その商品は「AXF(アクセフ) マスク」という。名前を聞いたことがあるだろうか? 私はつい数日前に知ったばかり。ご存知ない方のために説明すると、立体構造になっており、手洗いで繰り返し使えるマスクである。……あまりにも説明がザックリしすぎていて申し訳ないが、コイツは色々と複雑なのだ。

よし、1つずつ紹介していこう。「AXFマスク」には何パターンかあり、私が購入したものは接触冷感UVカット機能が付いていた。購入場所はマスク専門店で、価格は税込1496円(2枚セット)。ネットでも購入できるが、価格は大体1枚700円強と言ったところだろうか。

決して安い値段ではない。ユニクロの「エアリズムマスク」が1枚約360円(3枚入りで税込1089円)であることを考えると約2倍。にもかかわらず、私が購入に踏み切った理由はただ1つ。「アスリートも使っている」という点に惹かれまくったからだ。


その情報を教えてくれたのは、マスクコンシェルジュだった。名称から察しがつくだろうが、マスクコンシェルジュはマスクのプロ。東京駅に最近できたマスク専門店『Mask.com』にいるスタッフで、客に合うマスクを提案してくれる存在である。


以前の記事で軽く紹介したので、覚えている人だっているかもしれない。覚えてなくてもどうってことはない。とにかく、そのマスクコンシェルジュに「私に一番合うマスクって何でしょうか?」と相談してみた。結果、出てきたのが「AXFマスク」だったのである。

マスクコンシェルジュは言う。「アスリートも使っているんですよ」と。まぁ、どこでもある営業トークと思いながらも、私はスルーできなかった。なぜなら……


アスリートも使っている → アスリートは日頃から運動しているんだから、呼吸が楽になるマスクを追求しているはず → ってことは、このマスクを使ったら呼吸が楽になるのでは?


──と頭の中で矢印が繋がり、「呼吸が楽かもしれない」という可能性が希望の光に見えたのだ。同時に、財布の紐がゆるむ。そのタイミングを見計らったのかどうか分からないが、マスクコンシェルジュは自らのスマホを取り出し、画像を見せてくれた。そこには、「AXFマスク」を装着している有名アスリートが何人も。

マスクコンシェルジュは言う。「ね?」と。



こうして購入することになったのだが、帰宅途中に電車の中でスマホを取り出して調べると、たしかに「AXFマスク」の公式サイトで「アスリートも注目」的なことを謳(うた)っている。ちなみに、マスクの素材はポリエステル92%、ポリウレタン8%。原産国は韓国(加工は日本)らしい。


・加工がポイント?

そして何より気になるのが、「AXFマスク」に施されている『IFMC.(イフミック)』加工である。これは一体何なのか? 気になって『IFMC.(イフミック)』の公式サイトを見ると、以下のように説明されている。


「IFMC.(イフミック:集積機能性ミネラル結晶体)は(株)テイコク製薬社が温泉療法に着眼して製造したナノメーターレベルの非常に微小なミネラルの結晶体です。数種類の鉱物を組み合わせて鉄分の多い温泉水に一定時間浸漬し、その溶出液を特殊処理して抽出した物質です。

身体に装着することでバランス感覚の向上・リカバリー向上・パフォーマンスの向上が期待できます。プロ野球選手をはじめ多くのアスリートに愛用され、医療・介護分野での応用を目指し、東京都市大学 総合研究所 ミネラル結晶体研究センターにて研究が進められております」


──正直なところ難しくて分からない部分も多いのだが、なんかすごいらしいってのは伝わってきた。なお、今回私が購入した「AXFマスク」はデジタル迷彩柄だが、他にも白やグレー、野球チームのロゴが入ったもの……などなど。様々なバリエーションがあるので、気になる人は公式サイトでどうぞ。


・実際に着けてみた感想

さて、実際に装着した感想を単刀直入に言おう。ズバリ……


確かに着け心地は良いが、バランス感覚の向上などは正直よく分からなかった。アスリートなら運動中でも違いが分かるだけの余裕があるのかもしれないが、素人の中には「そもそもマスクをして運動するのが苦しくてその余裕がない」って人が結構いそうな気がする。

呼吸のしやすさに関して言うと、特別良いわけではないが悪くもなく普通。ただ、運動しているときの呼吸のしやすさに関して言えばPITTAマスクの方が楽かも



──上のように感じた背景には、私の体質や体型が大きく関係していることは否めない。というのも、私は運動不足でなおかつメタボ体型。このような人間が運動すると、すぐにマスクが汗でビチャビチャになる。少しの運動でもそうなる。


したがってマスクをして運動すると、乾燥時の着け心地なんて関係ない。通常の「AXFマスク」はサラサラした肌触りの良いマスクだが、そのストロングポイントが速攻で無と化す。細やかな繊維の目には、汗が洪水のように押し寄せる。

こうなってくると、『IFMC.(イフミック)』自慢のバランス感覚やリカバリー向上なんて宝の持ち腐れ。マスクを着けている身としては、それどころじゃないのだから。


まぁ汗でビチャビチャになるのはPITTAマスクの方も似たようなものだが、「AXFマスク」に比べたら、息苦しさは少しマシな気がした。



・まとめ

というわけでまとめると、「AXFマスク」は確かに着け心地の良いマスクだった。愛用者が多いのも納得のクオリティー。ただ、私のような人間がその快適さを真に理解するためには、時間がかかることもある。

早い話が、運動不足のメタボ野郎とアスリートを一緒にするなってことだ。それこそ、コンシェルジュから教えてもらった最も大事なことな気がしなくもない。


……いや、待て!


もしかしてこれは、マスクコンシェルジュからのメッセージなのではないか? 私の体型を見て、「健康のためにもうちょっと運動した方がいいですよ」と婉曲的に伝えようとした結果、「AXFマスク」をオススメしてくれた可能性……なくもない……ような……。



考えすぎかな



どう思う?


参考リンク:Mask.com、AXF公式通販サイト[1] [2]、PITTA MASKIFMC.(イフミック)
Report:和才雄一郎
Photo:RocketNews24.

▼「AXFマスク」の肌に当たる側。サラサラしており、着け心地はかなり良い。