「ポイントは玉子だったんだ。お肉でも玉ネギでもない。サイドメニューの玉子。こいつが、吉野家の「牛の鍋焼き」では味の印象を左右するキープレイヤー的役割を果たしている……と言っても差し支えない。主役以上に重要な脇役ってやつだ。すごいぞ玉子!」
──私が吉野家の新商品「牛の鍋焼き」を食べた率直な感想は、ざっとこんなところ。ご覧の通り、玉子の重要性のみを述べているが、新メニューの味がイマイチだったというわけではない。むしろ満足度は高かった……にもかかわらず、玉子が果たす役割の大きさに目(舌)を奪われてしまった理由を、以下で説明していきたい。
・吉野家『牛の鍋焼き』の悩ましさ
以前の記事でもお伝えした通り、吉野家が本日2020年3月5日に販売開始した『牛の鍋焼き』は、各自好きなように牛肉&玉ねぎをジュージュー&グツグツできる新商品である。鉄板で焼き上げるのは吉野家120年以上の歴史の中で “初” というから、なかなかチャレンジングなメニューと言っていいだろう。
当然 私は発売日のお昼に吉野家へ出向き、『牛の鍋焼き』を注文した。そしてひと口食べたところ、どうしても悩んでしまったのだ。
これは「すき焼き」なのか?
それとも「ホット牛皿」の方が近いのか?
──ってところが。すき焼きと言えば やや言い過ぎな気がしなくもないし、「ホット牛皿」と呼ぶには『牛の鍋焼き』は豪華すぎる。
ちなみに、先日の記事で生姜ダレが使われていることを紹介したが、実際 生姜の風味はそんなに強くなかった。何より、牛肉の肉々しさと玉ネギの甘味が前面に出ている。最高だ。まるで豪華な牛皿のように……ってことはつまり、
これはホット牛皿か?
いやいや……
すき焼きか?
どっちなんだ?
おそらく、『牛の鍋焼き』をすき焼きの1種と感じるかホット牛皿に近いと感じるかは、人によって意見が分かれるところかと思う。私自身、どっちか判断がつかなかったのだが、その肉を玉子に絡ませると……一瞬で心が決まった。
「はい、これはすき焼きです」と。
・ “すき焼き感” を高めるために
もちろん、牛皿だって悪くない。私自身も好きでよく頼むが、 “牛皿” と “すき焼き” のどっちが好きかと聞かれたら、やはり「すき焼き」と答える人が多いはず。だったら、すき焼きっぽく味わった方がいいに決まっている。そのための、玉子だ。具材を玉子にくぐらせれば、いやが上にも “すき焼き感” はより高まるのだから。
また、玉子をくぐらせることで味がよりマイルドになるという効果もある。さらにもう1つ言うと、肉&玉ねぎのエキスがふんだんに しみこんだ玉子をご飯にかければ、玉子かけご飯になる点も見逃せない。24時間定食&御膳のご飯おかわり自由が、玉子でより活きるのだ。
ただ当然ながら、自分の好きなように食べるのが1番いい。玉子なしで食べるのが好きな人は是非そうして欲しいが、初めての方ならば、何度も申し上げている通り玉子をつけることをオススメする。
なお、『牛の鍋焼き御膳(税抜648円)』はミニサラダか玉子かを選べるので、そこで玉子を選択すればOK。単品(税抜498円)および『牛の鍋焼き定食』(税抜598円)には玉子がつかないから、追加でオーダーする形になる。
──以上。『牛の鍋焼き』を食べようと思っている人の参考になれば幸いだ。
参考リンク:吉野家
Report:和才雄一郎
Photo:RocketNews24.
▼もう1つ言うと、玉ネギめっちゃ多いぞ!