こんな時代だからこそ持っておきたい保存食。特に、日本人ならば、いざという時食べたくなるのはご飯だろう。以前の記事で缶詰ご飯を湯煎して食べ比べたが、非常時は火を起こすのも結構手間かもしれない。

そこで今回は、水を注ぐだけでご飯ができる「アルファ米」を食べ比べてみよう。乾燥した米を水で戻すこの保存食。はたして、どれくらいご飯の味に戻るのか?

・購入した4社

購入したメーカーは、「尾西(おにし)」「アルファー食品」「サタケ」「ヤギショー」の4社。調べたところ、尾西、アルファー食品、サタケはアルファ米界では結構有名なようである。

ヤギショーは実力の程は不明だが、アウトドア用品専門店・石井スポーツに置かれており、商品名が「米々軒(まいまいけん)」と米への並々ならぬ情熱を感じたため買ってみた。

・作り方

作り方はどれも同じ。まずは、袋を開け、脱酸素剤とスプーンを取り出す。その後、内側の注水線まで水を注いで1時間待つだけ

ちなみに、今回はあえて水で作れるものを選んでいるため水で作っているが、もちろんアルファ米はお湯で作ることも可能。熱湯だと待ち時間は15分くらいに短縮されるようだ

・出来上がり

とは言え、アルファ米を食べるのが初めての私。本当にあのカピカピの状態から水だけで元の米に戻るのだろうか? 戻りきらず固い部分が残ったりしてそう……。1時間後、多少の不安と共に封を開けてみると……

普通にご飯だった


スプーンですくうと感触はモチッと柔らかい。スゲエッ! 未来キテる!! パックに塊で入っている感じもどことなく近未来チックだ。『攻殻機動隊』のバトーさんが食べてそうである。

出来上がりの量的には、「尾西」「アルファー食品」「サタケ」がお茶碗大盛1杯分くらい。「ヤギショー」は量が多く、カレー皿大盛一杯くらいある。その分「ヤギショー」は他より価格が高いが、量的には2倍くらいの差があるのでコスパは悪くないように感じた。

・アルファ米の味

まずは小手調べ的な感じで、アルファー食品の「安心米」を食べてみると、思っていたよりご飯の食感がする。味的には炊き立てより少し風味は落ちるものの、モチッとしたその食感は完全にご飯だ。

ひと通り食べた結果、全て想像していたよりウマイ飯に仕上がっていた。総評は「アルファ米と言ってもちゃんとしたご飯じゃん」という感じ。個人的ランキングをまとめると以下の通りである。なお、今回使用した「尾西」「アルファー食品」「サタケ」はわかめごはんだが、ランキングはご飯の味のみの評価と考えていただけると幸いだ

・味ランキング

1位 ヤギショー「米々軒 白いご飯大盛り(税込540円)」
2位 尾西食品「尾西のわかめごはん(税込328円)」
3位 アルファー食品「安心米 わかめご飯(税込345円)」
4位 サタケ「マジックライス わかめご飯(税込346円)」

──前述した通り、アルファー食品は普通にご飯の味がしたわけだが、その後尾西食品を食べてみたところ、米が良い具合に固く、より粒立ちがハッキリしているように感じた。尾西のアルファ米を味わった後に、アルファー食品を食べると、若干パサついて感じるのである。

だが、そんな尾西さえも上回ったのがヤギショー。米の甘みすら感じるその味は、炊き立て……まではいかなくとも、保温で少し置いた程度までは蘇っている。「米々軒」の名に偽りなしの米へのこだわりだ。

・個人的には買うなら尾西食品

とは言え、前述した通り、ヤギショーは550gと結構量がある。保存食として考えると、これは家族などシェア向けかもしれない。逆に、1人用に備蓄する保存食だと尾西食品の量がちょうど良いように感じた

尾西食品も2位とは言え味的には十分ご飯の旨みがあるため、1人暮らしの自分がどれを備蓄するかと考えると、尾西食品になりそうである。ちょっと安いしな。

ヤギショー的には、まさに勝負に勝って試合に負けるというヤツだが、まあ、この2つは味的には使い勝手で決めて良いくらいの僅差だったということ。状況は人によって変わると思われるので、備蓄の参考にしていただけると幸いである。

Report:中澤星児
Photo:Rocketnews24.