ワニが死んで約1週間が経った。最終話の100日目には「ワニくん」が世界トレンド1位になり、2020年3月26日現在、222万いいねを超えている本作。Twitter上では猫も杓子もワニに注目していた。

では、そんなワニはTwitter外では知られているのか? Twitter をやっていない人に知ってるか聞いてみた結果、謎の回答が返ってきたためお伝えしたい。

・ブームについて

Twitterをやっている私(中澤)からすると、少なくとも100日目まではワニブームが来てる気がしていた。だが、この1週間ワニにもいろいろあった……そこでふと考えたのは「ブームってどういう状況か?」ということ。

流行りは数値化できるものではないため、明確にブームの定義は存在しない。だが、私の37年間の経験上、個人的にではあるがブームと判断できる状況がある。

それは文化圏が全く関係ないクラスターも名前くらいはぼんやり知っているという状態だ。はたして、ワニはそこまでいったのか?

・ワニの文化圏

ここでワニが流行した文化圏を考えると、これは言うまでもなく Twitter である。マンガ自体も Twitter に投稿されているし、そこから話題になってネットに広がった。そこで、Twitter をやっていない人に知っているか聞いてみたわけである。

・パソコン自体が苦手なS氏

その人物とは30代会社員の男性S氏。私とS氏はもう15年以上の付き合いだが、出会った時からS氏はネットだけではなくパソコン自体が苦手であることを公言していた。スマホを使い始めたのもここ最近の話で、Twitter はもちろんやっていない。LINEは連絡用にのみ使っているようだが。

「30代でそんな人がいるのか」と思う人もいるかもしれないが、37歳の我々の世代にとって、パソコンが当たり前になったのは途中からだ。おそらく、最初はパソコンへの苦手意識から踏み出せず、特に生活していくのに不便はないため今もそのままという感じなのだろう。

・謎

ともかく、そんなS氏は、まさにワニの文化圏外の人間。そこで「『100日後に死ぬワニ』を知っているか」と質問してみたところ、以下の回答が返ってきた。

S氏「全然知らない。絵本? 猫のやつなら知ってる


──回答から嘘ではないことがビンビンと伝わって来る。確かに、タイトルだけ聞くと絵本かと思いそうだ。だが、猫って何だよ。しかも猫なら知ってるって一体どういうことだよ!?


S氏「百万回死んだ猫だっけ? 絵本」

──なるほど。どうやら、S氏は『100万回生きたねこ』のことを言っているようだ。100でシナプスが繋がったのかもしれない。こっちも間違ってるけどな


というわけで、あれだけ騒がれた『100日後に死ぬワニ』だが、S氏にはその雷鳴は轟いていなかったもよう。それにしても、タイトルくらいは誰でも知っているレベルだと思っていただけに予想外の返答だった。自分の見えているものだけが世界の全てではない。改めて目からウロコが落ちた出来事だった。

関連リンク:100万回生きたねこ
執筆:中澤星児
Photo:Rocketnews24.
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