渋谷・新宿・御徒町。オシャレ女子に最も縁遠いエリアはどこだろう? 原宿・青山・御徒町。オシャレ女子が足しげく通わない街はどこだろう? 答えはそう、御徒町である。JR山手線が走っているにもかかわらず、地方には読めない人も多いでお馴染みの「御徒町(おかちまち)」である。

その御徒町に、最近異変が起きている。異変の震源地はJR御徒町駅から3分ほど秋葉原方面に歩いた高架下『Egg Baby CAFÉ(エッグベイビーカフェ)』──。いかにも御徒町っぽくないキラキラ女子たちが、鬼のように行列を成しているから驚くしかない。

・御徒町歴10年以上

前職の勤務先は御徒町、今でも週3回で御徒町にあるスポーツジムに通う私、P.K.サンジュンは御徒町を愛している。流行に敏感ではなく洒落てもいないが、肩ひじを張らないでいい気取らなさが御徒町最大の魅力である。LOVE、御徒町。

その反面、御徒町はキラキラしたオシャレ女子とは縁遠い街であることは否めない。地元トークで恐縮だが、吉池(魚屋)でオシャレ女子が買い物をするだろうか? 多慶屋(元祖ドンキ)でナッツを爆買いするだろうか? この街で10年以上を過ごしているが、オシャレ女子を見かけたことは片手で数えるほどしかない。

それは言いすぎだとしても、オシャレ女子だらけの行列を見た記憶は本気でない。御徒町で行列といえば「蒙古タンメン中本」だけ。もちろん行列に並んでいるのは、私のようないかにも御徒町っぽい風貌の男たちだらけである。本当に御徒町はオシャレ女子と無縁の地なのだ。

・中本以外に行列が……!

その御徒町にオシャレ女子だらけの行列が出来ているではないか──。あれは日曜日の昼下がりのこと。JR山手線高架下に最近できた『Egg Baby CAFÉ』なる飲食店の前に、20人ほどの行列が出来ていたのである。最初はドッキリだと思った。……だって御徒町にオシャレ女子がいるハズなんて無いんだから!

だがしかし、その行列はドッキリでもなければ目の錯覚でもなく、単なるリアル。これを異変と言わずして何と言おう? 御徒町にオシャレ女子の大群を招集することは、砂漠にマグロの群れを出現させることに等しい。実質、無理なのだ。いったい何者なんだ『Egg Baby CAFÉ』……! これは確かめるしかあるまい。

・プリンが超人気らしい

というわけで、平日お昼前の『Egg Baby CAFÉ』に足を運んだところ、店内にはチラホラとオシャレ女子の姿が。店員さんによると、同店の名物メニューは「半熟たまごのサンドイッチ」と毎日14時から販売される「プリン」とのこと。そしてどうやらオシャレ女子たちのお目当ては「プリン」のようだ。

14時まで待ってらんねぇ……! というわけで、ここはひとまず「半熟たまごのサンドイッチ(税抜900円)」と2番人気だという「ラスパドゥーラカルボナーラ(税抜1000円)」をオーダーし、まずはお食事の実力を確かめることに。プリンほどではないにせよ、オシャレ女子たちを夢中にさせつサンドイッチとはいったい……? 到着したサンドイッチは……


映えぇぇぇぇぇええええええ!


映える、実に映える。写真を撮ってから食べないと逆に悪いレベルで「半熟たまごのサンドイッチ」は映えていた。お味の方は意外としっかりめに味が付いており、ウマい。「こんない美味しいサンドイッチは食べたことがない!」……とは言わないが、実に美味しいサンドイッチである。

一方のカルボナーラは、良く言えば素材の味を活かしたオーガニック風味、悪く言えば塩分がやや薄かった。とはいえ、どちらも御徒町らしからぬ上品かつインスタジェニックなメニューである。少なくともここ10年で、こんなにオシャレなサンドイッチは御徒町に無かった。

・幻のプリン

そして14時過ぎ──。幻のプリンを求めて再来店! プリンは税抜450円で持ち帰りは不可、店内のみのメニューとなっている。オシャレな内装の『Egg Baby CAFÉ』に短時間で2度も来店してしまった私(42歳)は、心もウキウキ、客層的にも浮き浮きしつつプリンを待つ。やがて……。


おや? そんなに映えてない。


サンドイッチがあまりに洒落ていたので「どうせプリンもでしょ?」と思っていたが、どちらかというとプリンはクラシックなビジュアル。四角くカットされたプリンの上には、ぽってりと生クリームがトッピングされていた。

お味の方はと言うと、あら……美味しい☆ いわゆる硬い系とトロトロ系の狭間にいるようなプリンで、タマゴのコクが印象的だ。苦めのカラメルソースもどちらかというと懐かしい系で “ありそうであまりなかったプリン” といった感じだろうか? うむ、ウマい。

ただ実際問題として、御徒町LOVEの私的には「プリンがオシャレ女子たちを惹きつけている理由」がよくわからなかった。そして今、小一時間ほど考えた結果「42のおっさんにはわからない」という結論に至った次第だ。たぶん、私が200年考えたところで答えには辿り付かないだろう。

・とてもイイお店

とはいえ、店の雰囲気が良く、店員さんたちも明るく親切、さらにはコーヒーも美味でパン(カルボナーラに付いてた)が激ウマだったことは記述しておきたい。「オシャレカフェに出向く」というプレッシャーに負けなかったらまた来たいです──。

というわけで、私がおっさんであるがゆえ「御徒町までオシャレ女子が集う確固たる理由」はわからなかったが、それでも『Egg Baby CAFÉ』が非常にイイ店で、オシャレ女子たちがプリンを食いまくっていることは紛れもない事実である。いま、御徒町に異変が起きている──。

・今回ご紹介した飲食店の詳細データ

店名 Egg Baby CAFÉ
住所 東京都台東区上野5-10-9
時間 10:00~22:00
休日 不定休

Report:P.K.サンジュン
Photo:RocketNews24.