺はサッポロ一番のようなちょっと太めのちぢれ麺。サッポロ一番なら鍋で茹でる必要があるが、「ワイワイ123ヌードル」のパッケージの絵では皿に湯を注いでいるため、その通りに作ろう。
湯を注ぎサランラップでフタをして2分待ってからフタを外してみると……
完成……か?
・衝撃の味
いまいち自信が持てないのは麺が明らかにほぐれていないから。しかし、箸でほぐしてみると、見た目よりは柔らかくなっていた。食べてみたところ……こ、これは!
チキンラーメン!?
いや、麺も違うし、口の中がカッカするような辛さがあるため、そのままではないんだけど、奥にあるベーシックの味は完全にチキラーだ。チキラーの上にスパイシーさを乗せたような味なのである。
チキン味なので、方向性が似てるのは当たり前という声もあるかもしれない。だが、これは麺さえ同じだったら、チキラーの新味と言われても全く違和感がないほどなのだ。
そんな馴染みの深い味に本場の辛さが利いており、後味で口の中がカッカする。食べるだけで汗をかきそうな味だ。この過激な後味は、日本ではなかなか出会えないレベルである。
麺が多少パサついているところが残念ではあるが、良いのはエスニックな風味のクセがほぼないところ。日本人の舌でもこのスープは人を選ばないウマさだと思った。
・心が帰る場所
たまに無性に食べたくなるチキンラーメン。シンプルなあの味に、私はノスタルジアを感じてしまう。帰ってくる場所はここだ……と!
だが、ひょっとしたらネパールにも我々の帰る場所はあるかもしれない。「ワイワイ123ヌードル」の味は、それほどに心の奥底に染み込んでくるものだった。
執筆:中澤星児
Photo:Rocketnews24.