2018年に「焼肉ライク」が誕生して、焼肉業界は大きな転換期を迎えた。焼肉をファストフード化し「1人焼肉」の需要を創出したのである。ライクはこのコロナ禍で成功している飲食店の1つだ。その影響で、近頃1人焼肉のお店が増えてきている。

今回紹介する焼肉定食専門店「肉のまんぷく苑」も1席1台のロースターを設置している1人焼肉店だ。実際に利用してみたところ、ただライクを模倣しただけのお店ではないことが判明した。シメの茶漬けがイイ!

・これからは1人

“新しい生活様式” が推奨されている中で、従来の焼肉スタイルのお店は岐路に立たされている。1つのロースターを囲んでみんなでワイワイする、アノ焼肉はしばらくできそうにないからだ。大手居酒屋チェーンのワタミもまた新業態「焼肉の和民」を立ち上げて、1人焼肉スタイルにも対応している。もしかすると、これからは焼肉といえば1人が主流になるのかも。


・焼肉定食が充実

さて、肉のまんぷく苑は当サイトの読者にお勧め頂いたお店だ。2020年8月末、東京・蒲田に誕生したばかり。昼時に訪ねると、最寄の東京工学院大学の学生さんで満席! 時間が悪かった……仕方がないので1時間後に再度訪問した。入店すると、まずは入り口で食券を購入する。


焼肉定食専門店というだけあって、定食メニューは豊富! 全部で8種類もあり、価格は800~1600円とリーズナブルだ。これは学生さんにはうれしい価格設定だろう。定食のほかに肉・野菜の単品オーダーも可能、アルコールも用意されている。どうやら飲みの需要にも対応しているらしい。


・1人1台のロースター

席には1席1台のロースター。席の間には小さな仕切りがあるので、飛沫予防対策もバッチリだ。


席に着くとご飯の量を尋ねられるので、大盛(350グラム)か並盛(250グラム)のどちらかを選ぼう。ちなみにご飯をキャベツに変更することもできるぞ。今回はまんぷく定食特盛(1000円)をご飯並盛でお願いした。


・全部牛!

ご飯・みそ汁、そして肉が出てきた! 肉は牛バラ・ロース・ホルモンの3種盛り。それに玉ねぎもついている。


1000円という価格にふさわしい肉の量ではないだろうか。うれしいのは全部牛肉だ! 焼肉ライクのメガ盛りセット(バラカルビ・豚カルビ・ホルモン:300グラム)1080円と肉の量は同等だが、豚や鳥が入っていない分、まんぷく苑の方が満足度が高い


あとは焼いて食うだけ。お楽しみの時間の始まりだ。


自家製のまんぷくだれは醤油ベースのあっさりとした味つけ。卓上のマイルドニンニクや黄金ショウガ、香味油などを使って味変するのも良いようだ。こういった卓上調味料にも、ひと工夫が施されている。個性を感じさせるところがとてもイイ!



・茶漬けがイイね!

このお店で私が1番気に入ったのは、シメの茶漬けだ。無料で提供しているほうじ茶をもらって、少し残したご飯の上にタレをちょっとだけかける。さらにその上からほうじ茶をかければ、“まんぷく苑流茶漬け” の完成だ。


ただの茶漬けではあるけど、気取ったところがなく、小さな工夫で食事を楽しませるその心意気がイイ! こういうのでいいんだよ、こういうので!!


これぞ1人焼肉の進化系だ。これから少しずつでもお店が増えてくることを願う。それにしても、1人焼肉業界は今後、競争が激化していきそうな予感がするぞ。


・今回訪問した店舗の情報

店名 焼肉定食専門店 肉のまんぷく苑 蒲田西口店
住所 東京都大田区蒲田7-4-8
時間 11:00~23:00(L.O.22:30)
定休日 なし

Report:佐藤英典
Photo:Rocketnews24