みんな1度は考えたことがあるはず。「透明人間」になってみたいと。人の目から見えなくなったら、何でもできそう! 現実的には難しい訳だが、人の目をあざむく程度の “透明” なら可能かもしれない。たとえば、窓に貼って光を反射するミラーシートを全身に貼ったら、景色に溶け込めるんじゃないの? つまり透明人間になれるんじゃないの? 

今回それを実際にやってみたら、想像を超える神々しい存在を造り出してしまったのである。完全に予想外! そしてある場所で撮影したところ、奇跡的なスーパーショットを撮ることに成功した。こんなはずじゃ……。

・身体にミラーシートを貼りつける!

このアイディアは、私(佐藤)が冬のうちから温めていたものだ。外出自粛が明けたら協力してくれるように、当編集部のYoshioに頼んでいた。あらかじめ購入しておいた6000円くらいのミラーシートを持ち出して……。

佐藤「これ、俺の全身に貼って。そしたら、透明人間みたいに見えなくなるはずだから」

Yoshio「は? おめえ46にもなって、なにを訳のわかんねえこと言ってんだ?」

佐藤「いいから貼れよ、天才の発想ってヤツを見せてやるから」


軽くひと悶着あったが、Yoshioは快諾(半分嫌々)してくれ、私の全身にミラーシートを貼ることになった。ちなみにその会話を当編集部の中澤星児は聞いていたが、1ミリも手伝ってくれなかった。自粛期間で変わってしまったのか、星児……。


話を戻そう。窓の目隠しにコレらのシートを貼ったことがある人ならわかると思うが、意外と粘着が弱かったりするものだ。しかしコレは高価なだけあって、粘着力はかなり強力。服の上からでもバシバシ貼り付けることができる。まずは胴体。続いて脚を貼る。


さらに腕と肩を貼ってほぼほぼ完成。


どうだ? 鏡をまとった姿は。思っていた以上に強そうになった。ある意味サイバーチックでもある。



あまりの出来の良さに、クソコラもはかどるというものだ。背景を変えるだけで「曲はいいけどアルバムジャケットが絶望的にダサいアーティスト」みたいになった


まだ終わりじゃない! 本題はここからだ。まだ全身ミラーシートは完成していない。頭だ、頭がむき出しのままなんだ。顔面にシートを貼ると呼吸ができなくなってしまう。どうしたものか? と考えていたところ、Yoshioが画期的な方法を編み出した。

シートを筒型にしてホッチキスで留め、すっぽり被ればいいと言う。なるほど。これなら鼻と口をふさがないので呼吸もできる!


お待たせしました! 完成した姿がこちらです。身体全部ミラーシートで包まれているぞ!


「未知の知的生命体」の完成である


遠い遠い銀河のかなたから、悠久の時を経て地球にたどり着いたナゾの生命体。頭に筒を被っただけで、雰囲気が一変した。


『ターミネーター2』に登場した変幻自在のアンドロイド、T-1000のように見えなくもない。もしくはキン肉マンに出てくる弱小悪魔超人だな。



サイケデリックな背景をコラージュすると、特撮ドラマ『ウルトラQ』のようでもある。


・外に出たら、街に溶け込むのか?

ヨシ! 準備は整った。これで外に出たら、景色に溶け込んで姿が見えなくなるはずだ。俺、透明人間になる! ところが、外に出ると思わぬ事態に遭遇した。身体が焼けるように熱い!! 直射日光を浴びるとその熱をシートが吸収してしまうらしい。熱い~、背中や脇から汗が噴き出ていることがわかる。とにかく早く撮影しよう、早く撮影して早く帰ろう。


まず、事務所の外に出てすぐのところにある街路樹の前で撮影。どう? 溶け込んでる? 見えない?


丸見えやないか! こんな不自然な物体が歩いていること自体、そもそもおかしい! こんな格好で駅の方まで行ったら、パニックが起きるんじゃないのか?


もしかしたら、無機質なものとの相性は良いのでは? という仮説をもとに交差点前で立ってみる。引きで撮ったら、景色に溶け込んでいるかも……。


全然溶け込んでない! ぐにゃぐにゃに歪んだステンレスポールが立ってるみたいじゃないか。溶け込むどころか、街に馴染んでさえいない。


・奇跡が起きた!!

この検証は完全に失敗だったのか? 全身ミラーシートが馴染む景色は、街中に無いのだろうか? 一応広い景色のなかで撮影しようと歩いていたところ、シャッターの前に差し掛かった。その瞬間、撮影を手伝っていたディズニーマニア田代がこう叫んだ!

田代「佐藤さん、そこでストップ! そこで止まってください」


そう言ってスマホのカメラを連写し始めた。後ほどその写真を見てみると、私の身体に反射した光が、シャッターに不思議な模様を描いているじゃないか。不規則な光の直線は、まるでアートのようだ。田代は言う「翼が生えたみたいですよ……」と


その後さらに構図を変えて、シャッター前で撮影を続けた。あった、溶け込める場所が。全身ミラーシートが存在し得る場所はシャッターの前だった。撮った写真はことごとくカッコいい!!




もはや広い場所に行く意味はなかったが、それでも緑をバックにして撮影してみた。ある日、街に突然姿をあらわした、匿名芸術家のオブジェのような風情。透明になるはずだったんだが、逆に存在感が強まってしまうとはね。私服の方がまだ街に馴染む。




そんな訳で、この格好はとにかく身体が熱くなるので絶対に真似しないように。熱中症でぶっ倒れる可能性がある。そのうえ、残念ながら透明人間にはなれない。ちょっとカッコイイ感じにはなるけど、真似するなよ!


Report:佐藤英典
Photo:Rocketnews24

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