意匠をこらした小さな封筒の世界「ポチ袋」。子どもにお年玉をあげるくらいしか用途がないと思われがちだが、さにあらず。

久しぶりに会う親戚の子に小遣いをあげたいときにも大げさにならずによいし、ちょっとお高めの旅館で「心づけ」に使うのもよい。部屋付の仲居さんというのは最近あまり見ないが、過去には心づけがあるのとないのではその後の対応が大違い、なんて経験もした。

ポチ袋の起源は花街で使われた祝儀袋で、関西弁で「これっぽち」という意味だそう。いずれにしても、現金をそのまま人に渡すのはヤボ、という慎みの文化であろう。そんなポチ袋に、珍妙な……もといユニークな商品を発見。ちょっと見ていただきたい。


・切り絵のぽち袋型メッセージカード 剣道(税込550円)

文具・紙雑貨ブランド「cobato」製のポチ袋。剣道の面(めん)の形が切り抜かれた封筒の中に、何枚もの色画用紙が重ねられている。

紙幣の折り方にはちょっとコツがいる。説明書に従って、偉人の肖像が中央にくるように折る。

あとは普通のポチ袋と同じように封入すると……


なんじゃこりゃぁぁぁー!!!!


野口英世がおもしろいことになってしまった。真剣な顔してあなた、剣道て……


これはいい。親戚の子らにさえ1万円もの大盤振る舞いをしたことはないが、諭吉サマでもやってみよう。


おおっ、福沢諭吉は顔が濃ゆいせいか、剣豪のような迫力が出た。まじまじと見たことはなかったが、ホリが深くて力強い眉毛、鼻も口も大きいんだな!!

慶應義塾体育会のホームページには「慶應義塾創設者である福沢諭吉も剣道を推奨し、自らも日常的に居合を実践していました」とある。防具を身につけたことも数え切れないくらいあっただろう。

こうなったら……誰かっ、5000円札はないかぁっ!


家中を探しまわり、見つけた紅一点・樋口一葉を入れてみたら……


あらかわいい。美少年剣士のようになった。美人だなぁ……。


・取り扱いは公式オンラインストアほか

誰得なのかちょっとわからないが、クスッと笑えるアイディアグッズ。ブランド公式オンラインストアには「ザビエル」バージョンのほか、偉人が「怪盗」になったり「受験票」になったり「少女漫画風」になったりと、いろいろなバリエーションがある。

くれぐれも冗談が通じる相手に使おう。上司のお子さんにあげたりしたらダメだぞ。人の顔で遊ぶなんて……と良識ある大人に眉をひそめられても筆者は知らない。


参考リンク:cobato オンラインストア慶應義塾体育会剣道部
Report:冨樫さや
Photo:RocketNews24.