マンガ雑誌の主役は言うまでもなくマンガだ。ただ、作者が自身の言葉で綴っている後書きも結構面白い。たまに意外なことが書かれていたりすることもあるからだ。
逆に、作風からイメージする通りの後書きだったらそれはそれでテンションが上がる。私(中澤)は、今週のヤングジャンプ2020年28号の本宮ひろ志先生の後書きに笑ってしまった。
・本宮ひろ志とは
『男一匹ガキ大将』や『サラリーマン金太郎』など、男らしい作風で知られる本宮先生。現在、ヤングジャンプで様々な職業にスポットを当てるオムニバスストーリー『グッドジョブ』を連載中だ。
28号では新章に突入したところで、「脳外科編」が開始されている。救命救急の最前線を描く40話は線からキャラの動きまで相変わらずめちゃめちゃ男らしい。作者名を隠したとしても、誰もが一発で分かる本宮ひろ志節である。
・今週の後書き
さて置き、話を後書きに戻そう。ヤングジャンプの後書きは、1つのお題に沿って連載陣がコメントする形。今週のお題は「思わずジャケ買いをしてしまったCD・本・漫画などを教えてください」というものだ。
これに対して、例えば『キングダム』の原泰久先生は「安彦先生の書き下ろしのものは、つい買ってしまいます。」と答えていたり、『ウマ娘シンデレラグレイ』の久住太陽先生は「『例解 慣用句辞典』です! 新連載よろしくお願いします!」と答えていたりするわけだ。そんな中、本宮先生のコメントは……
「一度も無し。」
──ひと言。圧倒的ひと言。もちろん、他にもジャケ買いしない派の先生のコメントはあるのだが、例えば『オーライ!』の橋本スズヒラ先生などは、「ジャケ買いしたことないですがバナナマンライブのジャケット大好きです!」となんとかひねり出している。
ひねり出してない人でも『ゴールデンカムイ』の野田サトル先生は「あんまりないので憶えてません」、『久保さんは僕を許さない』の雪森寧々先生は「ジャケ買いをあまりしないです」とどこかやんわりしているのに対し本宮先生は……
「一度も無し。」
──キレてるのかと思ってしまうほどの圧倒的な男らしさである。とは言え、確かに本宮先生がジャケ買いする様子は想像がつかない。作者のキャラが作風に沿うべきとは思わないのだが、個人的にもの凄く味わい深いコメントでますます後書きにハマりそうだ。
参考リンク:ヤングジャンプ
執筆:中澤星児
Photo:Rocketnews24.